慰安婦問題否定論の中には、きわめて無知であるがゆえになしうる否定論が存在している。
その無知の一つが「奴隷」に関する無知である。
西岡力は
と書き
朴裕河は
と書き 熊谷奈緒子は
と書いている。
それぞれ「慰安所=性奴隷制度」を否定する文脈の中で、「奴隷」の定義または「奴隷」の要件として、「金銭の報酬なしに働かされ」「無償で性を搾取された」「労働に対価を与えられず」としており、金銭報酬の有る無しが、「奴隷であるか否か」の基準のように書いている。
こういう人たちは、おそらく今日までの人類の奴隷史について、まったく調べないでこうした記述をしているのである。
奴隷史研究の中には、「報酬のある奴隷」がいたことが知られているからである。
この件についてはすでに幾度か言及している。
今回、2015(平成27)年3月10日の吉見裁判における吉見義明陳述書を入手したので、これによって見解を完成しておこう。
読者の方々は、上記の西岡力、朴裕河、熊谷奈緒子などの知ったかぶりの知識を振りかざす反知性主義的著作物には、惑わされないようにしていただきたい。
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