「事故物件住みます芸人」が見た壮絶な現場

5物件の体験に映ったメリットとデメリット

芸人の松原タニシさんは、5軒連続で事故物件に渡り住んでいるという

テレビのワイドショーやネットニュースなどで時折話題になるのが凄惨な殺人事件だ。屋外や公共的な場所で犯行がなされるケースもあるが、個人の住宅で起きることも多い。厚生労働省と警察庁の調べによれば、年間の自殺者数は2万人を超える。その中には自宅で自ら命を絶つ人もいる。高齢者をはじめとする孤独死も社会的な問題になっている。

そんな殺人や自殺、孤独死などが賃貸住宅で起きると、そこは「事故物件」と呼ばれる。一般的な感覚の人なら、なるべくなら事故物件には住みたくないと思うだろう。だから事故物件は家賃が割り引かれているケースもある。家賃が安くなるのはわかりやすいメリットだが、デメリットは「なんだか気持ちが悪い」という心理的なものだけなのだろうか?

事故物件に5軒連続で渡り住んでいる、松竹芸能所属の芸人、松原タニシさん(35歳)に話を聞いた。

住むと気が変になってしまうアパート

松原タニシさんがそもそも事故物件に住むようになったきっかけは、先輩芸人の北野誠さんが主催する「北野誠のおまえら行くな。」というテレビ番組の怪談トークイベントに出演したことだった。

「怖い話をするイベントだったのですが、僕は『住むと気が変になってしまうアパート』という話をしました」

そのアパートは値段が激安だったので、歴代若手芸人が住んでいた。しかし、そのアパートに住むと気が変になってしまう。たとえばある若手芸人は舞台の時間に現れないので、後輩が呼びに行くと部屋中にロウソクを立てて体育座りをしていた。

その物件を調べると1階なのに鉄格子があり、ドアには外からしか開られない窓があった。そこはもともと精神病院だったんじゃないか? と皆がうわさしている。

……そんな松竹芸人の間に伝わる実話怪談だった。

「その話をすると北野誠さんが『タニシ、そこに住まないか?』と言ってきたんです。壇上でのネタかと思ったんですが、楽屋で『マジだけどどうする?』って言われて……。ほかに立候補する芸人もいなかったので、結局住むことにしました」

ネタにした物件に住む予定だったが、不動産業者に断られてしまった。その代わりに北野誠さんが見つけてきた、事故物件に住むことになった。

それ以降、事故物件を渡り住む、「事故物件住みます芸人」として活動している。

次ページ1軒目は「連続殺人マンション」
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  • NO NAME6b61f057aba9
    別に心霊的な意味合いでなくとも「居るとなぜか気が滅入る部屋」とか「陽当たりが悪くて陰鬱な部屋」というのは間取りや場所の関係からどうしても存在するもので、自分が弱った時に家から追い討ちをかけられるようなリスクは避けたいと思う自分にとって、事故物件渡り歩きだなんて絶対に無理だなぁ身体張ってるけど気をつけて!って思ってしまいます。
    up86
    down1
    2018/2/12 07:56
  • NO NAMEbd2360609653
    高齢化や独居世帯の増加など、今後この様な事は多くなると思います。ただ、敢えてその様な物件を探して住もうとは思わない。タニシさんは芸人でネタね為にやっているのでしょうから。
    亡くなった方の霊が怖いとかよりも、本当に恐ろしいのは生きている人間の方だと思う。くれぐれも気をつけて下さい。
    up52
    down1
    2018/2/12 08:25
  • NO NAMEb459d9a099ba
    人が死んでない土地なんて逆にあるんかな?
    up25
    down1
    2018/2/12 08:44
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