せっかくの休日、ベッドの上でダラダラと「何もない不毛な一日」を過ごし、貴重な時間を溶かす悪習。そこから脱却したいと考えている人も多いだろう。
ついつい部屋でダラダラしてしまう
そこで、ダラダラの温床となりがちなダメ部屋の特徴と改善ポイントについて、すはら氏に伺った。
特にベッドで食事をするのはタブー
ワンルームや1Kなど、一人暮らし用の狭い空間は、部屋が一つであるため「寝る場所」「くつろぐ場所」「食事をする場所」の全てがごちゃ混ぜになってしまいがちだ。睡眠の延長のように食事をしたり、そのままくつろいだりすると暮らしにメリハリが生まれず、結果として、ついだらけてしまうという。
改善点としては、一つの部屋であっても細かく部屋の場所によって役割を切り分けるのが良いという。食事をする場所、寝る場所、着替える場所、くつろぐ場所、などと目的と役割を部屋の部分ごとに切り分けて生活してみよう。
目覚めと同時にテレビをつけ、そのままダラダラ……そんな習慣ができていないだろうか?
たしかに楽なこともあり、寝た状態でテレビが見られるように配置してしまいがちだ。しかし、すはら氏によると、ベッドの死角にテレビを配置し、とにかく一度ベッドから動かなくてはテレビが見られない状況を作るだけで、生活習慣はかなり変わってくるという。
床はベッドの延長。やはりダラダラの温床になりがち
床に座る生活をしていると、立ち上がるのが面倒になるうえ、どんどん自分のいる床周辺にモノを置いてしまう。そして、あれこれダラダラしているうちに乱雑に散らかってしまう。結果として、ますます自堕落になってしまうのだ。
すはら氏によれば、作業をしたり食事をする場所は、コタツやローテーブルではなく、小さくてもいいので高さのあるデスクとイスを用意するのがいいという。
生活が荒むと、なおさら無気力に。まずは汚部屋脱却を
部屋が散らかっていると、どんどんルーズになってしまうのはわかるが、でも、どうしたらいいのだろう?
「まずは床にものを置かないことを心掛け、それができたら次は、テーブルなど平らな場所に飲みかけのペットボトルなどを放置しないようにしましょう。衣類も、そのへんに脱ぎっぱなしにしないこと。きちんと畳んで仕舞うのが面倒であれば、大きなカゴを用意し、とりあえずそこに投げ込んでおくだけでも構いません」(すはら氏)
とにかく、視覚的にだらしない雰囲気から脱却することが大事だということだ。
家具の配置を誤ると、窮屈で動きづらい部屋に
家具の配置が良くないだけでもダラダラ自堕落生活につながってしまうという。なので、家具はできるだけ壁際などに一列に並べ、“部屋の真ん中は空けておく”ようにすることで、生活動線として動きやすくなり、視覚的にもスッキリして生活にメリハリが生まれるという。
ダラダラ部屋脱却ポイント5
「ここで着替える、ここで食事をする、ここでくつろぐ。ルールを決めたらその通りに動く。すると、生活のストーリーができていく。それを毎日積み重ねれば、規則正しい生活へとつながっていきます」(すはら氏)
部屋が狭くて生活スペースを切り分けることが難しいのであれば、たとえば、起床したらまずベッドをすっぽりカバーで覆い、枕ごと隠してしまったり、ベッドにクッションなどを置いてベッド感をなくし、昼間はソファとして使うのもいいという。
特にワンルームや1Kでは、ベッドの使い方一つでダラダラ生活に陥ってしまう。活動時間中はベッドとしての機能をいったんリセットし、活動スペースに切り替えるようにするのがポイントだ。
誰にも咎められることがない一人暮らしだからこそ、自らダラダラしないためのルール作り、予防線を張ることも重要。生活態度を改める第一歩として、まずはこれらを実践してみては?
建築・インテリア・整理収納の資格と、豊富な経験に基づいた片付け術に定評がある。住宅の商品開発や収納用品のデザイン監修をはじめ、雑誌やテレビ、ラジオなどメディア出演多数。著書・監修書も多く、人気講師として各地でセミナーを開催。共働き主婦の目線から追求した収納法は、誰もが実践しやすくヤル気が続くと好評。All About「収納」ガイド。近著に『無印良品で片づく部屋のつくり方』(エクスナレッジ)がある
文・写真=マエダトモユキ
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