30代で「仕事辞めたい…」あなたに読んでほしい後悔しないための3つの判断基準

30代で「仕事辞めたい…」あなたに読んでほしい後悔しないための3つの判断基準

30代になると仕事内容や職場環境にも慣れ、問題なく働き続けられるように感じるが、それでも仕事を辞めたいと考える人は少なくない。

理由はさまざま、人間関係の問題だったり、仕事が合わないと感じていたり、仕事内容が給与額に見合っていないと感じていたり。

仕事や職場に慣れてきたからこそ見えてくる不満も多いのだ。

ただし、勢いにまかせて仕事を辞めてしまうことは、その後で転職が決まらずにブランクだけが伸びてしまう事になるかもしれない。

辞めるにしても、適切なタイミングを図ることが大切だ。

今回は、そんな30代のあなたが転職するか、しないかの判断をできるよう、後悔しないための判断基準をご紹介する。

ちなみに、筆者の考える転職に成功する人の共通点は以下の3点だ。

  1. 事前準備をしっかりしている
  2. 空き時間を有効に使っている
  3. 自分の考えをきちんと伝えられる

詳しくは本文でご紹介するが、この3点をきちんと心がければ、スムーズに転職できるはずだ。

どちらの選択をしたとしてもあなたの人生だが、転職の失敗を心配して二の足を踏んでいるのであればこの記事がひとつの参考になると思っている。

それでは早速、30代で仕事を辞めたいと思う理由と辞めるべきかどうかの判断基準について、ご紹介していこう。

30代で仕事を辞めたいと思う理由

厚生労働省が発表した「平成29年上半期雇用動向調査結果」によると、20代から50代までの離職率は以下の通りだ。

年代 男性 女性
20代 20代前半(20~24歳) 15.7% 16.0%
20代後半(25~29歳) 10.0% 13.1%
30代 30代前半(30~34歳) 6.4% 11.2%
30代後半(35~39歳) 6.7% 7.7%
40代 40代前半(40~44歳) 4.5% 6.5%
40代後半(45~49歳) 4.2% 6.4%
50代 50代前半(50~54歳) 3.9% 5.3%
50代後半(55~59歳) 4.6% 6.2%

30代での転職は20代に次いで多いことがわかる。

したがって、あなたが仕事を辞めたいと考えるのも、珍しいことではないので安心してほしい。

それでは、30代が感じる仕事を辞めたい具体的な理由について紹介していく。

先に判断基準が知りたい方は「辞めるべき?残るべき?後悔しない判断基準」から読み進めてほしい。

男性が「仕事を辞めたい」と思う3つの理由

30代男性が仕事を辞めたいと考えるきっかけは、主に次の3つが挙げられる。

  1. 昇給・昇格率の低さ
  2. 仕事への熱意の低下
  3. 体力的な問題

それぞれ詳しく見ていこう。

昇給・昇格率の低さ

30代にもなると、会社の中ではベテラン・中堅として扱われるようになり、それなりに責任も増えてくる。

通常であれば、責任に比例して昇格や昇給がおこなわれるものだが、それが叶わない会社も存在する。

筆者の主観だが、人員がさほど多くない中小企業でよくある問題のように思う。

たとえば後輩が入社したときの例を見ていこう。

後輩の育成や、仕事の割り振りを考える業務が増えるだけでなく、その後輩がミスをすれば自分が注意される。

しかし、役職だけ見れば同じ一般社員…これは筆者が実際に遭遇した場面である。

結果的に責任だけが重くのしかかり、一方でモチベーションは下がっていくため、仕事を辞めたいと考えるようになってしまうのである。

中小企業庁が発表した「2017年版中小企業白書」によれば、平均的な賃上げ率は1.8~2.0%ほど。

現在の年収が300万円で昇給率が2.0%だとしたら、以下のように昇給していくはずだ。

年次 月収 年収 年間昇給額
現在 250,000円 3,000,000円
1年後 255,000円 3,060,000円 60,000円
2年後 260,100円 3,121,200円 61,200円
3年後 265,302円 3,183,624円 62,424円

この表を見てわかるように、定期的に昇給していくと3年後には年収が318万を越えている。

あくまでも平均にはなるが、適切な昇給がされないまま3年間過ごしていると、昇給している人と比べて18万以上差がつくことになる。

企業の所属する業界や、仕事のハードさによって昇給率は変わってくるため一概には言えないが、あなたの職場では適切な昇給がおこなわれているだろうか?

