ボブスレー競技。(画像はイメージです)(c) 123rf[写真拡大]
東京都大田区の町工場などが中心となって競技用そりを開発してきた「下町ボブスレー」プロジェクトにおいて、製品のそりを無償提供した相手先であるジャマイカ代表チームが、平昌冬季オリンピックにおいてこれを用いず、ラトビア製のものに「乗り換える」ことを明らかにした。
無償提供といっても何の見返りもなしに提供されていたわけではなく、使用契約は結ばれており、提供した4台のそりについて、万一使用しない場合は開発費、輸送費などの4倍にあたる6,800万円を請求する取り決めがあったといい、現在、プロジェクトチームはこの損害賠償請求を実行に移すかどうか、検討中とのことである。
ただし、当該の製品については、オリンピックの運営サイドからレギュレーション違反による使用禁止を2度に渡り命じられるなど、かなりの問題点があったようだ。ジャマイカチーム自身、そりの性能不足を再三指摘していたという。
ちなみに乗り換え先であるラトビアについて見てみよう。ラトビアは、かつてソ連に属し、その後独立を遂げた北ヨーロッパのいわゆるバルト三国と呼ばれる諸国の一つである。ボブスレーについては伝統的に力を入れている国であり、そりの製造に関しても国際的に高い評価を集めている。
一方の日本の「下町ボブスレー」であるが、かなり以前から鳴り物入りで、巨額の予算を投じられて進められてきたプロジェクトだ。2014年には『下町ボブスレー』の題でノンフィクションドラマになっており、書籍化もされている。
ただ、巨額の資本の投入、大企業の参画、そして官製主導のプロジェクト形式が「下町の工場の持ち味」とはかみ合わないものだったのではないか、と指摘する向きも強いところではある。
契約であるのならば損害賠償もやむを得ないかもしれないが、根本的な問題として、不良品とさえ言うべき製品を納入した側の責任は問われなくてよいということがあろうか。これ以上、恥の上塗りはするべきではないと言いたい。(藤沢文太)
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