「99.9」「BG」高視聴率が暗示するテレビの危機

「逃げ恥」「半沢直樹」「ミタ」とは真逆の作風

TBS日曜劇場の「99.9-刑事専門弁護士-SEASONⅡ」のヒットに隠れたテレビ界の危機とは?(東洋経済オンライン編集部撮影)

今年1月スタートの連ドラが序盤から中盤に入り、賛否さまざまな声が飛び交っています。

視聴率では、松本潤さん主演「99.9-刑事専門弁護士-SEASONⅡ」(TBS系)が初回から順に15.1%、18.0%、16.2%、16.8%。木村拓哉さん主演「BG~身辺警護人~」(テレビ朝日系)が同15.7%、15.1%、13.4%。石原さとみさん主演「アンナチュラル」(TBS系)が同12.7%、13.1%、10.6%、11.4%、山田涼介さん主演「もみ消して冬~わが家の問題なかったことに~」(日本テレビ系)が同13.3%、11.1%、11.1%、11.0%を記録するなど、好調をキープ。しかし、その他の作品は2ケタどころか5~8%にとどまるなど、明暗がはっきりと分かれています。

しかし、この「99.9」「BG」「アンナチュラル」「もみ消して冬」の高視聴率こそが、皮肉にも今後の連ドラ、ひいてはテレビ番組そのものへの危機を暗示しているのです。実際、私の知る業界関係者にも、危機感を抱いている人は少なくありませんし、「自分で自分の首を絞めている」と言う人さえいます。いったいどんな危機があるのでしょうか。

13本中7本が1話完結のフォーマット

「99.9」「BG」「アンナチュラル」「もみ消して冬」。この4作に共通しているのは、“1話完結の事件・問題解決ドラマ”であること。弁護士、ボディガード、法医解剖医、刑事と、主人公の職業こそバラバラですが、「型どおりの番組フォーマット」なのです。

さらに、昨秋から2クール連続放送中の「相棒」「科捜研の女」(ともにテレビ朝日系)も、同じ1話完結の事件・問題解決ドラマのフォーマット。現在プライム帯(19~23時)で放送されている連ドラの13本中7本が、このフォーマットなのです。

「別にいいじゃないか」と思うかもしれませんが、これらは毎週放送される連続ドラマであり、もともとは視聴者に「次に何が起きるかわからない」「続きの話が気になる。早く見たい」と思わせる連続性が最大の魅力でした。

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  • NO NAME97854192a923
    視聴率が悪いと主役のせいにして、良ければ良いで難癖をつける解説者こそ問題があるのでは?
    私は自分が見て面白いと思ったドラマの視聴率が悪くても気にしません。逆にこのドラマの良さが何故分からないのかな、と思っています。視聴率を気にしているのはあなた達では?
    up82
    down2
    2018/2/11 08:31
  • NO NAME97854192a923
    日曜劇場は元々1話簡潔型だったことを知らないのでしょうか?
    しかも毎回ドラマが替わる。しばらくしてまたその続編をやる形式だった。自分の論理に事実を合わせるのは良くない。
    海外ドラマのボーンやCSとかも1話簡潔型ですが、面白いです。
    私は元々1話簡潔型が好きですが、問題がありますか?
    up61
    down7
    2018/2/11 08:22
  • NO NAME1ebc48831791
    連続ドラマを見る、ということ自体が面倒くさい、
    ダルイ、っていう感じになってきているのでは。
    もちろんそれの良さもあるでしょうけど、何話も続けないで
    結論を早く出せよ!、みたいな笑。
    up42
    down5
    2018/2/11 06:44
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