新たな抗争勃発か!? 元横綱・日馬富士の貴ノ岩暴行事件に端を発した八角理事長VS貴乃花親方という図式が、今度は相撲協会VSテレビ朝日になりそうだ。

 先の理事長選で敗北した貴乃花親方は7日放送のテレビ朝日系2時間番組「独占緊急特報!! 貴乃花親方すべてを語る」に出演。これに八角理事長が激怒し、放送から一夜明けた8日、相撲協会広報部は同番組の放送に際して必要な申請書類が提出されず、無許可のまま放送され肖像権を侵害されたと抗議した。広報部の芝田山副部長(元横綱大乃国)は「世界中で肖像権や権利が叫ばれている中、垂れ流しされる状況は見逃せない」とコメント。どこまで権利ビジネスに詳しいかは定かではないが…。

 テレ朝も一歩も引かない。協会の抗議を受け「報道目的であり落ち度はない」と主張。同局広報部も「適正な取材をしたと考えております」と一部メディアに答えている。ワイドショー関係者の話。「貴乃花親方の独占インタビューは完全なスクープ。仮に事前申請していたら、各局に伝わってしまうし、協会から出演を阻止すべく圧力がかかっただろう。それを考えれば“ダマ”でやるのは仕方がない。相撲は日本の国技で、貴ノ岩への暴行は刑事事件にもなった。そのキーマンである貴乃花親方のインタビューは国民に向けて報道する価値があるように思う。今回の件でテレ朝はしばらく協会から出禁を食らうことになったが、すべて織り込み済みだろう」

 むしろ、あまりに協会の処分が長引けば、テレ朝側から“伝家の宝刀”を抜く可能性もある。場所中の深夜に放送される「大相撲ダイジェスト」の引き上げだ。テレ朝関係者の話。「長年、テレ朝が放送してきたが、ぶっちゃけ視聴率は良くない。今回の暴行問題で大相撲のイメージは失墜。本来ならば、同番組を中継するテレ朝にも協会から謝罪があっていいレベル。局員の間では『そんなに文句を言ってくるなら、番組やめちゃえばいいんだよ!』という声も上がっている」

 角界はこれから冬の時代に突入する。失墜したイメージを回復させるには、メディアを支配するのではなく、開かれた協会運営を行うことだ。八角理事長がそれに気付かぬ限り、同じような“事件”が再び起きるだろう。

※画像は、貴乃花/Wikipediaより

※画像は、貴乃花/Wikipediaより