最近の新築マンションは「コストダウン」が激しいって具体的にどこ?
Twitterで「最近の新築マンションのコストダウン垣間見て、ちょっと悲しくなってきた」的なことはよく呟くんですが、最近から新築を見た人には何のこっちゃ??って思いますよね。たしかにあまり説明してなかったかもしれません。
あんまり具体的に書くと物件攻撃になりかねないので、サラッと述べますが・・・
【ちょっと前の板状マンションなら玄関前にポーチがついてて当たり前】
玄関前のポーチ!本当に見なくなりましたね。マンションマニア先生が船橋のマンションで見つけて感動するくらい、最近じゃ絶滅危惧種となりました。
(写真はニュートンプレイスのポーチです。立派。)
共用廊下は基本的に共用部分ですので物は置けません。マンションによっちゃ、ポーチの中でも「私物を置いてはダメ」と書いてますから、単なる張り出し玄関の役割となりますが、もう一つ重要な役目が有ります。それは廊下側部屋のエアコン室外機を共用廊下に直に置かないためなのです。
(ニュートンプレイスの間取り。写真の部屋ではありません。玄関の両脇の部屋の窓には花台を設置。廊下側も完全アウトフレーム。めっちゃいい作りしてるわ。)
一時期の長谷工標準板状マンションは、ポーチを作って廊下側の窓は出窓として作るか、窓の外に花台を設定し、その下側を室外機設置スペースとして作ってました。こうすると見栄えがいいじゃないですか。これが時代が下ると、余裕がなくなってポーチは廃止、出窓も廃止。ポーチがないから花台も廃止。共用廊下にでーんと室外機が並ぶようになってしまいました。
玄関扉は外側から手前に引いて・内側から押して開けるようになっています。ポーチがあれば、共用廊下を歩く人とぶつかることはありません。もう一つの理由は、アウトフレーム化した廊下側の柱と柱をつなぐ大梁をポーチ部分に作ることによって、玄関は天井が低くなるけど、廊下側の部屋は大梁の影響が少なくなるってのが有りました。
これが無くなったら、廊下を歩く人と玄関扉がぶつかる懸念があるので、玄関扉を引っ込めて、簡易的なアルコープを作るマンションとなりました。これはリーマンショック前のマンション高騰期に一斉にこう切り替わっている気がします(データなし)。
たとえば、下のマンションはリーマンショック前の過渡期のマンションですね。洋室(1)は出窓になっていて、出窓下の外側は室外機置場。洋室(2)はメータボックスと構造柱を小さく囲んでその部分に目立たないように室外機置場を作ってます。
(2007~08に販売していたとある湾岸マンション。マンション名は勘弁してください。)
アルコープはほとんどないのですけど、これでもメータボックスが出っ張って、玄関を開けても廊下を歩く人とぶつからないように配慮されています。
んじゃ、今コストダウンの激しい間取りってどうなの?って言うとこうですよ。
普通なら画像出典のために物件名挙げないといけないんですが、今回はやめておきます。廊下側は完全インフレーム、そして玄関は共用廊下とまっすぐ平行。端っこ歩かないと絶対にぶつかりますね、コレ。こんなの賃貸じゃないですか。
でも、これ千葉の物件でしょ?っていう貴方。東京だって都心区じゃなければ、こんな感じのマンションありますよ。
これ、坪250万円近いマンションですからね。。。こちらもエレベーターそば、隣の人が歩いてくるのを感じたらそっと玄関を開けないとぶつかりますね。分譲マンションではなく、重層長屋クオリティですよね。
重層長屋って下のような建物の事です。
長くなっちゃったので列挙するだけに留めますが、思いつくだけで他にも:
- 吸排気同時レンジフードではなく、排気のみレンジフード設定。だから、吸気は別に壁に穴が付いてる。レンジONとともにカラカラと壁の安っぽい換気扇が回る。坪300万円オーバーなのに・・・
- 一昔前の坪250万円なら、キッチンは外国製、そうでなくても国産最高級クラスだったのに、今じゃ国産普及品レベル。洗面台も。
- ドアの取手が明らかにしょぼい。毎日必ず触れるところなのにコストがかかってない。
- 外廊下側の玄関周りがタイル張りではなく、吹付けコンクリートのまま。平滑面処理すらしてないので、うっかりセーターを壁にこすってしまうと糸を引いてしまう。玄関ですよ(絶句)
などなど。涙ぐましい努力を見ると、めっちゃがっかりするんです。
こういう住む人にとってなんのメリットもないコストダウンってのはいろいろ見てると自然とわかるものなんでしょうけど、いまから新築マンション見る人にはわかりづらいかもしれませんね。三井先生が「今は中古のほうがマシ」って最近連発してるのはこういうところかもしれませんね。
- 購入検討初心者シリーズ
- コメント: 0
この記事へのコメントはありません。