ソチ五輪フィギュアスケート代表だった町田樹さん(27)が12日、テレビ東京の平昌五輪中継に解説で登場し、変わらない「町田節」を披露した。

 14年の全日本選手権を最後に現役引退し、その後は早大大学院で学業に励んでいたため、本格的にテレビで競技解説するのは初。現役時代から独特の言い回しで「町田語録」と話題になった口調は健在だった。

 11日の団体戦女子ショートプログラム(SP)で回転不足を取られた宮原知子について聞かれると、「私は全ての選手の演技をスローモーションで慎重に確認した結果、宮原選手のジャンプは何ら遜色ありません」ときっぱり断言。この日初練習に臨んだ羽生結弦の練習映像を見ての分析では、「あくまで推測ですが」と強調した上で「現時点で痛みがなければ、ジャンプやスピンといった技術面はすぐに戻ってくるはず」「問題はプログラムをまとめ上げるための持久力がどれほど戻ってきているのかですね」と焦点を当てた。

 

<過去の町田語録>

 14年の世界選手権では羽生に肉薄して銀メダルも獲得した実力も折り紙付きだが、何より魅力的だったのはその話力。その一例は…。

 ◆12年スケートアメリカで 「僕が目指しているのは、純粋芸術としてのフィギュアスケート」。SP「エデンの東」について「町田樹史上最高傑作ができた。テーマはTimshel(ティムシェル)。自分の運命は自分で切り開く」

 ◆13年GPファイナル SP最下位6位からフリーで4位に「僕は1歩でも下がれば死。SPの後に絶景を見た。『おい、町田樹、どうするんだ!』と、自分で自分に挑戦状をたたきつける気持ちだった」

 ◆14年ソチ五輪の練習 「徐々に五輪を僕のコントロール下に置けるようになってきた。僕の火の鳥は宇宙まで飛んでいく」

 ◆14年世界選手権銀で 金の羽生に「来年は容赦なくぶっつぶしにいきます」

 振り返ると滑りもしゃべりも独特だった。解説でもその存在感を示し、SNS上では再登場を願う声も広がった。