田中宗一郎と宇野維正が語る2017〜2018年の洋楽シーン前編
Toshiya Oguma | 2018/02/10 14:00
| 2017年にトラップ旋風を巻き起こしたミーゴス(Photo by Kevin Mazur/Getty Images for Philymack) |
※この対談記事は昨年12月24日発売の「Rolling Stone JAPAN vol.01』に掲載されたものです。
本文に入る前に、当企画の制作にあたって田中と宇野がそれぞれ選んだ「2017年の10枚+10曲」を紹介しておこう。Spotifyのプレイリストも用意してあるので、テキストを読み進める際のBGMとしても活用してみてほしい。
Selected by Soichiro Tanaka
ALBUM
『DAMN.』ケンドリック・ラマー
『Common Sense』J・ハス
『Big Fish Theory』ヴィンス・ステイプルズ
『ラヴ・イン・ザ・フォース・ディメンション』ザ・ビッグ・ムーン
『ピュア・コメディ』ファーザー・ジョン・ミスティ
『More Life』ドレイク
『Ctrl』SZA
『Black Origami』ジェイリン
『ナンバー1エンジェル』チャーリー XCX
『トリプリケート』ボブ・ディラン
SONG
「Boys」チャーリーXCX
「Fresh Air」フューチャー
「Love Galore」SZA
「Yeah Right」ヴィンス・ステイプルズ
「Did You See」J・ハス
「Bad Liar」セレーナ・ゴメス
「Groupie Love (feat. A$AP Rocky)」ラナ・デル・レイ
「The System Only Dreams In Total Darkness」ザ・ナショナル
「1 Night (feat. Charli XCX)」ムラ・マサ
「Follow The Leader」フォクシジェン
COMMENT
ストリーミング・サービスの世界的な浸透に伴って、北米、欧州のみならず、南米やスペイン語圏、東アジアの多くの人々がまずは同じものを耳にし、それに対し自らのアイデンティティを模索している時代に、日本の音楽メディアの大半がもはやFOXニュースのことを笑えないほどのオルタナティヴ・ファクト・メディアと化し、まるで日本以外の国には音楽は存在しない、あったとしても90年代と変わらないとでも言わんばかりに、誰もが申し合わせたかのように“国外の現在進行形の音楽”に耳を塞ぐ2017年。文化は必ず政治や経済の先を行きます。どうなりますかね。ははは。そんな年の、捻りも余計なエゴも介在しない20のセレクトです。
Selected by Koremasa Uno
ALBUM
『ファンク・ウェーヴ・バウンシズ Vol.1』 カルヴィン・ハリス
『More Life』ドレイク
『Future』フューチャー
『HNDRXX』フューチャー
『Beautiful Thugger Girls』ヤング・サグ
『ラヴ・イズ・レイジ2』リル・ウージー・ヴァート
『Culture』ミーゴス
『DAMN.』ケンドリック・ラマー
『Ctrl』SZA
『ラスト・フォー・ライフ』ラナ・デル・レイ
SONG
「Biking (feat. Jay Z & Tyler, The Creator) 」 フランク・オーシャン
「Slide (feat. Frank Ocean, Migos)」カルヴィン・ハリス
「Provider」フランク・オーシャン
「Chanel」フランク・オーシャン
「Passionfruit」ドレイク
「XO Tour Llif3」リル・ウージー・ヴァート
「Mask Off」フューチャー
「Rollin (feat. Future, Khalid)」カルヴィン・ハリス
「Comin Out Strong (feat. The Weeknd)」フューチャー
「Good Life」Gイージー&ケラーニ
COMMENT
ジャーナリズム的な観点から言うと、カルヴィン・ハリスがトップなのはどうなんだとか、ワイスピ「グッド・ライフ」を入れちゃうのかとか、いろいろあるだろうけれど、これが偽らざる2017年のマイ・プレイリスト上位のアルバム&曲。で、それをそのままオープンにする方が、“メインストリームの洋楽”が迷子になって久しい現在の日本では有効だと思っている。みんなもっとがんがんストリーミングで聴いて、国別再生回数をアーティストにダイレクトで届けて、少なくともケンドリック・ラマーやドレイクやウィークエンドやフランク・オーシャンくらいはツアーかフェスのヘッドライナーで日本に来てもらわないことには何も始まらない。
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