インディーズゲームの小部屋:Room#519「Aegis Defenders」
最近,十数年ぶりに巨像にしがみついてよじ登っている筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第519回は,GUTS Departmentが開発した「Aegis Defenders」を紹介する。古代の機械兵器をめぐって冒険を繰り広げるというストーリーを描いた本作。2D横スクロールアクションとタワーディフェンスを融合させたゲームシステムが大きな特徴の一本だ。巨像がぶんぶん体を揺さぶって落ちそうになると,思わず手に力が入ります……。
本作の舞台となるのは,文明社会が崩壊し,暗黒の時代が続く未来。そこでは,人々は自分達を導く不死の存在である古代兵器を“死なず”と呼び,神として崇拝していた。それを良しとせず,人間中心主義を掲げるインドラ帝国は,“死なず”をあがめる国々を次々と滅ぼしていった。
そんなインドラ帝国に村を滅ぼされた老技術者のバートと孫娘のクルウは,旅の途中,はるか昔に世界を滅亡に追いやった元凶とされる機械兵器「イージス」を偶然に発見してしまう。そして2人は,インドラ帝国にその存在を知られる前にイージスを起動する術を見つけるため,帝国領の奥深くへと足を進めることに……。
ゲームには「タンケンフェーズ」と「ボウエイフェーズ」の2つがあり,新しいマップに進むと,まずはタンケンフェーズでステージを探索することになる。ここでは,ハンマーを使った近接攻撃が得意なバートと,銃による遠隔攻撃が可能なクルウの2人を交互に切り替えながら,敵と戦ったり,ギミックを解いたりして先へ進んでいく。
2人はステージのあちこちにあるリソースを集め,それを使ってそれぞれ別のアイテムを作り出せる。バートはブロックやタレット(自動砲台),クルウは爆弾やトラップなどを作成でき,ステージの途中でこれらをうまく活用して敵を倒したり,仕掛けを動かしたりといった場面もある。ステージ最奥まで進むとイベントシーンが発生して,いよいよボウエイフェーズの開始だ。
ボウエイフェーズでは,ステージ中央にある拠点を目がけて押し寄せてくる敵から,拠点を守り抜くのが目的となる。ウェーブの開始時には60秒間の準備時間があり,このあいだに敵が通りそうな場所にタレットや爆弾などの防衛設備を置いて,敵を迎え撃とう。もちろん,ウェーブが始まってからも,ただ見ているだけではない。バートやクルウを自分で操作して,敵に突破されそうな場所を守らなくてはならないのだ。
1つのウェーブが終了すると,ステージ内のリソースを再び回収できるようになるので,急いでこれらを集めつつ,壊れたタレットを修理したり,新たな設備を配置したりして,次の襲撃に備えるべし。60秒間でできることは限られているので,これがなかなか忙しく,的確な防衛準備を整えるのはかなり大変。ウェーブが進むとステージの足場の位置が変化することもあるので,敵の進路を予想して効果的な防衛を心がけないと,クリアはおぼつかないだろう。
防衛設備の中には,バートとクルウが協力することで作れる強力なものもあるなど奥が深く,ゲームプレイを通じて入手したポイントやお金を使って設備をアップグレードしたり,新しい武器を購入したりなど,遊び応えも十分。2D横スクロールアクションとタワーディフェンスを融合させたゲームシステムは新鮮で,てんやわんやしながらも拠点を守り抜いたときは,高い達成感を得られる。ふう,どうにか守り抜いてやったぜ……。
タンケンフェーズの難度はそれほどでもないが,ボウエイフェーズの忙しさは思わず悲鳴を上げるほどで,ストーリーを進めるとモンクのカイムとシーフのズーラも仲間に加わって,ますます拍車がかかる。緻密なドットグラフィックスが魅力的で,丁寧な日本語ローカライズが行われているのも嬉しい本作は,Steamにて2200円で発売中なので,バートやクルウと一緒に古代兵器の秘密に迫りたい人はぜひどうぞ。オススメです。
■「Aegis Defenders」公式サイト
http://www.aegisthegame.com/- この記事のURL:
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