1.アルファベット
A a [aː] ah (アー)
A` a` [ɑː] aoh
B b [baː] bah (バー)
C c [tsaː] tsah (ツァー)
D d [daː] dah (ダー)
E e [eː] eh (エー)
E` e` [ɤː] eoh
F f [faː] fah (ファー)
G g [gaː] gah (ガー)
H h [haː] hah (ハー)
I i [iː] ih (イー) |
I` i` [ɯː] wh
J j [ʒaː] jah (ジャー)
K k [kaː] kah (カー)
L l [laː] lah (ラー)
M m [maː] mah (マー)
N n [naː] nah (ナー)
O o [oː] oh (オー)
O` o` [øː] oeh
P p [paː] pah (パー)
Q q [tʃaː] chah (チャー) |
R r [raː] rah (らー)
S s [saː] sah (サー)
T t [taː] tah (ター)
U u [uː] uh (ウー)
U` u` [yː] yh
V v [vaː] vah (ヴァー)
W w [waː] wah (ワー)
X x [ʃaː] shah (シャー)
Y y [jaː] yah (ヤー)
Z z [zaː] zah (ザー) |
*IPA表記([ ]内)の後のアルファベットはローマ字(英語風)で表記したものです。
また、( )内のカタカナは正確な音を表しませんので大まかな参考程度にしてください。
・大文字について
以下の場合に、大文字が語頭にきます。
1.「文頭」である。
2.「固有名詞(人名、国名、言語名、商品名 etc.)」である。
3.「固有名詞」や「単語の強調」の場合に限り、すべて大文字でも可能。
大文字にするか否かの基準は上記のとおりですが、これは規則を縛りつけるものではなく、
あくまで書き手の判断によって「上記の基準」の解釈が異なるものとします。
2.発音
文字の読み方は大変規則的ですが、その中でも少し注意しなければならない文字がいくつかあります。
*英語と同じ文字でほぼ同じ発音をする子音についての説明は省いています。
"c"はツァ行(ドイツ語のz)の子音を表します。
英語や他のヨーロッパ言語などのように発音が[k]や[s]になることはありません。
cayt [tsajt] 時、時間 |
pomocer [pomotseɾ] 手伝う、助ける |
"g"はガ行(ドイツ語のg)の子音を表します。"c"と同じく、発音が[dʒ]になることはありません。
gitar [gitaɾ] ギター |
gambar [gambaɾ] 絵、写真 |
"h"はハ行(英語のh)の子音を表します。
スペイン語などでは「読まない文字」ですが、古典語でははっきりと発音します。
また、長母音を表すのにもこの文字を使います。
hayvan [hajvan] 動物 |
avehr [aveːɾ] 空気、大気 |
"j"はジャ行(フランス語のj)の子音を表します。
日本語や英語のように「下を上あご(歯茎)につけたj[dʒ]」ではありません。
古典語で[dʒ]の音が必要な場合は"dj"で表すことになっています。
jammale [ʒammale] 美しい |
sejak [seʒak] 以来、~以降 |
"l"はラ行(ドイツ語のl)の子音を表します。
"l"と"r"の発音に区別がない言語を母語とする人には少し注意が必要です。
lihas [lihas] 肉 |
melvad [melvad] ~を除いて |
"q"はチャ行(英語のch)の子音を表します。
読み方さえ覚えてしまえば特に難しい発音ではありません。
qungang [tʃuŋgaŋ] 中心 |
qerez [tʃeɾez] ~を横切って |
"r"はら行(スペイン語のr)の子音を表します。
厳密には、語頭のrは舌を巻き、2回以上弾いて震わせる「ふるえ音[r]」で、
語中・語末のrは舌を1回だけ弾く「はじき音[ɾ]」です。
rondom [rondom] ~のあたりに |
bras [bɾas] 腕 |
"x"はシャ行(英語のsh)の子音を表します。
"q"と同じく、読み方さえ覚えてしまえば特に注意する必要はありません。
xirket [ʃiɾket] 会社 |
xokolad [ʃokolad] チョコレート |
その他の注意点は、古典語では音の長短が母音・子音ともに区別されるので、
これらの区別がない言語話者には注意が必要です。
また、母音はa, a`, e, e`, i. i`, o. o`, u, u` の10個です(中世以降の古典語では光母音のみ)。
以下は、古典語の「母音体系」について。
1.記号の付いていない母音字(古典語では「光母音ひかりぼいん」という)
概ね日本語と同じ発音ですが、
それぞれ明確 (eやi は口を横に引き、oやuは口を丸くします) に発音します。
