地震のあとは、大雨。
熊本を襲う自然の牙に、不安が重なるイクエです。
うちの家はもう住めないと諦めているけれど、けっこう被災して屋根の瓦が崩れても住み続けている家庭が多いんです。
こんなに大雨と嵐ばかりだと、屋根にかぶせたビニールシートも意味がなく、雨漏りしてるだろうなって思います。
雨漏りすれば柱や床が腐れていくし、ますます家が悪くなります。
みんな早く修復したいけど、業者もいないしお金も工面できないし、本当に困っていると思います。
きょうはちょっとご紹介したいことがあります。
わたしは福岡と熊本を行ったり来たりしてるんですが、先週はほとんどを南阿蘇で過ごしました。
日曜日は、吉本興行のメンバーが、熊本の被災地を訪れてくださいました。
わたしも義兄と姪っ子、甥っ子と体育館に行きました。
慰問して下さるのは、テレビでも劇場でもご活躍されている芸人さんたちです。
あらかじめ聞いていたメンバーは、西川きよしさん、「アホの坂田」と親しまれている坂田利夫さん、東野幸治さん、雨上がり決死隊の宮迫博之さん、蛍原徹さん。
そうそうたるメンバーです。
といっても、被災者用の慰問なので大々的にこの情報が伝えられているわけではなく、体育館は7割くらいのお客さんでうまった感じです。
お年寄りも多くいました。
椅子はなくて、みんな床に体育座りや正座をしています。
雰囲気は文化祭。
ステージには看板も何もありません。
前座で登場したのは、福岡吉本所属の「もっこすファイヤー」というコンビ。
3年半日本を離れていたわたしたちは、失礼ながら存じ上げませんでした。
でも、体育館からは拍手と歓声。
姪っ子の顔もパッと明るくなりました。
「あの人たち、テレビに出る人だ!」熊本のローカル番組にはよくご出演されているそうです。
もっこすファイヤーが盛り上げてくれたところで登場したのは、「シンクタンク」というコンビ芸人、そして坂田師匠です。
おなじみ「アホの坂田のテーマ」とともに、笑いを誘う振りでステージ中央へとやってこられました。
坂田師匠が持ちネタを披露。
パイプ椅子に座って、「ファーホーファーホー」と言いながら、両手と両足を交互に打ち合うマヌケなギャグ。
これは、お客さんの男の子も参加し、2人で一緒に披露。

そしていよいよ、残りのメンバーの登場です。
体育館のドアから姿を見せてくれたのは、西川きよしさん、東野幸治さん、雨上がり決死隊。
そして、お客さんには全然教えられていなかった人も登場しました。
ダウンタウンの松本人志さんです!
大歓声に包まれました。
姪っ子と甥っ子よりも、わたしと義兄がテンションが上がり、叫んでしまいました。
司会進行役は、東野さん。
テレビ番組では「やる気がない」「覇気がない」「腹黒い」などといじられている東野さんですが、ものすごく明るい顔で、ステージを行ったり来たりしながら、お客さんに呼びかけたり会話をしたりしながら、精力的に場を盛り上げてくださいました。

「東野さんって、すごく優しくて温かい人なんだなあ。」
わたしは、何度もそう思いました。
「みんなの要望を叶えます。
なんでもいいですよ。
リクエストはありませんか?」
会場からは手が挙がります。
おばあちゃんは「冥土の土産にいっしょに写真を取ってください」。
男の子は「松本さんの筋肉質な胸を揉ませてください」。

芸人さんたちは、すべてのリクエストに応えてくださいました。
それを見守っているほかの観客たちも、みんないい顔をしています。
全部で40分ぐらいだったかなあと思います。
芸人さんたちは、このあと別の被災地に向かわれました。
お仕事が忙しく、ほとんど自分の休みなんてないだろうに、わざわざこんな熊本の田舎にやってきてくださったこと。
本当にありがたくてうれしいです。
もちろん会場にはマスコミがいなかったし、いまネットで検索してもそれらしい情報は見当たりません。
だから、このメンバーがわざわざ来てくれたということ、みんな被災地に思いを寄せ、すごく優しい芸人さんたちなんだ、ということを伝えたくて、書きました。
宮迫さんや蛍原さん、松本さんをテレビで見ない日はありません。
よくお互いスケジュールが合ったなあと思います。
「合った」んじゃなくて「合わせてくれた」んだと思いますが。
被災者が集まりやすいように日曜日に設定してくれたのでしょう。

義兄から聞いたのですが、以前、松本さんの『ワイドナショー』という番組で「芸人が被災地に行くべきか」というトピックで議論があったそうです。
「被災地に行くのは不謹慎」とする意見があるいっぽう、松本さんはそれに賛成しませんでした。
また、地震発生後、松本さんは自分のツイッターで「僕にもきっと何かが出来ると思っています。待っていて下さい。」と被災者に向けてメッセージを送ったそうです。
すると「売名ですか」などと悪口を書かれました。
松本さんはそれに対し「すっごい腹立ちますけど腹立ってやめるのも絶対違う。被災者の人たちをと思っているのに、それでツイートするとこっちが被災者になっちゃうみたいな。恐ろしい世界ですね。」と話されていたようです。
松本さん以外にも、芸能人の被災地慰問を「売名行為」とネット上で叩いたり、一般の人のボランティアを「偽善」と言ったりする人がいます。
本当の被災者はそんなふうに叩かないと思います。
被災地から離れている人が、ネットの世界でどうしてそんなふうに批判するのか。
理解に苦しみます。
今回、やってきてくださった芸人さんたちは、多忙の中スケジュールを調整してくださって無理をして訪問してくださいました。
いろんな覚悟も必要だったと思います。
わたしはほんとうに素敵な芸人さんたちだと思います。
前よりももっと好きになりました。
こんな優しい芸人さんたちの支援が、世の中に知られていないのがなんか悲しくて、きょうは伝えたいと思いました。
(旅の話をきょうも離れてしまってごめんなさい。)
芸人さんたちは、お土産ももってきてくださっていました。
コップやノートなどの吉本グッズ、松本さんがサインを書いたうちわ、西川さんからは手ぬぐい。

わたしは西川さんの手ぬぐいをもらいました。
そこにはこう書いてあります。

「小さなことからコツコツと」
自分にできることをコツコツやっていこうと思います。
わたしは行けませんでしたが、同じ日の午前中には、八代亜紀さんが歌いに来てくださっていました。
さらにその2日前には、さだまさしさんも訪れてくださっていました。
みなさん、被災者たちに笑いと優しさを届けてくれました。
ほんとうにありがとうございました。
みなさん、ほんとうにほんとうに温かい人たちです。