「お金がすべて、の社会のその先に」
このキャッチコピー良いですね。家入一真さんの「なめらかなお金がめぐる社会」を読んでいます。もう資本主義は限界だ、小さな経済圏で生きよう、そしてゆるく、つながりながら、生きていこう、というお話。
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お金があればつながらなくても良い
とつぜん話は変わりますが、私は結構「人ギライ」なところがあるんですよね。孤独に行動するのが好きというか、あんまり群れてアレコレするのは好きじゃありません。もちろん、気の合う人とおしゃべりするのは大好きなんですけど、基本的に孤独が好きです。というか、毎日ひとりで仕事をしてるので、ひとりっきりなんですけどね。
「小さな経済圏」って、他者の存在が必須じゃないですか。他人から食糧をもらったり、ギブを受けたり。そうした他人の存在を前提にした生活って、私はしんどいんですよ。もちろん、今のライター仕事もお客様の存在が前提なのですが、そこは経済学的にいう「契約」ですから。契約なので、納品物にたいして対価が支払われるという関係性。でもそれが一番気楽で良いです。
弱者をみている優しい家入さん
でもこれは、所詮、売上の大きい強者の論なんですよね。家入さんは弱者をみていて、資本主義からはじき出された人たちが生きていける社会を構築しようとしている。家入さんのこと良く存じませんが、メンタルがあまり強くない方かつ可燃性の高くてらっしゃる方(気を使った表現)という話をちらほら聞くので、こうした「恩送りの社会」のトップランナーであり続けてくれることは、社会にとって貴重な存在なのだろうなと感じました。
心根の優しい成功者にはみんな惹きつけられる。やっぱり人間、あたたかい心をもっていなければならないというのは、私のポリシーでもあります。
「大きな存在」に「依存」することの怖さ
この本では、会社組織や特定のコミュニティに依存することの怖さも説かれています。依存をしてしまうからこそ、抜け出し、自立することが困難になる。会社、特定の顧客、酒、アイドル・・・私たちはみなこぞって何かに依存する弱さをもっている。
しかし、クラウドソーシングなどで収入の選択肢が増えたり、CAMPFIREで「なめらかなお金」がめぐったりすることで、より社会が円滑になるのではないかという着想のもと、クラウドファンディングが実行されています。
しかし、クラウドファンディングも共感を得ることや愛されることに価値が偏重しており、共感を得られない人はそこから無残にも脱落してゆくので、これはこれで愛され格差が生まれるような気もしますが。
それでも、権力や影響力、といった社会的な成功という物語から、地域や個々人の物語へ。新しい資本主義とお金の社会へ、きっと向かっているのだろうと思います。価値観が変わるということは、人々の考え方が変わるということ。おそらく、若い人が声をあげることで、私のようなオールドタイプは旧世代へと追いやられ、社会も新しいステージに変わっていくことでしょう。
後半は物語の発掘とインターネットによる民主化の話のようで、楽しみです。
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