Twitterの質問から
という訳で、職業病が発症した状態で書くエントリーがこちらです。
下町ボブスレーは完全に二項対立型の道徳教材
細々と色々拾い始めると収拾がつかないので簡潔にすれば、
- オリンピックでジャマイカチームは下町ボブスレーを使う契約があった
- 運送会社のストライキで下町ボブスレーが届かなかったのでラトビア、BTC製のソリを使ったところ、よい記録が出た
- オリンピックでもラトビア製を使う予定である←契約違反では?
ということみたいです。
それで、やっぱりこう思いますよ。
あ。これ…道徳で…使えるやつだ…
と。
しかし、まるでこの展開を予想していたかのように、ガチッとはまる教材を用意していたところがあったんですよ。
そうです。
NHKです。
ココロ部!まほうのスケート靴
あらすじ
コジマ君、今回はスケート選手。今季で引退をしようと考えているレース。オリンピックの選考会も兼ねています。
これまでの活躍を見込まれ、ココロスポーツによるスポンサード契約がありました。各種費用を出すだけで無く、専用にカスタマイズされたスケート靴を開発してくれるなど、大きなサポートを得て挑んだ大会、なんとか予選を2位で通過します。
ところが、コーチが「ジェットウィナー」というスケート靴を履かないかと提案してきます。このジェットウィナーによって記録が伸びる選手がたくさんいるとのこと。決勝ではジェットウィナーを使った方が勝算が高くなると言われ、悩みます。(まぁここら辺、新しいスケート靴にすぐ馴染むのかという問題は置いておいて…)
『契約を守ってココロスポーツのスケート靴をはく。それともいい結果が期待できるジェットウィナーをはく。どうしよう…』。
さあ、キミがコジマくんの立場ならどうする?
実践した
実はこの後少し続きまして、ジェットウィナーをはくことに決めたコジマ君の元へ、ココロスポーツ一同が激励に来たり、職人さんが、「ジェットウィナーも良い靴だ。しかし、この靴だって、俺たちの最高傑作だ。どちらを履くかは、コジマ君に決めて欲しい。」と言ったりするなど、様々に揺さぶりをかけるドラマが展開され、オープンエンドになります。
それで、子どもたちはオープンエンド嫌いなんですよね。笑 すっきりしないとダメみたいなんです。超がつくほどモヤモヤを抱えています。
そして、プリント配布、どちらを履くか、その理由を書かせます。
その後はどんどん意見発表してもらい、板書に書き、ディスカッションです。
「契約を守ることが大事だと思う。破ったらお金を払わないといけないし。」
「破っても、優勝すればその賞金で賠償金を払えるんじゃない?」
「勝つことこそが正義。」
「ジェットウィナーをはいて負けたら、誰にとっても後悔しそう。」
「オリンピック出場がかかっている試合で、少しでも勝ちたいと思う事は悪いことなのか。」
これはオープンエンドでいいと思う
これは、「何を正義とするか」というものが個人個人違ってくるから、無理矢理まとめなくていいな、と判断。どちらが正しいという結論付けをせずにまとめました。
いずれにしても、こういった場面では双方のメリットとデメリットを深く検討することが大事です。その上で選び取ったのであれば、それはその子にとっての正しさであって、私がとやかくいうことでは無いように思うんですよね…。(ただし安直な判断はダメだという指導はします。考えが浅い意見には容赦なくつっこみました。)
最後の5分で、この場面が、実は今実際に起きているということ、下町ボブスレーの問題について触れました。「ジャマイカチームはどっちを選び、どんな成績を残すのか、オリンピックが楽しみだね。」という終末でおしまいです。
さて、注目の女子2人乗りは20日夜。目が離せません!