朴前大統領の友人に懲役20年判決 ソウル地裁
ソウル中央地裁は13日、韓国の朴槿恵(パク・クネ)前大統領の古くからの親友で、大手財閥からの収賄罪などに問われた崔順実(チェ・スンシル)被告に対して、懲役20年の実刑判決を言い渡した。崔被告は、朴前大統領の罷免につながった巨大汚職事件の中心人物とされてきた。罷免された朴前大統領も、収賄罪などで公判中。
崔被告は前大統領との関係を利用して、サムスン電子など大手財閥に圧力をかけ、自分が統括する2つの非営利団体に数十億ウォンを寄付させていた罪状で起訴されていた。
ソウル中央地裁は、実刑判決に加え、180億ウォン(約18億円)の罰金刑を崔被告に言い渡した。
裁判長は「被告人の罪は重い」と告げ、前大統領との「長く個人的なつながり」を利用して賄賂を集め、「国政に幅広く介入した」と批判した。
崔被告はすでに、立場を利用して娘のために便宜供与を受けていた別件で有罪となり、懲役3年の計に服役していた。
同地裁はさらに、崔被告に賄賂を渡した罪で在宅起訴された韓国ロッテグループ会長の辛東彬(シン・ドンビン)被告に、懲役2年6月を言い渡した。
勾留中の朴前大統領に対しても、今年中に判決が下る見通し。
朴被告は韓国国会に弾劾された後、昨年3月に正式に罷免された。民主選挙で選ばれた韓国大統領が、罷免されるのは初めてだった。
不逮捕特権を失った後、収賄のほか、国家権力の乱用、国家機密の漏洩の罪で起訴された。被告は起訴内容を否認している。
2016年秋に、崔被告への機密漏えいや収賄疑惑が表面化すると、ソウルなど韓国各地で大規模な抗議集会が相次ぎ、大統領退陣を求める声が拡大した。さらに、政府や政界エリート、韓国経済を牛耳る財閥への不信感も高まった。
(英語記事 South Korea jails Choi Soon-sil, friend to Park Geun-hye, for corruption)