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 全国で公共交通事業を展開するみちのりホールディングス傘下の会津乗合自動車(会津バス)は2018年2月13日、LPWA(ローパワー・ワイドエリア)無線通信技術を活用した「次世代スマートバス停」の実証実験を始めると発表した。2月17日から福島県会津若松市のバス停2カ所(神明通り、鶴ヶ城入口)に設置。1年程度かけて実現性を探る。

会津バスが設置する「次世代スマートバス停」のイメージ。上部のソーラーパネルから給電する
(出所:KDDI)
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 スマートバス停には台湾イーインク(E Ink)製の13.3インチ電子ペーパーディスプレーと、LPWAの1種であるLTE-Mの無線通信モジュールを搭載。通信環境はKDDIが整備する。従来の液晶ディスプレーや4G LTE通信などに比べて消費電力が小さいため、外部電源がない場所でもソーラーパネルの電源だけで運用できる。

電子ペーパーディスプレーの画面。ダイヤ改正を柔軟にしやすくした
(出所:KDDI)
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 電子ペーパーにはバスロケーション情報(接近情報・到着予想情報)や時刻表などを表示する。従来は紙の時刻表を貼り替える必要があった。会津バスでは年2回程度しかバス時刻の更新ができず、更新する際にはすべてのバス停の時刻表を交換する手間がかかっていた。この手間を解消し、乗客の需要に応じた柔軟な時刻変更の実施を目指す。

 実証実験にはKDDIのほか凸版印刷、ナビタイムジャパン、ウェザーニューズが参画する。ウェザーニューズは各所にあるバス停に気象観測機を設置し、詳細な気象情報提供につなげることを狙う。