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熊本のレトロお洒落な「上乃裏通り」の名店3選。ディナーや呑み歩きで訪れたい!

2018.02.09

熊本市中心街に、古い民家や建物を生かしたお店が連なる「上乃裏(かみのうら)通り」があります。レトロで趣深い雰囲気は、隠れ家的なグルメスポットとして、また若い女性などにもおしゃれスポットとして人気を集めています。熊本を訪れたなら、ぜひディナーで寄りたい上乃裏通りのお店3軒をご紹介します。

▲「GRILL de GYAN」のレトロな空間

古くて新しい!レトロお洒落なお店が並ぶ路地「上乃裏通り」

熊本市の中心街には上通り(かみとおり)・下通り(しもとおり)・新市街の3つのアーケード街があります。その上通りの東側に広がるのが「上乃裏通り」。車1台がやっと通れる路地裏の道ですが、アーケード街と雰囲気の全く違う、趣深い景色が広がります。個性的なショップや飲食店が集まる通りとして、感度の高い大人たちに人気です。
▲昔ながらの蔵や木造建築のお店もチラホラ。熊本市電「通町筋」電停から徒歩1分程で入口に着きます

この上乃裏通り一帯は、かつて第二次世界大戦の空襲を免れ、築100年を超える建物や倉庫が多く残っていたエリアです。二十数年前より地元の工務店などの取り組みにより、古い建物の良さを生かしながら新しいお店に甦らせる街づくりが進み、今のような趣ある景色が生まれました。
▲一帯でいち早くリノベーションされたレストラン「壱之倉庫」は、製糸会社のマユ倉庫として使われていた蔵を改装
▲昔の建物の味わいをそのまま生かして、現代風にリノベーションされたお店が点在します

約500mの通りにファッション、グルメと様々な個性派のお店が軒を連ねるこのエリア。昼にショッピングやランチで回るのも良いですし、夜に歩くとまた味わい深い景色が広がります。アーケード街の賑わいとはまた違った、レトロお洒落な熊本の夜を楽しみましょう。
▲昭和にタイムトリップしたような場所も

「GRILL de GYAN」で明治ハイカラな美食タイムを満喫!

1軒目は、「GRILL de GYAN(グリル・ドゥ・ギャン)」です。上乃裏通りのちょうど中間辺りにあります。通りの中でもとても目立つ趣深い建物は、かつて生糸問屋、そして旅館として使われていたもの。築120年以上の大きな建物をリノベーションした一角にお店があります。
▲「栄屋旅館」という大きな旅館だった建物に、洋服店や飲食店が4軒入っています。昔ながらのなまこ壁も残っています
▲この大きな赤いドアが目印です。忍者屋敷の隠し扉のような開き方!

中に入ると、大正ロマンの雰囲気あふれる和洋折衷なレトロ空間が広がります。色ガラスやすりガラスで表情を出した窓や手彫りの跡が味わい深い床、レトロな照明など、古い旅館のテイストを生かしつつモダンさも取り入れてデザインされた内装が素敵!
▲床板は、一枚一枚表面を手で削ったというこだわりの建材。レトロな雰囲気にマッチしています
▲カウンター席もたっぷりあるので、おひとり様も楽しめそう!

もともとは違う場所で、30年ほど前からイタリアンを出す屋台を営んでいたオーナーの内田弘郁(ひろと)さん。この店舗のアンティークな雰囲気が気に入って、2000年に移転しました。こちらでいただけるのは、イタリアンとフレンチをベースにした創作洋食。形にとらわれず、時には和の要素も取り入れた、バリエーション豊かなメニューがズラリと揃います。

お酒はビール、ワイン、カクテル、焼酎、日本酒と何でも揃います。今夜はイタリアンな気分でイタリアビールをオーダー!ノンアルコールカクテルも豊富なので、お酒が飲めない人もいろいろ楽しめます。
▲スッキリ飲みやすいイタリアのビール「BIRRA MORETTI」(330ml/594円)。世界のビールも数種揃います

