そもそも老後にかかるお金って、いくらくらいなのでしょうか。今までの生活を維持できるかどうか、心配する人は多いと聞きます。
大江英樹氏(以下、大江):いくらかかるか考える前に、みなさん大事な視点を忘れてしまっています。多くの人が「出ていくお金」ばかり気にしていますが、「入ってくるお金」がどれくらいなのかという視点を忘れています。お金の出入りをトータルで考えないと、老後の生活設計はできません。
井戸美枝(以下、井戸):そうそう。現在どれぐらいお金がかかっているのか、今後、収入がどうなるのか、収支がまずわからないと、いくら必要でいくらあれば安泰なのかがやっぱり答えられないんですね。
それに、今までとは考え方を変えなければいけません。これまでは単純に、例えば年金が月10万とか12万円もらえるとすると、あと10万円ぐらいあると20万~22万円になるから、だいたいの生活ができて、その毎月の不足分10万円を10年間くらい用意すればよかった。
それが人間の寿命が延びて、今後は100歳近くまで生きると言われています。人生100年時代を考えると10年分でいいのかなというのもあるし、そもそもどれくらい生きるかもわからない。だから「働いて老後をなくす」という発想が、ますます重要になってくると思います。
大江:定年後は年金という「何もしなくても入ってくる収入」と、働くことを組み合わせることで、ある程度の生活はできると思います。世の中、あまりにも出ていくお金のことばかり言い過ぎるんですね。1億円かかる、だから、3000万円ないとだめだとか。今、3000万円ないとだめだとか4000万円ないとだめだと言っていたらきりがないですよ。定年退職時、150万円しかなかった私なんかどうなるんですかという話ですよね。
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