十月六日、屋代翁から「今日の夕方、美成が寅吉を連れてうちに来る」と連絡があった。 “#007 寅吉、平田宅を訪れること” の続きを読む
#006 寅吉、平田に出会うこと
「さて、母と兄は『ともかく、またお寺に行ってお坊さんの修行を終えてきなさい』と勧めるのだが、それには従わなかった。 “#006 寅吉、平田に出会うこと” の続きを読む
#005 寅吉、家に帰ること
その後も師匠の元で修行に明け暮れる毎日が続き、去年の九月からこの三月まで七か月もの間家族の顔を見ることがなかった。 “#005 寅吉、家に帰ること” の続きを読む
#004 寅吉、諸国を巡ること
「十二、三歳の時分は山には行かず、ときどき師匠に来ていただいて教えを受けるだけだった。禅宗、日蓮宗などの勉強も必要であるとのことで、両親に次のように話してみた。 “#004 寅吉、諸国を巡ること” の続きを読む
#003 寅吉、神誘いに遭うこと(2)
「その翌日の昼過ぎ、約束どおり五条天神の前に行くと、あの老人が待っていた。 “#003 寅吉、神誘いに遭うこと(2)” の続きを読む
#002 寅吉、神誘いに遭うこと(1)
「神誘いに遭ったいきさつを話してくれないか」
「文化九年、七歳のときのことだ。池ノ端茅町の稲荷神社の前に、貞意という占い師が住んでいた。 “#002 寅吉、神誘いに遭うこと(1)” の続きを読む
#001 寅吉、客を大いに驚かすこと
文政三年十月一日午後四時頃、屋代輪池翁が面白い話を抱えてやってきた。 “#001 寅吉、客を大いに驚かすこと” の続きを読む