2.記号の付いている母音字(古典語では「月母音つきぼいん」という)
特に難しい発音は e` と i` の2つで、それぞれ「中国語のe」と「トルコ語のı」にあたります。
3.母音調和(古典語において最も重要な規則です)
上の10の母音はそれぞれ対となっており、グループの異なる母音が1つの語に
共存することは原則としてありません。
|
静 |
動 |
陽 |
a |
e |
i |
o` |
u` |
陰 |
a` |
e` |
i` |
o |
u |
*上の段(陽)と下の段(陰)はグループを表し、
「静」「動」は表に対し、光母音と月母音が逆転していることを表します。
なお、アルタイ諸語やウラル諸語にみられる母音調和とは異なる体系です。
ここに挙げた「母音調和」は資料のみで中世の古典語には存在しません。
二重母音は存在せず、発音上では連母音となりますが音節上は2音節として数えます。
そして、一語一語はっきりと発音します。
3.アクセント*
古典語のアクセントは高低アクセントです。
アクセントの位置は規則的なのでそれほど難しくありません。
例えば、日本語のアクセントは語によって位置が異なり複雑な体系をもっていますが、
古典語では第一音節にアクセントを置きます。
なお、ナチュラルスピード(日常の会話)でのアクセントはそれほど意識しません。
むしろ、「高低」ではなく「強弱」をつけて発音し、強調したい語にだけアクセントを置いたり、
イントネーション(抑揚)に大きく左右されたりします。
4.語順*
古典語の基本語順は「主語・目的語・動詞」の日本語(韓国語、トルコ語など)と同じSOVです。
古典語は「主格(は、が)・対格(を)」にあたる語は基本的に省略します。
たとえば、「私は君を愛している」という文を古典語で表すと、"Ji ni saranger"となります。
「私、君、愛してる」と言った感じでしょうか。
英語や中国語の文を単純に目的語と動詞をひっくり返したような文と考えれば
わかりやすくなると思います。
もちろん、対格(目的格)にあたる後置詞 os があるので、語順を変えることもできます。
ただし、変えることができるのはあくまで語順であり、名詞と後置詞、動詞と助動詞などの順序は
決まっているので、それらを勝手に変更することは出来ません。
さらに、SOVを基本語順としているので例えば語順をSVOのように変える場合は、
「強調・倒置文」や「何か特殊な文(詩など)」として、一般文での使用は避けてください。
・一般的な文に使われる語順と、よく使う倒置文
Ji ni veri saranger. 私はあなたをとても愛しています。(一般文。SOV)
S O V 主語 目的語 述語・述部(動詞)
Ji veri saranger ni. とても愛しているの、あなたを。(倒置文:動詞強調型。SVO)
*この倒置文では主語と目的語の間に動詞が挟まるので、os は省略します。
・主語と動詞が離れすぎている文(目的語が長い文)での語順(例では短い文ですが)
Ni os, mi saranger. あなたをね、私はとても愛しているのよ。(倒置文:目的語強調型 I。OSV)
Ni os veri saranger, mi. 君をとても愛しているんだ、僕は。(倒置文:目的語強調型 II。OVS)
*ji と mi は同じ意味ですが、ji は「公的な私」として一般的に使い、mi は「私的な私(僕)」として
使います。後者は特に親しい人と話しているときや小説や歌詞といった詩文などに使います。
・その他の語順(一般的な文はもちろん、詩的な文でもあまり使わないことをおすすめします)
Veri saranger, ji ni. (主語・目的語と並んでいる場合は os を省略します)
Veri saranger, ni os ji.
5.品詞*
古典語の品詞は 名詞、代名詞、動詞、助動詞、準動詞(動名詞・動形容詞・動副詞)、
形容詞、数詞、副詞、後置詞、接続詞、疑問詞、間投詞 の12種類です。
品詞とは別に接辞があり、それも古典語の文を作るのにとても重要な要素です。
6.名詞
名詞とは、「石」、「りんご」などといったあらゆる事物を名前で表す語です。
古典語では、格変化や人称変化といった、いわゆる屈折はしません。
文法的な関係はすべて語根に接辞・語尾などをつけて表します。
1) 数
古典語では、単数と複数の区別は基本的にありませんが、複数形にすることもできます。
代名詞では複数なら複数形となりますが、
名詞などは複数であることがわかれば単数のままでも表せます。英語のように厳格ではありません。
複数形には「双数」もあり、2つで1組となっているものには厳格に -ip を使います。
それ以上の複数には -es で表します。
Ezese gambar ji van. これらの写真は私のです。(ezese の ez は「指示代名詞」です)
(英語では、These pictures are mine.)