たくさん揃うメニューの中から、お店オススメの料理を頂くことにしました。まずは「マグロのニンニク焼き」。創業以来の定番メニューで、「この料理がこのお店を支えてきたといっても過言ではない」と内田さんが言うほどの看板料理です。周りを焼いたマグロに、しょう油ベースでニンニクが効いたソースが絶妙!ビールにとても合う一品です。
▲「マグロのにんにく焼き」(1,188円)

続いては「メンチカツ」です。幅10cm以上ある大きい楕円(だえん)の形で、常連さんがつけたあだ名は「わらじカツ」。油が残りにくいパン粉で包み、一度揚げた後オーブンで焼いて仕上げているので、この大きさでも外のサクサク感と中のジューシー感が際立っているんです。

ソースはデミグラスとカレーから選べますが、ここはお店のオススメ・カレーソースをチョイス。程よくスパイシーながら深い旨みが潜むソースが、ジューシー肉に絡まります。
▲平べったく見えますが、ジューシー感がすごい「メンチカツ(カレーソース)」(1,058円)。ランチでも人気のメニューだそう

そして、「オリジナルGYANピザ」。上に乗っているのはピリ甘辛の中華ソースとナスで、さながら麻婆ナスピザ!薄いクリスピー生地との相性も抜群で、これまたビールが進みます。これを食べに通う常連客もいるのだそう!
▲「オリジナルGYANピザ」(9インチ972円、11インチ1,296円)

ほかにも、もう一つの看板メニュー「チキンのガンジーソース」(1,490円)や柔らかい鴨肉がたまらない「紅茶鴨のサラダ」(896円)など、人気メニューを楽しみました。熊本名物の馬刺や、天草で採れた鯛のカルパッチョなどの郷土料理もあり、旅行者にも嬉しい品揃えです。
▲レトロな空間に気分も高まり、食も進みます!
▲最後は手づくりデザートで締めました!「チッチの気まぐれデザート」(540円)

旅館時代の姿をそのまま残しているという中庭を眺めながら、ロマンティックなディナータイムを過ごせました。ちなみに、こちらは60~70名収容の2階席もあり、パーティなどでもよく使われるのだそう。こんなレトロな空間で楽しむパーティ、お洒落ですね!

「和食居酒屋 瑠璃庵」で熊本県産ワインと和食のマリアージュに舌鼓!

2軒目は、「GRILL de GYAN」と同じ建物の反対側にある「和食居酒屋 瑠璃庵(るりあん)」です。同じ建物にありながら、こちらの入口は和の雰囲気でテイストが全然違います。
▲和モダンな入口に、ワクワク胸が高まります。2階がお店になっています

扉をくぐると、古い梁が見える古民家風の空間が現れました。昔ながらの柱や梁を生かした和の空間はどこかノスタルジックで、居心地のよさも格別です。
▲8席あるカウンター席もゆったりくつろげる広さです

2018年でオープン10年目を迎える「瑠璃庵」は、「ワインと創作和食」の組み合わせを楽しめる、通なファンが多く集うお店です。特にワインは、厳選した国産ワインのみを200種類以上揃えています。

「日本ワインは身近な存在なので、肩肘張らずに楽しめるのが魅力だと思います。日本人の舌や体に馴染むし、日本の料理と相性がいいものも多い」とマネージャーの八ツ波紘季(やつなみひろとき)さん。
▲大きなワインセラーには、全国各地のワインが所狭しと並びます(グラスワイン750円~)

料理もお酒も地元や日本の食材にこだわるために、あえて日本のワインだけを集めているのだそうです。せっかくなので、熊本県産をいただきましょう!選んでもらったのは、熊本県産ブドウで醸造するワイナリー「熊本ワイン」のスパークリングの白ワイン「ATSU」です。
▲ナイアガラという品種のブドウで作られた「ATSU ナイアガラ」(グラス900円)。スッキリした味わいで、飲みやすいです
▲こちらは長野県「小布施ワイナリー」のりんごジュース「ジュドポム」(グラス750円)。無ろ過のリンゴの口当たりが抜群な限定品
飲みやすく味わい深いワインに舌鼓を打っていたら、とあるお料理が運ばれてきました。見ると、おかゆ…?聞けばこちらでは、胃を温めてお料理やお酒をじっくり楽しんでもらえるように、先付けとしておかゆを出すのだそうです。なんて嬉しい心遣い!
▲胃の腑を温めるおかゆに、葉物の小鉢も添えて

