越路吹雪物語 #25[解][字] 2018.02.09
メールが結構好きなんだと思いますね。
そうですよね。
まあメール…だからお風呂から出てメールやってる時間ってものすごく落ち着きます。
(河野美保子)そっか…オカジは明日から東京か…。
じゃあしばらく会えないね。
(加治信子)うん。
神奈川の工場や千葉の病院にも行く予定だからね。
コーちゃんは?大阪と神戸が入るかもしれないけどしばらくは留守番組かな。
あっじゃあ私お時さんのとこ寄るから。
慰問の旅頑張ってね。
うん。
コーちゃんもね。
うん。
大劇場などを海軍に接収された宝塚歌劇団はいくつかの場所に分散され宝塚歌劇移動隊として各地の工場や陸軍病院地方の農村などに出掛けていき慰問公演を行っていました
戦況はといえば日本軍は劣勢に劣勢を重ねおびただしい数の戦死者を出しながら泥沼へと突き進んでいました
しかしそれらの実態は国民に知らされる事はなく人々は勝利を信じて日々の不自由な暮らしに慣らされていったのでした
(庄司義男)コーちゃん。
あっ来てたんだ。
うん。
あっちょうどよかった。
これ読んでくれないかな?脚本?うん。
今すぐどうなるものでもないのに悪いけど。
ううん読む読む。
読んだら感想聞かせて。
もちろん!じゃあ今度。
うん今度。
何してるの?ああ…コーちゃん。
なんでお時さんと森ちゃんが?衣装さん田舎に帰った人がたくさんいて手が足りないの。
だからお手伝い。
お時さんはわかるけど森ちゃん縫い物なんて出来るんだ…。
一人暮らししてるんだ。
繕い物ぐらい出来るさ。
私出来ないよ?もう昔っから裁縫大の苦手。
そんなんじゃ嫁にいけないぞ。
じゃあ嫁になんかいかない。
コーちゃんらしいわね。
でも大丈夫よ。
必要に迫られたらすぐ出来るようになるわ。
そうかなあ…。
ほらやってみるか?いい!なあに?庄ちゃんの脚本。
新しく書いたんだって。
ああ…もしかしてナポレオンのお話?なんで知ってるの!?この間読ませてもらったから。
えっ!?ずるい!えっ…?私が一番だと思ってたのに!まだ怒ってるの?ごめん。
私がポロッと言っちゃったから…。
別に本当の事だからいいけどさ。
庄司さんねこの脚本読んでコーちゃんがどう思うかなって私に聞いてきたの。
私ならコーちゃんの事よくわかってるからって。
で?あまりに一生懸命だったから読ませてもらったわ。
で?それで私は面白かったって言って返した。
謝ったわ。
私もコーちゃんの事よくわかってるつもりで安請け合いしてしまって申し訳なかったって。
考えてみたらコーちゃんはコーちゃん私は私。
庄司さんが読んでもらいたいのはコーちゃんなんだからドンとぶつけるべきだって。
まあ…文法で気になったところはいくつか指摘させてもらったけどね。
だからか…。
私が主役やったデビュー作よりト書きが読みやすかったの。
ごめんなさいね先に読んでしまって。
いいよ。
お時さんなら許す。
おなかすいた。
ご飯食べよう!
(岩谷秋子)時ちゃん!コーちゃん!ご飯でしょ?今行く!
(鳥の鳴き声)脚本面白かった。
ありがとう。
特にナポレオンが心の中のもう一人の自分と葛藤するシーンが好き。
僕もそこが一番気に入ってる。
最後もかっこよくて演じてみたいなって思った。
コーちゃんにそう言ってもらえると嬉しいよ。
コーちゃんのために書いたから…。
ありがとう。
コーちゃんが男の人と?うん。
えっそれってもしかして…?多分ね。
誰?歌劇団の人?作家さん。
へえ〜コーちゃんがね〜。
でもあの子モテるわよね。
かわいい子だから。
うん。
時ちゃんは?いないの?そういう人。
フフッ…いないわよ。
笑ってる場合じゃないわよ。
もういい年なんだし。
(爪を切る音)あっ…。
あらっ…。
失礼しました。
爪はまだお若いですね。
おかげさまで。
ウフフ…。
でもあれよね。
宝塚って結婚したら辞めないといけないのよね?うん…。
まあまだそんな2人じゃないけどね。
家?うん。
静岡で小さな旅館やってる。
えっご両親が?うん。
あと姉貴が手伝っててさ。
うん。
ゆくゆくはお婿さんもらって後継いでもいいって言ってくれてて。
へえ〜。
だからこうやって僕も好きな事やらせてもらってるんだ。
そうなんだ。
いいご家族だね。
ウフフ…。
(坂井タミ)はいお待ちどおさま。
はいどうぞ。
ありがとう。
あれ?今日はすごく多い。
実はここ畳む事にしたの。
(庄司・美保子)えっ!?お客さんには申し訳ないけど統制だなんだで材料がなかなかね…。
ごめんね。
いつもひいきにしてもらってるのに。
だから今日は最後のサービスで大盛り。
ゆっくり食べていってちょうだい。
ありがとう。
いただきます。
いただきます。
なくなっちゃうんだ…。
温かいうちに食べよう。
うん。
(2人)いただきます。
「秋の夕日に照る山紅葉」「濃いも薄いも」
(田宮守)あとは…ここの芝居の尺詰めてもらえるか?…はい。
歌を多めにしてもらいたいって向こうからの要望なんだ。
ああ…。
いや…もちろん芝居も喜んでもらえるんだけどやっぱり歌の力ってすごいよな。
こう…心に染みるんだろうな。
ええ。
悪いな。
なかなか新作ってわけにはいかないしこんな作業ばっかりで。
いえ…。
しょうがないですよもう前とは違うんですから。
「離れて寄って」
(田宮)いつになったらあの子たちをまた大劇場に立たせてやれるのかね…。
「色様々に」「水の上にも織る錦」
そして年が明けて1945年1月神戸は初めての空襲に見舞われました
また?うん。
いつまた空襲が来るかわからないからって。
そりゃ田舎の親にとっては心配だよね。
帰ってこいって言われて暮れに5人かな…辞めていった。
そう…。
コーちゃんのところは?まあ心配はしてるけど…。
でも東京にも空襲来てるしね。
私はここが好きだしさ大劇場が戻ってきたらすぐに舞台に立ちたいもん。
だってほら劇場閉鎖は1年間って言ってたじゃない?もうすぐだよ。
それまで我慢我慢。
そうね。
しかし美保子の願いも空しく宝塚大劇場閉鎖の期間はさらに1年延長されたのでした
(大塚弥一)残念ながらまだ私たちの宝塚には戻れません。
でもいつか必ずまたあの舞台に立てる事を信じて…。
いや必ず戻れる。
とにかく今は全国で…いや国内だけでなく遠い外地でも君たちを待ってくれている人が大勢いる。
君たちの公演でこの大勢の人たちに勇気と元気を与えましょう。
今私たちが出来る事を力を合わせてやっていこう。
皆さん私たち宝塚の灯を消す事なくしっかり守っていきましょう。
(一同)はい!
