宅録をしていると、録音をした音に「サー」というホワイトノイズが入ってしまう事が良くありますよね。僕もそこまで電気の事には詳しくはありませんので発生の仕組みや理屈についてはあまり説明ができませんが、対策はいくつか知っています。今日はそんなホワイトノイズ対策や、皆んなが頭を悩ませているであろうグランドループノイズについて少し書いていきたいと思います。
サーというノイズ
まずは「サー」という、症状としては比較的軽いと言えるそこまでは気にならない(気にしない人は気にしない。気にする人は気にするレベル)ノイズの対策についてです。こちらに関しては簡単に緩和できる場合がありますが、0にできる事はあまりないと思われます。プロの音源でも曲の冒頭や曲の最後に少し聞こえる事があるので、ある程度は妥協をしなければいけないノイズと言えます。
プリアンプの設定によってノイズを緩和
意外と知らない人が多いのですが、特にライン録音などの場合、録音したい音を出力する機器の音量は最大にしましょう。シンセサイザーや音源モジュールの音をオーディオインターフェースで録音する際には必ずシンセや音源モジュールの音量はマックスにします。出力側の機器の音量は真ん中くらいに設定してプリアンプで音量を上げている人が多いですが、プリアンプの音量は上げれば上げるほど様々な要素に起因する気にならないレベルの微細なノイズがどんどん増幅されて大きくなって行ってしまうので、プリアンプの音量はできるだけ上げなくて済むように心がけるのがベターです。
グランドループノイズについて
「サーー」というノイズの他に「ビーー」というもっと悪質で耳障りなノイズを経験した事はありませんか?このノイズは「サーー」というホワイトノイズよりも大きく、耳障りなので妥協して無視するのは難しいですよね。このノイズの原因の多くはグランドループノイズと呼ばれるものの可能性が高いです。
ノイズの原因は電源である事が多い
まず第一に耳障りなノイズの原因は電源と配線である事がほとんどです。オーディオインターフェースや音源モジュールなどの電子機器には、必ずプラスの電極とマイナスの電極が存在します。この電気の流れの経路を持った機器が複数ある状態で、その機器同士がラインケーブルなどで繋がってしまうと、本来は出て行くはずのノイズが機器同士の中で循環してノイズが発生してしまいます。
分かりづらいので具体例を出していきます!
パソコンからオーディオインターフェースとシンセサイザーをUSBで繋いであるとします。パソコンからの電気がUSBケーブルを通ってオーディオインターフェースとシンセサイザー両方に通っている状態ですね。この状態でシンセサイザーの音をイーディオインターフェースで録音しようとすると、シンセサイザーとオーディオインターフェースをラインケーブルでつなぐ事になります。そうすると、オーディオインターフェースとシンセサイザーそれぞれで着地するはずだったノイズがラインケーブルによって繋がって、パソコンとオーディオインターフェースとシンセサイザーの間をループして耳障りなノイズになってしまうのです。
例を出しても分かりづらいですが、つまりは誤解を恐れずに要約すると、USBケーブルとオーディオケーブルを併用する場合には電気の終着点を意識する必要があるという事です。どこかとどこかが繋がってしまうとそこでループしてノイズになります。
USBケーブルの電源供給が原因
USBケーブルは繋げばほとんどのデジタル情報をやり取りできる上に電源まで供給できる最強の便利ケーブルですが、どうしても「電源も供給できる」という部分が原因でグランドループノイズが発生する事が多いです。
中には自作でUSBケーブルの電源をやり取りする部分だけを絶縁して使う事によって、ノイズを軽減している人もいるようですが、ちょっとした知識と工作が必要になってきますし、それが原因で接続先の機器が壊れたというケースも少なからずあるようなのでオススメはしません。
今現在、上記の例のような機材セッティングになっているが、どうしてもセッティングを変える事が出来ないという方にはオススメのアイテムがあります。アイソレーターという機材です。このUSBアイソレーターを介してUSBケーブルを接続する事によって工作なしでUSBケーブルの電源供給部分を絶縁できます。
「あれがあれば解決」という人もいれば「アイソレーターなんて意味なかった」という人もいるので、「試してみる価値はある」程度にお考え下さい。
ただ、USBバスパワーからのみ電源を供給するオーディオインターフェースなどを使用している場合には、USBケーブルの電源供給を遮断すると動作しませんので、そこだけは注意が必要です。
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MIDIケーブルはまだまだ現役
ライン録音でのグラウンドループノイズを改善する方法はUSBアイソレータを使う以外の方法もあります。MIDIケーブルを使う方法です。
MIDIケーブルは電源を供給するケーブルではないのでUSBケーブルに比べてノイズへの影響はかなり少ないです。上記の例だとパソコンとオーディオインターフェースをUSBケーブルで繋ぎ、パソコンとシンセサイザーもUSBケーブル(USB-MIDIを利用)で繋いでいましたが、シンセサイザーをUSB-MIDIではなくMIDIケーブルを使ってコントロールするという事です。大抵のオーディオインターフェースはMIDIの入出力も備えているので、大体の人はUSBケーブルが2本あれば実践できるはずです。
電源ケーブルであるUSBケーブルの間でノイズが循環していたのに対して、電源を通さないMIDIケーブルを使う事によってノイズを軽減できるという理屈です。電源を通さないと言ってもケーブルが繋がる事になるのでゼロにはできないかと思いますが、試してみる価値はあります。
まとめ
今回の記事は少々分かりづらくなってしまって申し訳ないです。図などを用意してもう少し分かりやすく説明できるように工夫していきます。ご容赦ください。