仕事への熱意の低下

仕事への熱意が低下してしまうことも、男性が仕事を辞めたくなる原因のひとつ。

20代の頃は、どのようなことに対しても、がむしゃらに取り組んでこられたはずだ。

新卒で入社した会社で右も左もわからず、先輩社員から注意されながらも、一生懸命に仕事を覚えてきたのではないだろうか。

しかし30代になり、ひと通りの仕事にも慣れ、新しく覚えることもほとんどなくなってしまった。

ルーティーンで1年を過ごし、気がついたら年末がきていたりする。

このような状態が続くと、仕事への熱意も当然下がってくる。

なんでもそつなくこなせるようになった反面、仕事への情熱が薄れてきてしまうのは、ベテラン・中堅の悩みのひとつだろう。

20代の頃のように、夢中で仕事に取り組みたい、新しいことをしたいという気持ちが大きくなり、仕事を辞めたいという思いに繋がっている。

また、30代になると部下の教育に携わる機会も増えるだろう。

  • より慕われる先輩を目指してスキルを身につけようと努力している人
  • マネジメントへの苦手意識から、できるだけ関わらないようにしている人

性格によって部下の教育への対応は様々だが、どちらにしても悩んでいる人が多い。

スキルを磨きたい人は、より高度なスキルを身につけられる職場に転職を考え、マネジメントが苦手な人は職場を変えたいと考える。

30代で初めて直面する部下の教育は、それほど難しいことなのだ。

体力的な問題

30代というのは、若いようで若くない微妙な年代である。

40代・50代のように常に体力が心配になるわけではないが、無理をして動き過ぎると、しばらく体力的につらい日々を送ることになる。

そのため、体力が削られる職場の場合「辞めたい」と思うことが増える。

たとえば、経理担当者としている人は、普段はあまり忙しくないが、年次決算期間はものすごくハードな日々を送る。

朝から晩まで数字と向き合い、残業も毎日のように続く。

年次決算を乗り越えた後、燃え尽きて仕事が手につかなかったり、日常を取り戻すまでの時間が年々長くなったりする。

日常を取り戻すまでに時間がかかると、その間の業務は効率が悪く、最悪ミスをすることもあるため非常に危険だ。

これが続くと「若い頃はすぐに次の切り替えができたのに…」と、辞めたい気持ちが膨らんでくることになるのである。

女性が「仕事を辞めたい」と思う3つの理由

30代女性が仕事を辞めたいと考えるきっかけは、次の3つが挙げられる。

  1. 職場の人間関係
  2. 家庭と仕事の両立のハードさ
  3. やりたいことが別にある

それぞれ詳しく見ていきたい。

職場の人間関係

女性の人間関係はとても複雑だ。

表向きは仲が良さそうに見えても、実は敵対視されているというのはよくある話である。

この問題は女性が多い職場では顕著で、例えば女性の多い保育士の仕事では人間関係に悩んで退職する人が多い。

このような女性同士の複雑な人間関係だけでなく、女性であることが原因で起こる悩みもある。

それが、女性が責任ある役職についたときだ。

男性にもプライドがあるのか、女性が上司になった途端に態度を変える人も少なくない。

そうなるとせっかくやりがいのある立場になっても、仕事がしづらく、結果も出しにくくなるために退職を考えてしまう。

家庭と仕事の両立のハードさ

家庭と仕事を両立しなければならないのは、女性の仕事について回る問題だろう。

最近では家事を手伝う男性も増えてきているようだが、まだまだ家事は女性がやるものという認識をしている男性は存在する。

フルタイムで働き、帰宅後は夕食の準備や洗濯、休日も変わらず食事作りや家事に追われ、休む時間がほとんどない。

ちらりと横目で夫を見ると、楽しそうにテレビを見ながら笑い転げている……いったい何のために、家事に、仕事に、頑張っているのかわからなくなる瞬間である。

また、そこに子育てが加わることもある。

子供の面倒を見てほしいと頼んでも、スマホに夢中で視界から子供が消えている夫。結局、自分で見ることになり、だからといって家事が減るわけでもないので、自分の睡眠時間が犠牲になる。

世の男性がみんなこのような夫ではないが、筆者の周りには多く存在しているようで、女性たちは口をそろえて「退職を考えている」とつぶやく。

さらに追い打ちをかけるように、親の介護がやってくる。

30代の親は定年を迎えた世代が多い。一種の燃え尽き症候群のようなもので、仕事を辞めると老化が進むパターンがある。

今まで元気に動き回っていて、介護はまだまだ先だと思っていたのに、その日は突然やってくる。

介護への対応は想像以上に大変で、働きながらでは対応できずに退職をする人が多いのだ。

内閣府の発表した「平成29年版高齢社会白書」によると、平成23年10月から1年間で介護を理由にした離職者数は、101,100人であり、そのうち女性は80%以上だった。