身体の中も万全になったところで、お待ちかねのお料理です。舌が肥えた食通も多く通うというこちらのお店。経験豊富な職人が、食材一つ一つのストーリーまで感じられる創作的な和食メニューを仕上げます。

まずは珍しいフルーツの白和えをオーダー。マスカルポーネチーズを混ぜ込んだ濃厚な豆腐で和えた一品は、ワインにピッタリ。ラ・フランスやバナナなど季節によって使われる果物が変わるのだそう。
▲「旬のフルーツの白和え」(700円)。取材時は、熊本県産のシャインマスカットが使われていました
▲「穴子のフリット」(1,000円)は国産の穴子をカラッと揚げて、黒酢のソースで

全ての料理で「地のものをおいしく」にこだわり、職人自ら市場に赴いて、熊本県産や国産の食材を吟味。魚、肉、野菜と恵み豊かな熊本のおいしさを独創的な和食に仕上げています。ワインとの相性の良さも格別です。
▲角煮のようなゴロッとした「黒酢の酢豚」(1,300円)。熊本県天草エリアで、梅のエキスを与えて育てられた「梅肉ポーク」のバラ肉を使用。脂がスッキリして臭みがなく、とろける食感

料理の素晴らしさはもちろんのこと、サービスのきめ細やかさも光るこちらのお店。八ツ波さんは福岡の有名ホテルでバーテンダーやウエイターとして多くの賓客をもてなしてきた経験の持ち主。「料理人が丹精込めて仕上げた逸品をしっかり楽しんでいただけるよう、手間は惜しみません。サービスまで含めて料理の質ですから」と微笑みます。
▲カウンターでお客さんとおしゃべりする八ツ波さん。ワインについても、とっても博識です

「ワインと和食」は一見意外性があるように感じましたが、実は日本のワインは日本の食べ物によく合うのだと感動しました。熊本の水で育ったワインとともに、熊本の食材をはじめ、日本の食べ物の美味しさをじっくり堪能できる贅沢な夜でした。
▲「瑠璃庵」の1階には、同店の料理人がお惣菜を作って販売している姉妹店「上乃裏惣菜 コルリ」がある。14:00~17:00は惣菜のテイクアウト販売のみですが、18:00~23:30(L.O.)はイートイン・お酒のオーダーもOK

「食家 あすなろ」で馬肉の希少部位を贅沢に楽しむ!

最後は「食家 あすなろ」です。上乃裏通りの最北部にある古民家の2階にお店があります。どっしりした建物は、築140年超の古い蔵。着物ギャラリーなどにも使われていたという趣深い建物に、早速入ります。
▲重い扉を開いて入ります
▲どっしりとした階段を上ると…
▲フスマの奥に、隠れ家のような屋根裏のお座敷空間が広がっていました!
▲高い斜め天井の空間は、なんだか屋根裏部屋に忍び込んだようなワクワク感を与えてくれます

こちらで楽しめるのは、和食中心の創作料理。熊本の名産品・馬肉の料理も豊富で、地元民はもちろん観光客からも人気を集めるお店です。コース料理も「一人一皿ずつの会席スタイル」で提供してもらえ、そのサービスの温かさにも定評があります。「敷居は低く、満足度は高く」そんなオーナー岡本健(たけし)さんのこだわりが随所に生きています。
▲岡本さんは、長年、熊本市内の有名店で修行した経歴の持ち主。この古民家の素敵な空間と出合ったことに背中を押され、独立を果たしたのだそう

