相模鉄道の新型車両「20000系」が11日、営業運転をスタートした。横浜市西区の相鉄線横浜駅のホームでは出発式が開かれ、多くの鉄道ファンが熱い視線を送った。
20000系は、2022年度下期に開業予定の相鉄・東急直通線の車両として導入され、それまでは他の車両と同様に相鉄線を運行する。直通線は相鉄線西谷駅(同市保土ケ谷区)と東急線日吉駅(同市港北区)を結ぶ計画で、県央地域から都心へのアクセス向上につながる。
10両編成の新型車両は「ヨコハマネイビーブルー」と称する濃紺色で統一。車内には高齢者の立ち座りに配慮して座席の高さを上げるなどした「ユニバーサルデザインシート」を導入した。日立製作所笠戸事業所(山口県)で製造され、昨年8月に約950キロの輸送を経て今回のデビューに至ったという。
出発式で相鉄の滝澤秀之社長は「思いを込めて造った自慢の車両を体験してほしい」とあいさつ。3番線に海老名行きの20000系が到着すると、ファンが一斉にカメラを向けた。児童らが「出発進行」と腕をつき上げ、乗客を乗せた車両がゆっくりと動き出した。
横浜市泉区の小学6年、岩佐砂さん(11)は「高級感があってゆったり乗れそう」と乗車を心待ちにしていた。
同社は新型車両の図面や写真を載せた「20000系デビュー記念入場券セット」(1200円、限定2000セット)を相鉄線全駅で販売している。【杉山雄飛】