Maktab bon dose kitap ser. 机の上に2冊(の)本があります。
(There are two books on the desk.)
2) 格
古典語では「格」は後置詞で表します。
*(詳細は、「格」の項にて掲載しています)
3) 性
古典語の性には、「男性」「女性」「中性」のそれぞれに「静」「動」があります。
用語としては、これを「名詞クラス」といいます。
自然性が容易に判るものや固有名詞は例外として、文法上ではすべて「中性」扱いとなります。
しかし、この「名詞クラス」は資料のみで中世の古典語はすべて「中性」となっています。
|
静 |
動 |
男性 |
-ak (-a`k) |
-o`h (-oh) |
女性 |
-in (-i`n) |
-u`s (-us) |
中性 |
|
7.格*
*古典語では「格」にあたる語は後置詞で表しますが、便宜上この項目で取り扱います。
古典語で頻繁に出てくる格には、主格(nun)、属格(van)、与格(al)、対格(os)などがあります。
属格と与格は特に出てきます。
1) 主格
(代)名詞が文の主語ないし主語と同格の補語に使います。
また、人・物への呼びかけ(呼格的用法)などにも使います。
nun は普通省略しますが、強調や主格補語と同じ主語では現れます)。
Ti nun Helen. あの人(彼女)がヘレンです。
Eze gambar qekmer nun ji (ser). この絵を描いたのは私です。
*(主格節と主格補語。英語のSVC構文にあたります)
Sahxa, ez I Qong-ho. サーシャ、こちらはイ・チョンホです。
2) 属格
所有格にあたります。古典語の属格には2つの使い方があります。
a) 所有
所有またはそれと似た関係を表します。
Ez ji van kitap. これは私の本です。
Tes ni van diparent, mah? あの方たちはあなたのご両親ですか?
b) 意味上の主語・目的語
動詞的な意味を持つ名詞を修飾し、意味上の主語・目的語を示します。
God van kahs 神の怒り(神が怒ること)
feliz van izlem 幸福の追求(幸せを追い求めること)
3) 対格
目的格にあたり、直接目的語を表します。あわせて、間接目的語 al(~に) も例に出します。
Ji al ez darer wilol. これを私にください(与えてください)。
これを倒置すると、Ez os ji al darer wilol. となります。
対格は基本語順(あるいはSVO)である場合は省略します。
8.代名詞
代名詞とは、名詞の代わりとなる語です。
古典語の代名詞は、人称代名詞と指示代名詞の2つに大別されます。
1) 人称代名詞
人称代名詞とは、私、僕、君、あなた、彼、彼女 にあたる言葉を言います。
古典語の人称代名詞は以下のとおりです。
|
単数 |
複数 |
一人称 |
ji 私 |
jies 私たち |
二人称 |
ni あなた、君 |
nies あなたがた、君たち |
三人称 |
ti あの人(彼、彼女) |
ties あの人たち(彼ら、彼女ら) |
四人称 |
it それ、それら(例外として、「四人称」は、単・複同形です) |
三人称のti (tes)は、男性・女性の区別がありません。
「彼」と強調したいときは"ti nam"(namsong「男」から)、「彼女」は"ti yo"(yosong「女」から)。
強調した場合、呼びかけに使うことが出来ます。
四人称のitは前に一度出てきた語、句、節の代わりをします。
上記のほかに、不定代名詞のpies(一般的な人々)があります。
(代名詞ではありませんが、近いものとしてmism「自身」という語があります。
この語は、「再帰代名詞」と同じ働きをします)
Ji nies kom sadek wehder kerol. 私は君たちと友達になりたい。
Sey, ni ! ねぇ、君!*(左より少し乱暴ですが「Yah, ni ! おい、君(お前)!」)
Jies ti kom Fuji (van) goras in pehner. 私たちは彼と一緒に富士山に登るんです。
Eze kray van pes kom lafnap fazer ! この国の人々と明日を作ろう!
Ti qi, mah? あの人はだれですか?
Ji ti saranger. Ti mism it bilmer aw no bilmer, ji os blemmeri tepli sonrisast.