やりたいことが別にある

女性のなかには、仕事とは別にやりたいことを持っている人が多い。

  • イラストを描きたい
  • アクセサリーを制作したい
  • 小説を書きたい
  • インテリアを深く学びたい

このような夢を持っている人は、時間の使い方がうまく、就業時間すら惜しく感じてしまう。

仕事もほとんどない時間帯があると、「この時間がもったいないから、やりたいことを進めたい!」と考えるのである。

就業時間中の空き時間が少ない場合はまだいい。

問題は手が空く時間がある程度多くなってきた時だ。

手が空く時間が増えると、次第に職場にいる時間が無駄に思え、辞めたい気持ちが大きくなってくる。

複数のタスクを並行して進められる「マルチタスク型」が多い女性ならではの辞めたい理由である。

辞めるべき?残るべき?後悔しない3つの判断基準

ここまで、男女別に「仕事を辞めたい」と思う主な理由を分析してきたが、辞めるべきか会社に残るべきか、30代での選択は悩むところだろう。

後悔することがないよう、よく考えて決断する必要がある。

このとき、ただ漠然と考えるだけでは判断を誤るかもしれない。きちんとした判断基準をもつことが大切だ。

そうは言っても、どのような基準で判断すればいいのかわからない人も多いと思うので、筆者の考える選択を後悔しないための判断基準を紹介しよう。

  1. なりたい自分の姿が実現できそうか
  2. 5年後に自分が活躍している姿を想像できるか
  3. 笑顔で過ごしている自分が思い浮かぶか

次項からそれぞれ詳しくご紹介する。

(1)なりたい自分の姿が実現できそうか

まず考えてほしいのが、仕事を続けることで「将来こうなりたい」という理想の自分になれるかということである。

たとえば、将来小説家になりたい人がいたとする。

実現するためには、ある程度の時間をかけて作品を生み出したい。

しかし現状は毎日遅くまで残業で、帰宅後は倒れるように就寝。

休日は体を休めることでいっぱいで、気がつけば1日が終了。

もちろん、作品はまったく手つかずになっている。

これでは「小説家」という理想の自分にはなれないので、何かしら対策をする必要があるということがわかる。

このような場合でも、選択肢は仕事を辞めるだけではない。

うまく時間を作る方法が思いつくかもしれないし、作品を生み出すやり方をアナログからデジタルに変えることで効率化できるかもしれない。

どうすればなりたい自分に近づけるのかを考えることで、いくらでも道は開ける。

もちろんこれは、小説家のようなクリエイティブな仕事に限らない。

自分自身がひとりの人間として、どうなりたいのかを想像してみよう。

  • 一般社員から取締役に選ばれたい
  • あたたかい家庭を持ちたい
  • 社長になりたい
  • いろいろな職種に挑戦してみたい
  • のんびりとした時間を過ごしたい

自分のなりたい姿を実現するために、今のまま仕事を続けていていいのか、別の道を探した方がいいのかを考えてみよう。

(2)5年後に自分が活躍している姿を想像できるか

次に判断基準にしてほしいのが、5年後の自分の姿だ。

「5年後」というのは、会社を辞めたとしても、続けたとしても、ある程度の時間が過ぎ、落ち着いてくる頃。このタイミングの自分の姿を想像してみてほしい。

たとえば、5年後には役職がつき、バリバリ働きたいと考えている人がいる。5年もあれば難しくはない目標だ。

周りを見回してみると、上の役職が詰まっていて、さらに彼らの退職はまだ先のようである。ということは、役職の椅子は空きそうにない。

これでは当然、5年後に自分が活躍するイメージは見えない。

役職が欲しいと考えている人には、合わない職場ということになるので、「役職付き入社」のチャンスがありそうな求人を探してみるのが早いだろう。

逆に、役職はいらないが、縁の下の力持ち的ポジションで働くことをイメージしている人の場合、仕事を続けてみるのも良いだろう。

上司の気持ちがわかる部下は重宝される。

勤続年数が長ければ、それだけ上司の理解も深まるので、この場合は同じ職場にいるという選択をした方が、5年後に理想とする活躍ができるはずだ。

5年後にあなたが活躍している姿は見えるだろうか?

