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埼玉県議会宛の原発再稼働に関する意見書


「世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた原子力発電所の再稼働を求める意見書」に対し反対意見を表明します。

2017年12月22日埼玉県議会において、「世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた原子力発電所の再稼働を求める意見書」が採択されました。

福島第一原子力発電所の事故は、広範な地域にも深刻な被害を与えています。パルシステム埼玉は、自然エネルギーを推奨し普及に努め、子どもたちの未来のために再生可能エネルギーへの転換を呼びかけています。

今回の埼玉県議会が採択した「原発再稼働を求める意見書」に対し以下の反対意見を県議会へ提出しました。



 2018年1月11日
意見書
 
埼玉県議会議長
小林 哲也 様 

埼玉県蕨市錦町2-10-4
生活協同組合パルシステム埼玉
理事長 田原 けい子  

「世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた原子力発電所の再稼働を求める意見書」
への反対意見について

 私たちパルシステム埼玉は、「心豊かなくらしと共生の社会を創ります」を理念に掲げ、約20万人の組合員を擁する生活協同組合です。

 2017年12月22日(金)に貴県議会において「世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた原子力発電所の再稼働を求める意見書」が可決されたことに対し、以下の反対理由を述べるとともに意見書提出の再考を求めます。

 2011年3月11日の東日本大震災から東京電力福島第一原子力発電所の事故が発生し、原子力発電所周辺だけでなく、広範な地域にも深刻な被害を与えたことから、今後の再稼働によって同様の事態を招く可能性がある限り、埼玉県と県民への影響を考えた意見書とは考えられません。

 原子力発電の稼働は、埼玉県民を含む周辺地域の多くの人々の暮らしや命へ影響します。このような「原子力発電」を今後どのようにするのかという問題については、これまでのように国と電力会社と立地先自治体の判断のみで決めてしまうのは大きな問題です。今回の貴県議会の「世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた原子力発電所の再稼働を求める意見書」についても多くの県民の意見を取り入れ判断することが必要であると考えます。

 また、埼玉県は、東京電力(柏崎刈羽、福島第二)、東北電力(女川)、日本原子力発電(東海)等の原子力発電所へ運ぶ燃料の輸送ルートにあり、再稼働となれば県民にとって大きな不安となります。

 貴議会が可決した意見書には「将来の世代に負担を先送りしないよう高レベル放射性廃棄物の最終処分に向けた取組を強化すること。」とありますが、将来の世代に負担を先送りしないようにするのであれば、これ以上の高レベル放射性廃棄物を出さない取り組みが必要です。

 一方、市民生活で省エネルギーに取り組む事も重要となります。私達は小さいながらも家庭での電気使用量等を把握し節電に取り組むアドバイス等を行う活動も積極的に行っています。また、原子力発電に依存しないで再生可能エネルギーや原子力発電以外での電力調達への努力と理解を深めていく事も必要であります。あの福島の事故を忘れてはいけません。チェルノブイリの事故を忘れてはいけません。今でも県内には、福島県内からの避難者が多く生活をしています。

 原子力発電再稼働に反対します。 原子力発電も核兵器も人類と共存できません。 子どもたちの未来のために再生可能エネルギーへの転換を推進し、将来へのリスクを一つでも減らす事が現代に生きている私達の努めです。

                                                  以上