億万長者もアスリートも凍える平昌、冬季五輪では約20年ぶりの寒さ

テレビドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」ではないが、今回の五輪は快適さの面で少し寒過ぎる冬に見舞われている。

  気温がセ氏マイナス25度にまで下がっている韓国・平昌で開催中の冬季五輪は過去約20年で最も寒い五輪となりそうだ。凍えるほどの寒さに加え、風速が時速45マイル(秒速約20メートル)以上になる会場も一部あり、アルペンスキーの3つの競技が延期された。選手の安全やパフォーマンスに懸念が強まっている。また、平昌五輪を訪れる多数の観客や著名人にとっても容赦ない寒さだ。

  中国のアリババ・グループ・ホールディングの創業者で資産家の馬雲(ジャック・マ)氏は2月9日の開会式翌日のイベントで、「昨日は私にとって初めての五輪と開会式だった。とても寒かった。しかし、エキサイティングであり、心の中は暖かかった」と語った。馬氏は同イベントでアリババのクラウド・サービスや、2022年北京冬季五輪の準備について話した際、極寒の夜についてさらに2回言及した。

ジャック・マ氏

写真家:マリアンナ・マッシー/ゲッティイメージズ

  スポーツの栄冠に輝こうと何年も準備してきた選手たちにとっても、寒さと強風は妨げとなっている。ノルディック複合競技でフィンランドのコーチを務めるペテル・クッコネン氏は「寒さと強風が重なっていることが課題だ」と述べ、フィンランドよりも風が強いと指摘。強風で「ジャンプの練習を昨日は延期した」ことを明らかにした。

2月9日の冬季五輪開会式の後、会場を去る出席者ら。

写真家:Jean Chung / Bloomberg

  平昌冬季五輪組織委員会の広報担当者、ソン・ベクユ氏は、悪天候で観客も厳しい状況に直面していると述べた。同委員会によると、これまでに約90万枚のチケットが販売されており、そのうち海外からの訪問者向けは約20万9000枚だという。

原題:Billionaires and Athletes Freeze as Winter Smacks Olympics (1)(抜粋)

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