(3)笑顔で過ごしている自分が思い浮かぶか

最後に挙げたが、実は一番大切にしてほしいのが、笑顔で過ごす自分が思い浮かぶかということだ。

  • なりたい自分に近づける仕事
  • 自分が活躍できそうな仕事

だとしても、笑顔で仕事をしている自分が想像できないようであれば、その仕事はやめた方がいい。

もちろん仕事は楽しいことばかりではない。

笑顔でいられないこともあるだろう。

それでも、ずっと我慢して働くのは精神的によくないのだ。

最悪の場合、うつ病などの精神疾患を患う可能性だってある。

笑顔になれない理由はなんだろうか。

  • 職場の人間関係
  • 仕事への重圧
  • 体力的に厳しい

笑顔になれない理由はいろいろあるが、「なんか違う」と感じているのであれば、仕事を辞めてみるのも悪くない。

反対に、笑顔で過ごす自分が想像できるのであれば、満足している部分が大きいということ。

どうして「辞めたい」と感じたのか、深く掘り下げてみるといい。

原因は仕事とは関係のないところにあるかもしれない。

以上が「仕事を辞めるべきかどうか」の判断基準だが、これを深く考えてみないまま、勢いで辞めるとどんなリスクがあるのか見ていこう。

勢いで辞めて失敗した事例

くれぐれも注意したいのが、勢いに任せて会社を辞めてしまうことだ。

辞めたいと感じるときは、何かしら問題が起こったときである。

  • 上司に嫌味を言われた
  • トラブルの責任をなすりつけられた
  • プライベートで事件が起きた

どうしても平常心でいることが難しくなりがちだが、そこで勢いに任せて退職してしまうと失敗する可能性が高い。

前項でご紹介した3つの判断基準を無視し、突き進んだ結果、失敗してしまった事例をいくつかご紹介しよう。

  • 転職先にも同じように合わない人がいた
  • 次の転職先が見つからない
  • 事業を始めたものの、うまくいかない
  • 専業主婦を選んだら離婚することになった
  • 役職ありだったのに、転職後は平社員になった

どれも、なかなかの失敗例である。詳しく見ていこう。

転職先にも同じように合わない人がいた

上司や同僚と馬が合わないという理由で辞めたら、転職先にも同じように合わない人がいたという失敗。

これは、勢いで辞めた人が一番陥りやすい失敗だ。

転職先の人間関係は、入社してみないと見えてこない。

自分の苦手とする人間のどこが嫌なのか、どういうところに多く存在するタイプなのか、事前に少し考える時間を設けるべきである。

合わない人からのひと言で、「辞めてやる!」と勢いで退職し、その流れで転職すると、高い確率でそこにも同じような人は存在するのだ。

  • どこが「合わない」と感じているのか
  • その溝は埋めることができないのか
  • 埋められないとすれば、どのような業界へいけば遭遇しないのか

まずは落ち着いて分析してみることをオススメする。

次の転職先が見つからない

勢いで辞めるということは、次の転職先が決まっていないということである。

これは家庭のあるなしに関わらず、なかなか問題だ。

収入はなくとも生活は続くので、次の転職先が見つかるまでの間、貯蓄を切り崩して生活をすることになる。

どんどん減っていく貯蓄額を見ていると気が急いて、内定が出たら急いで飛びつく。

その結果、入社した会社がブラック企業だったりするわけである。

これでは二重・三重の失敗を重ねることになる。

勢いに任せて退職する前に、

  • どのくらいの金額で生活できるのか
  • いまある貯蓄で乗り越えられそうなのか
  • 自分の入りたい会社はどのようなところなのか

といったことを考えておくべきである。

もっといえば、できるなら転職先を見つけてから辞めるのが安心だ。

生活を続けるためには、お金がかかるのである。

事業を始めたものの、うまくいかない

自分のやりたいことを実現するために、思い切って退職することは悪くないが、事業を始めたがうまくいかないケースは珍しくない。

このケースに多いのが、会社を辞めるために事業を始めることだ。

たとえば、イラストを売って生活したいと考えている人の場合、まず在職中からイラストを販売する方法を模索する。

フリマアプリを利用したり、イラスト販売のサイトを利用したりして、少しずつファンを増やしていく。

ある程度ファンが増える頃には、収入もそれなりに増えてきているので、そこで初めて事業として立ち上げるのだ。

本人はやりたいことをやっているので、幸せな時間を過ごしている。

一方、会社を辞めるために事業を始める人は、発想が反対である。

  1. 事業を始めないと辞めるきっかけがない
  2. できることは何かあるか。イラストが描けるかもしれないと考える
  3. 事業を始めてみる
  4. 仕事を辞める
  5. なかなか売り上げは伸びないが、退職しているので収入はない
  6. イラストもやりたくて始めたわけではないので、精神的にも苦しくなる