というわけで、早速いただきましょう!せっかくの熊本の夜、岡本さんオススメの熊本県産の日本酒を楽しみます。焼酎文化のイメージが強い熊本ですが、実は日本酒の蔵元も多くあります。今回選んだのは、「花の香(はなのか)酒造」の純米大吟醸「花の香 桜花(おうか)」です。
▲「あふれるかな、あふれるかな」。たっぷり注いでいただきました
▲スッキリした甘さで飲みやすい「花の香 桜花」(1杯648円)。香りも華やかです

こちらのお店でぜひ楽しみたいのが、馬肉の希少部位「馬ヒモ」の料理です。あばらの隙間から少ししか取れない肉で、普通の馬肉よりもとっても甘みが豊か。このおいしさを引き立たせるしゃぶしゃぶでいただくのが、こちらの名物です。
▲同店の看板メニュー「馬ヒモしゃぶしゃぶ」(1人前2,139円)

まずは丁寧に取られた黄金色の特製出汁に、たっぷり野菜を入れます。野菜に火が通ってきたら馬ヒモの出番です。
▲馬ヒモを箸で掴んでお出汁に…
▲さっと1回くぐらせたらいただきましょう。もともと刺身でも食べられるほど新鮮。表面がうっすらピンクになったらOKです
程よい出汁の風味で馬ヒモの甘さが引き立ち、えもいわれぬ旨みが口の中に。ポン酢や醤油、柚子胡椒などの薬味で、少しずつ味を変えながら楽しめます。

岡本さんによると、この「馬ヒモしゃぶしゃぶ」にハマりすぎて、一人で10人前平らげた猛者もいるのだとか。馬肉を食べ慣れている熊本人でも驚く程のおいしさなのです。
▲「甘い!馬肉ってこんなに甘かった!?」驚きながらも箸が止まりません!

他にも「馬ヒモ刺し」「馬ヒモ塩焼き」「馬ヒモ丼」(各1,058円)など馬ヒモ料理が揃います。馬肉メニューも豊富なので、熊本が誇る馬肉料理のおいしさをお腹いっぱい堪能しましょう!
▲「牛蒡(ゴボウ)のくず練り豆腐の揚げ出汁」(702円)

そして、こちらでぜひ味わっておきたいツウなメニューが、「牛蒡のくず練り豆腐の揚げ出汁」です。
ゴボウを丁寧に擦り、2時間かけて葛で練り上げて作った「牛蒡豆腐」を、さっくり揚げて出汁をかけた逸品。口にするだけでゴボウの風味が一気に広がり驚きます!透き通った出汁の深い風味とよく合い、モチモチ、サクサクの食感もまた絶妙。初めてだけど懐かしい、そんなおいしさです。

ほかにも、県産の旬の地魚をふんだんにつかった魚料理をはじめ、熊本の旬の味わいを和食中心の創作料理で楽しめる同店。朝早くから時間を惜しまず仕込まれる料理は、おいしさはもちろん素朴な美しさも必見です。
▲カウンター席では岡本さんとの会話も楽しい
今回巡ったお店をはじめ、築100年前後の古民家が多くの残る上乃裏通り。その多くの建物が、熊本地震の激震を耐え抜いているのも驚くべきことです。壁の崩れなど修理は必要だったそうですが、昔の建物の梁や柱の丈夫さに感激したと、どのお店の方も語っていました。
▲木造家屋の雰囲気に合う街灯やステンドグラスも

古き良き味わいと新しいお店の魅力が合わさった独自の文化を持つ「上乃裏通り」の食べ呑み歩き。普通の熊本観光では物足りないと感じる人にオススメです!

※記事中の価格表記は全て税込です
中川千代美

中川千代美

長崎生まれ、熊本在住。地方出版社に勤めたのち、「チヨミ編集事務所」として独立。地域の子育て情報誌や生活情報紙をはじめ、幅広いジャンルの編集・ライティング・企画を手がける。食欲・物欲・お出かけ欲・温泉欲・ビール欲が赴くままに熊本・九州を駆け回る日々。趣味は二胡。(編集/株式会社くらしさ)

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