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編集 |
| 若葉眼科病院院長 |
| 大平 明彦 先生 |
| も く じ |
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今日のテーマは「眼の病気」じゃなくて、「眼の神経の病気」だからね。 似ているけど、ちょっと違うんだよな~これが。 エヘン。 |
物が見えるまでの視覚情報の流れ
左右両眼から出た視神経は頭蓋骨の中に入ってすぐに視交叉〈しこうさ〉という所で一緒になり、再び左右に別れます。このとき、右眼の右半分の視野(左半分の網膜が担当)と左眼の右半分の視野の情報が一緒になり左側へ、また、左眼の左半分と右眼の左半分の視野の情報が一緒になり右側に別れていきます。
視交叉を通過した情報は、外側膝状体〈がいそくしつじょうたい〉、視放線〈しほうせん〉を経由して、最終的に大脳後頭葉の視覚野で映像となり、さらに大脳の他部位で記憶などと照らし合わせ、意味をもった情報として処理されます。
また、重なった左右の眼の視野のわずかなずれを利用して、奥行きや立体感を感じとると考えられています。
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視神経の障害箇所を見つける検査 視神経の病気では、視力や視野の測定はもちろん、色覚検査、MRI検査、瞳孔に光を当ててその反応を診る対光反応検査、点滅する光をどの周波数まで識別できるかを調べる中心フリッカー検査など、やや専門的な検査も行われます。これらの検査を用いて、いかに的確に診断するかが、治療において重要なポイントです。 | |||||||
正常な眼底
右端にある、やや白味を帯びた丸い部分が視神経乳頭ですうっ血乳頭
乳頭に浮腫が起きて拡大し、丸かった境界も不明瞭になり、軽く充血しています
乳頭浮腫・うっ血乳頭
視神経乳頭のむくみのことを「乳頭浮腫」といいます。視神経乳頭のすぐ近くで病気が起きた場合などに生じ、眼底検査ですぐに異常が発見できます。乳頭から離れた場所の視神経の病気では、すぐには乳頭に変化は現れませんが、しばらくたつと乳頭の色が白っぽく変化して、病気が起きたことがわかることがあります。
乳頭浮腫のなかでも、脳腫瘍などで脳の内部の圧力(脳圧)が高くなったときに生じる浮腫を、とくに「うっ血乳頭」と呼びます。無症状の脳腫瘍もあるので、乳頭浮腫がある場合、精密検査が必要です。
※1 黒目の中央にある瞳孔(ひとみ)は茶色の虹彩〈こうさい〉により囲まれた空間(穴)です(前出イラスト参照)。カメラの絞りのように、明るい所では小さくなり、暗い所では大きくなって、眼球の内部に適量の光を採り入れるように変化しています。 ※2 水晶体はカメラのレンズに相当する組織で、近くを見るときは厚く、遠くを見るときは薄くなって、網膜にピントを結ぶように調節しています。
“目は心の窓”っていうでしょ。目には頭の中で考えていることがよく現れるってことだよね。今日のお話で、医学的にも、頭の中の変化は目に現れやすいってことがわかったよネ。
ところで、アイが宿題さぼってると、ママの目付きが変わるのはなんでだろう?