…これでは、本末転倒である。

やはり仕事を辞める前に、上記でご紹介した3つの判断基準で、自分が本当に望んでいることを明確にすることが必要だ。

仕事を辞めたいと思っている人は、「なぜ辞めたいのか」を深く掘り下げて考えることで、間違った道に進むリスクを下げることにつながる。

上記の例であれば、仕事を辞めたい理由が人間関係なら転職すればいいし、実はやりたいことがあるというなら、まずは仕事と並行してやってみるのが良いだろう。

事業は失敗すると挽回するのが難しくなるので、まずは地盤を固め、一定以上の収入が得られる確信が持ててから辞めることをお勧めする。

専業主婦を選んだら離婚することになった

結婚したら専業主婦になる!

このような願望を持っている女性は少なくない。

しかし、勢いに任せてこの選択をするのは考えものである。

新婚時代は無問題でも、今後どうなるかは誰にもわからない。

行き違いによって離婚してしまうかもしれないし、夫が働けなくなるかもしれない。

専業主婦という選択をすると、結婚前にどれだけキャリアがあっても、「ブランクあり」という認識をされてしまうことが多く、再就職しづらくなる。

また、退職せずにキャリアを積み重ねてきた友人たちと比べると、給料や待遇、役職まで大きく違ってくることもある。

「結婚したら専業主婦」という選択自体は悪くはないが、今後のライフプランや可能性をしっかり検討したうえで選択したいところだ。

役職ありだったのに、転職後は平社員になった

転職後、待遇が変わることはよくあることである。

異業種・異職種への転職ならなおさらだ。

たとえ現職で課長だったとしても、転職先では一般社員になることだってあるのだ。

今まで責任のある仕事をしてきた人からすると、急に責任の軽い一般社員に配属になると戸惑いもあるし、やりがいを感じられないことも多い。

役職がついているということは、給与面でも優遇されているはず。

転職した結果一般社員になれば、給与額も減ることが予想できるし、生活の質が下がる可能性もある。

勢いで辞める前に、その役職を手放してまで転職が必要か、今一度、考えてみよう。

転職を決心した人は必見!30代の転職事情を徹底解説

ここまでで、自分が転職するかどうか、おおよそ判断できた方は多いと思うが、以下のような話を聞いたことはないだろうか。

  • 30代の転職は不利である
  • 30代での転職は長期戦になる
  • 30代で未経験の職種への転職は厳しい

結論からいうと、30代で未経験の職種への転職は確かに厳しいが、転職自体は不利ではないし、短期決着も可能だ。

30代を求めている求人というのは、一般的に経験者・即戦力を求めているものが多い。

そのため未経験で応募すると企業側の希望と合わず、不採用になってしまう可能性が高い。

ただし、未経験の職種への転職が絶対にできないわけではないので、どうしてもやりたい職種があるのであれば、根気強く応募を続けてみよう。

30代の転職は不利というのは、「企業は若い人材が欲しいはず」という先入観から発生した噂だと筆者は考えている。

実際の30代転職者は「転職を不利だと感じていない」

リクナビNEXTが2005年に実施したアンケートによると、30代で転職をした回答者のうち50.4%の人は「不利だと感じなかった」と回答している。

過半数の30代は転職の際に不利だったと感じていないのである。

また、同じく上記のアンケートによると、30代で転職活動を始めた人の6割が3か月以内に転職を決めている。

この結果から、30代の転職は長期戦になるとは限らないことがわかる。

きちんと事前準備していくことで、転職は不利にもならないし、短期間で転職することもできるのだ。

マネジメントが求められる30代後半は要注意

ただし注意したいのが、30代後半での転職である。

30代後半になると、マネジメントできる人材、つまり管理職のできる人材を求められることが多くなってくる。

そのため前職で一定以上の成果をあげている人材が採用されやすい。

未経験への転職はいっそう厳しくなるし、転職先も限られてくる。

具体的なキャリアプランがあれば別だが、そうでない場合はより慎重に転職を検討してほしい。

30代後半~40代でも転職に成功する人の共通点

転職先の幅が狭くなってくる30代後半から40代でも、転職に成功している人はいる。

そんな人たちの共通点はというと、筆者は以下の3点だと思う。

  • 事前準備をしっかりしている
  • 空き時間を有効に使っている
  • 自分の考えをきちんと伝えられる

