●地域の価値を大幅に下げる。
いには野小学校におけるフェンスの設置は、地域内に争いを発生させ、地域の資産価値を下げ、バリアフリーの街といえる根拠のひとつを破壊します。この街のコンセプトのシンボルの破壊をキッカケに、コンセプトを無視した無秩序な建設が始まる可能性があります。それが狙いかもしれませんが、、、。
●安全パトロールの存在価値が薄れる
また、隊員の高齢化を理由に要望されたフェンスですので、フェンスを設置した後は、安全パトロール隊の存在価値は薄れてしまいます。そして地域住民が見守る視線は減ってしまいます。(大事なのは安全パトロール隊員を増やすことだと私は考えています。)
●街の大きな魅力である大規模公園(おにぎり、グランド、萩原公園)がなくなる
3つで一体となる設計である大規模公園として設計されているにも関わらず、その中心が公園の機能を失います。それを気づいていない人が多いようです。
設立時遊び場所の中心として設計されたグランドが使えなくなることで弊害も大きい。中心の動線が絶たれることは隣接公園全体を行き来する壁になり、隣接公園の利用もしづらくなります。
●郊外地域の魅力である公園機能が半減し内向的遊びにシフトする
フェンスによりいままで一体であった隣接公園に子供たちが行く頻度は大幅に少なくなります。一度学校を出た(下校した)子供は、学校に入り難いためグランドで走り回る遊びを奪われます。放課後サッカーも下校した子供は参加しづらくなるでしょう。そのため子供たちはゲーム機を中心とした遊びにシフトします。休日も同様に許可がなければ学校に入れない状況となり、グランドの端っこでさえ遊べなくなるのです。当時隣接公園一体の広い遊びエリアの中心部使えなくなれば、学童の子供にとっても不便が多くなります。
●運動会の観覧環境が悪化する
一大イベントである運動会は場所取りがこれまで以上に過激になり、前日夜から並ぶことが普通になるでしょう。開会時間に来てもフェンスの外しか空きスペースがなくそこに陣取って座ってもフェンス越しにしか運動会を見れなくなります。今年のように開会中に雨が降ったら急な解散はできず、高齢者も容赦なく大雨の中出口の門に続く長蛇の列に並ぶことになります。
●景観が悪化する
当初の要望通り、侵入を防ぐことに重点をおいたもの対策としてフェンスを設置するなら2m以上のフェンスが必要です。
このような高いフェンスを設置すれば、当然景観は変わります。
●オープンな街の根拠を破壊する。フェンス設置自体がクレームの元となる。
しかしながら、門は設置しないため、池田小事件のような計画犯が万が一現れた場合、なんのためらいもなく侵入するでしょう。そしてフェンスで外に逃げられなくなった子供達にも危害を加えるでしょう。フェンス設置後に傷害事件数が増えるという検証データも多数あります。
設置後にいには野小学校で大きな障害事件がおきたら、囲障を低くしたこと、閉鎖しなかったことが大きな責任問題になります。一方2mのフェンスを設置してもそれを見た住民は景観の悪化を訴えるクレームが殺到するでしょう。
以下に、いには野小学校において、フェンス設置効果が小さいこと、他の安全対策が向いていることを説明します。
□いのししについて (フェンス効果なし)
いには野小学校には外部から来た小動物は入れないような作りになっているのをご存知ですか?道路沿いに歩道との境に生垣が組まれて設けられこれが壁になっているのです。
猪は特に真上のジャンプはできますが、勢いをつけて斜めに飛べませんし、真っ直ぐ走る習性があるため、壁の途中に一部空いてる箇所があっても急に曲がってそこに入るのは希です。入れるとすると車が入る正面の入口からです。
また夜行性で臆病な動物のため昼間にわざわざ人の前に現れる可能性は非常に小さいです。もし障害問題になるなら出現率の高い南房総で相当な問題になっているはずです
また、もし万が一、子供のたちの前に現れたとしても、傘を広げれば、逃げていきますし、数人いれば固まって壁になるなど回避さくはあります。
従ってフェンスが増えても状況は変わりません。 頑丈な正面門を設置し、日中も閉めておくなら効果はありますね。
従って、フェンスを設置するよりも、防犯ブザーを設置することで、猪やその他危害を加える動物が現れた時に、それを発見した任意の児童・先生・住民が知らせることが可能になり、音を起点として近くにいる者全員が避難できる仕組が効果的だと思います。
□痴漢や犯罪目的の侵入者について (フェンス効果小)
これを防ぐには、防犯カメラか学校エリア完全閉鎖しかありませんが、このような検討はされていません。
