概要
Publicaって名前が良いですね。なんか知的な感じがしません?しませんね。
Publicaは世界初のブロックチェーンを用いた分散型出版を謳っているプロジェクトです。ブロックチェーン×出版と言ったら、もう僕の期待は一つしかありません。そう電子書籍の中古売買です。
Kindleヘビーユーザーの僕からすれば、Amazonで大人買いしまくった異世界系コミックを転売できないというのは非常にストレスフルな状況です。常々こういう分野こそブロックチェーンの出番なのになあ、、、と思いながらプロジェクトを探していたらとうとう見つけました。ただホワイトペーパーを読むと電子書籍の売買はなんとなくおまけというか副産物みたいな感じで、本命はどうやらクラウドファンディング×出版っぽいです。
またブロックチェーンの特徴が出ているのは分散型ストレージの採用でしょう。分散型ストレージの説明についてSotrjの説明を下に引用しときます。分散型ストレージのプロジェクトは結構たくさんあってStorjをはじめ、Sia、MaidSafe、Filecoinあたりが有名どころでしょうか。群雄割拠ですね。
一方、Storjは従来のクラウドストレージサービスとは異なり、ファイルをハッシュ(細切れに)し、P2PネットワークでつながっているすべてのユーザーのPCと共有する。暗号化され細切れになったファイルは秘密鍵を持っている人にしか取り出せないし、見ることも不可能だ。もちろん、サーバーが停止してファイルを取り出せなくなることもないし、ファイルが破損して閲覧出来なくなることもない。
Publicaのメリット
考えられうるメリットを見ていきましょう。
著者のメリット
1.出版社にピンハネされることなく、読者からダイレクトに収入を得ることができる。
2.書籍の出版にクラウドファンディングを用いることができる。また学術的な研究にも同様のアプローチが可能。
3.Time-Limited Read Tokenを発行することで限定的な所有権の移転が可能となる。
4.地域的な制限なく、文字通り世界中がPublicaのマーケットになる。
5.ブロックチェーンベースの分散型ストレージを採用することで検閲や改ざんに対する強い耐性がある。
6.何を出版するか、いくらで売るか直接決めることができる。
7.出版物は半永久的に残り、たとえPublicaという組織がなくなっても消え去ることはない。
読者のメリット
1.仲介者がいないため低価格で直接、著者から出版物を購入することができる。
2.中古市場で売買することができる。
3.クラウドファンディングに参加することができ、著者の斬新なプロジェクトにはじめからかかわることができる。
Piblicaの開発チーム
シリコンバレーに拠点を置くSCANDIWEBという会社が手掛けています。バックグラウンドはe-commerceのシステムコンサルタントって感じですかね。アドバイザーには既に作家らしき人がいますが、僕は知りません。。。
発行トークンについて
ちょっとわかりづらいのがPublicaにはシステム上、トークンが二種類存在しているということでしょうか。まず一つ目が基軸通貨となるPebblesです。こちらはKukcoinなどで既に売買できるもので、発行数もビットコインと同じように上限が決まっています。
二つ目が作品ごとに発行される予定となっているRead Tokenです。これは著者が発行し、Pebblesで購入することができます。そしてRead Tokenを購入した人が作品を閲覧することができるようになるというシステムです。
画期的なのがこのRead Tokenをユーザー同士で売買できるという点です。つまりRead Tokenによって事実上、電子書籍の中古売買が可能となるんですね。おお未来。
ちなみにICOにおける開発チームの取り分は二割です。まあまあかな。
ロードマップ
早ければ3月にはプロトタイプのアプリケーションをローンチするみたいですね。そして年内には完成と、まあ今年の動きは要注目ですね。夏までに何も出てこなかったら諦めましょう。
僕のポエム
ようやく実生活に影響を与えそうなプロダクトが出てきたなという感じです。書籍のクラウドファンディングはともかく、電子書籍の中古売買ってかなりニーズがあると思うんですよね。ただ既存の人気コンテンツを取り込むことを想定してなさそうな点が残念。まあ既に発行数無制限でAmazonに流通している書籍をブロックチェーン上に置き直すって難しいか。。。
ただ10年後ぐらいにはこうしたシステムがメインストリームになってKindleのシェアを半分くらい奪ってたら面白いなあと思います。でもその前に漫〇村をなんとかしないとな…。
そうそう最近のCAMPFIREと幻冬舎が「エクソダス」という共同出資会社を設立したとの報道がありました。
エクソダスでは、出版業を営む幻冬舎と、クラウドファンディングプラットフォームを運営するCAMPFIREが協業し、新たな出版プラットフォーム「クラウドパブリッシングプログラム」の構築を目指す。これは持ち込まれた出版アイデアをもとに、CAMPFIREが培ってきたクラウドファンディングのノウハウと、幻冬舎の企画力や編集力、宣伝力を掛け合わせて展開していくもの。
また同社では、映像や音楽などとのシナジーも踏まえ、作品が多くの読者に届けるアプローチを行なうほか、書籍出版の利益を支援者や制作に関わる人に還元する「利益還元型出版」や、 仮想通貨におけるトークンを発行する「トークン発行型出版」も検討していくという。
これって完全にPublicaを意識してるよね?ただこちらはコンテンツ力のある幻冬舎が同じ船に乗っているので心強いですね。もしかすると、未来の電子書籍のプラットフォームを担うのは「エクソダス」かもしれません。
基礎データ
通貨名(通貨単位):Pebbles(ERC20)
最大供給量:33,787,150
システム(アルゴリズム):
公開日:
公式サイト:https://publica.com/
ソースコード:https://github.com/PublicaIO/
Blockchain Explorer(取引詳細):https://etherscan.io/token/0x55648de19836338549130b1af587f16bea46f66b
ホワイトペーパー:https://tokensale.publica.com/whitepapers/summary.pdf
Bitcointalk(フォーラム):
CoinMarketCap(チャート):https://coinmarketcap.com/currencies/publica/