事前準備をしっかりしている

前項でも話した通り、30代後半からの転職は求められるスキルが高いため転職活動が厳しくなりやすい。

にも関わらず、深く考えずに書いた職務経歴や、すべての会社で同じことを話す志望動機を引っ提げて転職活動に挑む人は少なくない。

これでは採用は遠のいてしまう。

空き時間を有効に使っている

厳しいと言われる30代後半からの転職で成功している人は、きちんとした事前準備をおこなっているし、準備にこそ力を入れている。

成功している転職者は、通勤時間中にスマホを使って情報収集するなど、少しの空き時間を有効に使う工夫をしているのだ。

自分の考えをきちんと伝えられる

こうやって応募先企業への知識を蓄え、自分自身の思い・考えをきちんと整理することで、面接の場でも自分の考えを伝えられるようになる。

すべての企業で同じことをアピールしていては、相手にも伝わってしまう。

少しでも自分に興味をもってもらうためには、まず自分が相手のことを知る必要があるのである。

ぜひ頭に置いて行動してほしい。

30代におすすめの転職活動の方法

30代におすすめの転職活動方法は、転職サイトを利用することだ。

転職に限らず、就職活動といえば、ハローワーク(公共職業安定所)を思い浮かべる人が多いと思うが、30代での転職ではあまりお勧めできない。

なぜかというと、ハローワークでの転職活動をするためには、忙しい中で窓口に出向く必要があるからだ。

さらにハローワークの開所時間は短いところが多い。月に数回遅くまで空いている時があるが、その日だけしか応募できないのは、大きな機会損失である。

転職サイトを利用すれば、そのような問題はない。

いつでも、どこでも、スマホやパソコンから求人が探せるし、いいところが見つかれば応募することもできる。

また一番おすすめのポイントが、転職サイトにはアドバイザーが設置されている点である。

このアドバイザーに自分の希望を伝えておけば、仕事で忙しい時間でも条件にあった求人を紹介してもらうことができる。

面接の日程調整や、採用条件の交渉をしてもらうこともできるため、ハローワークでの転職より満足度は高くなるのではないだろうか。

登録したらすぐに転職を始めないといけないわけではないので、まずは登録だけして、どのような求人があるのか情報収集してみるのが良いだろう。

会社に残ることを決めた人が気持ちを切り替える方法

ここまで転職について詳しくご紹介したが、会社に残るという選択肢もある。

退職せずに頑張ることを決めたあなたは立派だと思うし、ぜひとも頑張ってほしい。

一度は転職を考えた会社に残ろうと決めたということは、なにか理由があったのだと思う。

  • 給与は不満だけど人間関係は良好
  • 一部の社員は苦手だが、それ以上に味方がいる
  • やりたいことの実現は在職していてもできると気がついた

今後は、その思いとどまるきっかけになったポイントを大切にしていってほしい。

また、ちょっとしたトラブルで再び「辞めたい熱」が再燃しないよう、定期的にストレス発散を試してみよう。

自分のストレスが発散できるのであれば、内容は問わない。

身体を動かしたい人は運動してもいいし、静かに読書をしたい人はお気に入りの本を持ってカフェに行くのもいい。

小さなストレスも溜め込めば大きくなる。

爆発する前に手を打つようにしよう。

それでもまた辞めたい気持ちが大きくなったら、再度転職を検討すればいいのだ。

まとめ

会社を辞めたいと思う理由

  • 30代の離職率は32%
  • 男性は、昇給・昇格への不満、仕事への熱意が低くなる、体力的な問題が退職を考えるきっかけ
  • 女性が考えるきっかけは、職場の人間関係、家庭との両立の難しさ、やりたいことが別にあるから

退職を決める際の判断基準

  • なりたい自分の姿が実現できそうか
  • 5年後に自分が活躍している姿を想像できるか
  • 笑顔で過ごしている自分が思い浮かぶか
  • 深く考えずに勢いで退職するのはリスクがあるので避ける

おすすめの転職方法

  • ハローワークより転職サイトがおすすめ
  • 時間を有効に使うため、アドバイザーへ相談する
  • まずは登録して求人を眺めてみるのもいい

職場に残ることを決めたなら

  • 思いとどまるきっかけになったポイントを大切にする
  • 定期的にストレスを発散すること
  • また辞めたくなったら、転職を再検討する

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