(信子)うわあ〜!立派なさつまいも!どうしたの!?差し入れ。
(中川慶子)コーちゃんさんのファンの芦屋のご婦人からのね。
よっ!さすがマダムキラー!
(森山淑子)久しぶりに見たわねこんな立派なの。
でしょう!?ふかしてみんなで食べよう!他の子たちにも分けてあげようね。
うん。
腹が減っては戦は出来ぬ!何はともあれ力をつけないとね。
(信子)ああ〜…。
で?どうなのよコーちゃん。
庄ちゃんとは。
えっ?何が?しら切ったって無駄無駄。
もうみんな知ってますよね。
庄ちゃんにも持っていってあげれば?おいも。
ああ…それはねあとで制作部にも持っていこうって…。
ほらほらごまかさないで。
最近はラブレターは?えっ!?ラブレターもらってるの?恋人だったら当然じゃないですか?違うって!お慶ちゃんが言ってるのは…。
脚本。
コーちゃんさんのためだけに書いた。
別に私だけのためじゃないわよ。
いつかちゃんと上演出来るようにって。
ああ…でもそれは女優にとっては熱烈なラブレターだね。
でしょ?ねえ新作は?最近は…う〜ん…あんまりかな。
ほら庄ちゃんも忙しいから。
(上野悠子)作家さんはそんなに忙しくないんじゃないですか?あっ…ごめんなさいそういうつもりじゃなくて…。
だから別に私と庄ちゃんはさ…。
仲いいな〜。
嫌いじゃないよね?好きですよね?もう!からかわないでよ!おいも返してもらうよ!
その翌日3月10日アメリカ軍による大空襲が東京を襲い一面を焼け野原と変えおびただしい数の命を奪っていきました
そして大規模な空襲はその後国内に広がっていったのです
まずは稽古でしょ?稽古終わったじゃん。
あっ…。
えっ…。
(店員)どうもありがとうございました。
寂しくなるねここも閉まっちゃうなんて。
うん。
でも最後に来られてよかった。
どうしたの?なんか元気ないね。
帰る事になった。
えっ…?静岡の実家に帰る事になった。
親父が体壊してそれで戻ってこいって。
お父さん大丈夫?ああ…。
そんなひどいわけじゃないから。
ただ旅館の仕事はちょっと無理らしい。
そうなんだ…。
帰っちゃうんだ…。
寂しくなるな…。
一緒に来てくれないか?えっ…?コーちゃん僕と結婚してくれないか?ねえどうしたらいいと思う?ちゃんとコーちゃんが考えないと…。
考えれば考えるほど悲しくなるの。
お時さん!森ちゃんに召集令状が来たって…。
2018/02/09(金) 12:30〜12:50
ABCテレビ1
越路吹雪物語 #25[解][字]
名曲「愛の讃歌」を世に送り出した戦後の大スター・越路吹雪と作詞家で越路吹雪の生涯のマネージャー・岩谷時子。昭和の時代を背景に偉大な2人の友情と波乱の人生を描く。
詳細情報
◇番組内容
仕事からの帰り道、酔っ払いに絡まれている森継男(崎本大海)を見かけ、声をかけた時子(木南晴夏)。そのまま森と酒を飲むことになるが…!?美保子(瀧本美織)の2年下の優秀な後輩・中川慶子(花乃まりあ)、森山淑子(七木奏音)、上野悠子(田中珠里)が宝塚歌劇団に入ってきた。美保子はなぜかこの“三羽ガラス”に懐かれてしまう。一方、美保子は新進脚本家・庄司義男(駿河太郎)が初めて書いた演目で主演を務めることに…
◇出演者
瀧本美織、木南晴夏
原日出子
咲妃みゆ、花乃まりあ、七木奏音、田中珠里、崎本大海、駿河太郎、宇梶剛士
◇ナレーション
真矢ミキ
◇脚本
龍居由佳里
◇演出
藤田明二(テレビ朝日)
◇主題歌
瀧本美織『ろくでなし』(ユニバーサル ミュージック)
◇スタッフ
【チーフプロデューサー】五十嵐文郎(テレビ朝日)
【プロデューサー】藤本一彦(テレビ朝日)、布施等(MMJ)
◇おしらせ
☆番組HP
http://www.tv-asahi.co.jp/koshiji/
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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