行動経済学で人の癖を知る
この分野のお話は今回で2回目です。
「行動経済学とは何?」という内容を参考記事で簡単にまとめたので、一度そちらをご覧下さい。
【参考記事】
参考図書が漫画なだけに、気軽に読んで下さい。
こういった部類はタイトルや名前だけ立派で難しそうに見えます。
しかし、内容は誰しも経験のあるただの「あるある」だと思っています。
それを改めて文字に起こすことで自分の悪い癖を修正できたら良いなと思っています。
いつの間にか基準を持ってしまう
今回は『アンカリング効果』という人間の癖についての内容です。
参考漫画では、あるサラリーマンがセレクトショップでネクタイを買うお話です。
主人公にはお気に入りのセレクトショップがありました。
一番大切にしているショップです。
会社帰りにそこでネクタイを買おうとしました。
値段は1万5000円。
一応、隣のセレクトショップにも行きました。
こちらは同じ商品が2万円。
お気に入りでもなく、一応で寄ったショップではもっと高かった。
1週間後に両ショップではセールを行う予定なので、その時にそのネクタイを買うことを主人公は決めました。
1週間後。
お気に入りのショップでは、あのネクタイがセール価格で1万5000円から1万2000円に値下げされていました。
3000円もお得!
一応、例の隣のショップにも寄りました。
そこでは同じネクタイがセール価格で2万円から1万2000円に値引きされていました。
セール価格はどちらも同じ1万2000円です。
主人公は考え込んでしまいました。
結果、お気に入りのショップではなく、その隣のショップで購入しました。
その帰り道、ずっと大切にしてきたショップを裏切ったことで、主人公は罪悪感に苛まれました。
おわり
ここから学ぶことは、同じ価格の同じ商品でも基準となる情報に左右されて、価値判断をしてしまうということです。
このような非合理的な判断をすることを行動経済学では、基準をアンカー(錨)に例えて『アンカリング効果』と呼ぶそうです。
確かに同じ1万2000円でも、2万円から8000円も値引きされた商品の方が、それが同じ商品だとわかっていても購入してしまうかもしれませんね。
私たちの投資活動ではどうでしょうか。
企業の財務状況や成長率を考慮し、その結果で投資先を決める冷静な投資家も多いと思います。
しかし、中には私同様に一時3000円以上の株価をつけていた銘柄が800〜900円の株価水準まで落ちてくると「お得」と感じる投資家もいると思います。
これは株価だけを追っている状況といえます。
もし、中長期的に資産を拡大したい場合は、実際の企業価値よりも過小評価されている銘柄を「お得」と考えるべきかもしれません。
どうしても、株価ばかり追ってしまうことは私も多々あります。
これは人間の習性の一つでしょう。
過去の高音がアンカーとなり、それより低い現在の株価がお買い得に映ってしまうのです。
本当にお得かどうか、投資先を検討する際はしっかり企業分析をする習慣を今後も保ちたいです。
高音を覚え安値を覚え、それを基準に投資をする非合理的な投資家から卒業を目指します。
ご覧頂きありがとうございました。
今後とも更新します。
【参考図書】
【GMOの分析ツールは便利】