またフェンスの理由として、この10年で吸殻、紙が燃やされた跡があったことが上げられていますが、夜間だれでも入れるスペースなので不思議なことではありません。皆様の住宅付近で同様のことはありませんか?それに夜間校内を歩いている方を私は何度か目にしていますし、校内を歩いてもいいオープンな設計になっているはずです。学校が終了した時間からは、公共のスペースとなる開放的な学校なのです。
そもそも完全に閉鎖しない囲障では侵入者は防げません。1mのフェンスでも心理的に侵入抑止効果があるという意見もありますが、侵入抑止効果を考えた設計は今のいには野小学校には既に、そして十分に、あります。植樹、タイヤ、鉄棒、建物などです。そういった細かい配慮がされた素晴らしい設計なのです。だからこそ文部科学大臣賞を受賞しているのでしょう。だからこれまで問題になるような日中の侵入犯罪は発生してないのです。
従って、フェンスよりも侵入を心理的に抑止する防犯カメラが有効な安全対策だと考えいます。もし侵入しても防犯カメラがその侵入を捉えていますので、吸殻でも燃やされた紙くずもそれをした犯人は割り出せると思います。再発防止にも効果的です。フェンスでは再発防止はできません。
□池田小事件犯のような無差別殺傷犯 (フェンス効果小)
この犯人は塀のある小学校に侵入し事件を起こしました。どんな重厚な門があろうと、開いていれば侵入は容易です。監視員と常時閉鎖をするレベルまでセキュリティを高めないと同類の犯人の侵入は防ぐことはできないのです。またこのような悪質な犯罪者にとっては閉鎖された壁(フェンス含)の多い場所の方が被害者を追い込めるため、目的を達成しやすいという側面もあります。
従って、フェンスはこういった犯人にはあまり効果がなく、全国的にみてもあの事件以降発生していないものです。そういった希で事前対策が難いリスクに対応するためには、発見時に即その危険を回避する安全対策、つまり危険回避の訓練と防犯ブザーなどの危険をタイムリーに知らせる仕組みづくりが有効なのです。
□子供の喧嘩、いじめなど
フェンスを設置しても、こういった事態は予防できません。それよりは、ダミーでも監視カメラがあった方がよっぽど効果的です。
防犯ブザーの設置があれば大きな喧嘩が勃発した時に任意の生徒がそれを知らせることができますし、防犯カメラがあれば、再発防止の効果が期待できます。
□上空からの危険(雹、竜巻、カラス、ヘリ墜落など)
フェンスでは全く効果がありません。
防犯ブザーが有効です。発見してから1分程度でその危険を周囲に知らせ、一緒に非難することができます。訓練ができていれば約3分間で小学校内全員にその危険と場所を知らせることもでき、非常に効果的だと思います。
おにぎり公園と萩原公園の2つの公園に挟まれたグラウンドこのエリアすべてが、一体となったデザインとなっています。ここにフェンスが設置されるのですから、子供たちの日常生活に大きな変化が生まれます。遊びの範囲が大きく狭められます。土日利用していたグランドも制約されます。ゲートができるということはそのゲートの開閉管理の手間が増え、サッカーやスポーツボランティアの管理も煩雑になります。逆にいつも開放される設計なら、池田小のようなどんな計画犯の侵入も防げないため、設置の効果は殆どないかもしれません。
子供たちはこのフェンス必要と思っているでしょうか?いままで駆け足でとまらずに公園までいけたのに、大きく迂回しなければ、公園にいけなくなります。一般的に壁ができるとその先の世界は別空間ととらえ意識もしなくなります。おにぎり公園で遊ぶ子供は激減するでしょう。同様に萩原公園もそうです。反対したくても我慢している子供たちの声も無視し、これまで自由だった彼らの動線に大きな壁をつくります。
大人の都合の”安全のためという1.4の巨大な壁”を形にしたその時から何らかの抵抗感を示し、彼らの素直なオープンな心に大きな障壁を作るでしょう。これでは文部科学省が評価した要素がなくなってしまいます。「このフェンスが将来彼らの成長に大きな影響をあたえることは言うまでもありません。
印西市自身が、フェンスを設置しないという決断を合併直後にしている事実もあります。
正面に既に生垣あり。
もともと植樹帯があり、歩道の外側には生垣があります。若萩公園からくるイノシシがいたとしても、この生垣を超えることはできません。
さらに植樹を無理に増やすとデザイン性を無視した景観が生まれますし、防犯効果は上がりません。
もともと植樹帯があり、外側には生垣があります。植樹帯を増やす必要あるのでしょうか?
さらに植樹を無理に増やすと美しい景観が台無しです。