私は彼女を愛している。それを彼女(自身)は知ってか知らずか、私をちらっと見て優しく微笑んだ。
2) 指示代名詞
指示代名詞とは、これ、それ、あれ などにあたる言葉を言います。
古典語の指示代名詞は以下のとおりです。
|
単数 |
複数 |
近称 |
ez これ |
ezes これら |
遠称 |
az それ、あれ |
azes それら、あれら |
近称とは、対象となるものが物理的あるいは心理的に近い場合に使います。
それに対して遠称は、ある程度距離がある場合に使います。
遠称のaz(azes)は、「それ(ら)」とも「あれ(ら)」とも解釈できますが、
そのわずかな差異よりも、近称のez(ezes)と、区別して使うことが重要です。
また、名詞の前につけて「この本」、「あの花」などと表す場合は、形容詞語尾の-eをつけます。
Ez et ez darer wilol. これとこれをください。
Azese kitap ni van? あれらの本は君の?
9.動詞*
動詞とは、一般的に動作や状態を表す語です。
機能別に一般動詞、代動詞、存在動詞、否定動詞の4種類があります。
*日本語では動詞によって「与格」か「対格」で表しますが、古典語ではすべて「対格」で表します。
また、自動詞・他動詞による語尾の変化はありませんが、他動詞の場合は主語がなければ代わりに
ser を文末に置きます。このときの ser に意味はありません。
1) 一般動詞 -er
「話す」や「知っている」といった一般の動詞です。
動作動詞、状態動詞などがこの種類にあたります。
Ji xanter. 私は歌う。
Ti kitap olver. 彼女は本を読む。
Ji ti bastanti sant lati. 彼女を十分に眠らせておいた。
2) 代動詞 der
同じ動作を表す動詞の代わりや、ある動作を表す動詞の代わりに使う動詞です。
Kolnap ni aze kaban brenger? 毎日君はそのかばんを持ってくるの?
―Ken, der. /Ken, brenger. ―はい、持ってきます。
・aser と iser について
この2つの動詞はどちらも「ある動作を表す動詞の代わり」となる動詞です。
ただ、両者それぞれ用法が異なります。
aser は「ある物事にプラスに働く動作」の代わりをします。
「電気をつける」、「傘を差す」、「本を開く」などがそうです。
一方、iser は「ある物事にマイナスに働く動作」の代わりをします。
先の例とは反対に、「電気を消す」、「傘をたたむ」、「本を閉じる」などです。
話し手と聞き手との間で対象物が何であるかを理解しているときなどに使うことが出来ます。
また、「対象物」を明記することで一般の文章にも使えます。
3) 存在動詞 ser
「ある」、「いる」といった存在を表す動詞です。
一応、コピュラ(~です)として使うことはできますが、基本的に省略します。
なお、人(生き物)か物かといった区別はありません。すべてserで表します。
Azi gato dos ser. あそこに猫が2匹います。
Ji vraq (ser). 私は医者です。
4) 否定動詞 ner
「ある」、「いる」や「する」(der,ser)の否定を表す動詞です。
Ah ! az yesqi ser? ―Nem, ner. あ!それまだある?―いいえ、ありません。
Ni lihas komer, mah? ―Nem, ner. /Nem, no der. /Nem, no komer.
あなたはお肉を食べますか?―いいえ、食べません。
10.相
古典語の相はすべて時制の延長・補助となる機能語で、分離接辞で表します。
相は動詞の直前に置きます。
受動態と組み合わせるときは"an + 相"の形で表します(「経過」の受動態はankum)。
また、否定を表す no も同じ形で表します(「完了」の否定はnoget)。
将然 sav:ある動作や状態の「する前」を表します。(~しようとしている)
Yaw, ti sav uhser, mas no der puvol. おや、彼泳ごうとしているよ、泳げないのに。
開始 kat:ある動作や状態の「する瞬間」を表します。(~し始める)
Bebek mosti kat sant. 赤ちゃんは今眠ったところよ(眠り始めた)。
経過 kum:ある動作や状態の「している間」を表します。(~している)
Mosti ji sadek al surat kum piser. 今友人に手紙を書いているところです。
完了 get:ある動作や状態の「した瞬間」を表します。(~し終わった)
Ohf ! Finali get kamst ! ふぅ~!やっと食べ終わった!
影響 tok:ある動作や状態の「した後」を表します。(~した後)
Tok kamst mosti no layer ! 食べた後すぐ横にならないで/寝ないで!
*未然は「経過」か「完了」の否定で表します。
11.時制
古典語の時制には過去と非過去(現在形)の2種類あります。
過去形は語尾 -ast を -er の代わりに付けます。
*66の動詞は過去形を不規則に表しますので下に一覧表を載せておきます。
God insan xaffer et, insan pop fazer.
神は人を創り、人は人形を作る。(現在=非過去、無時制)
Iknap ji kitap sact.
昨日私は本を買った。
Lafay ji van sadek kom Fransal in iker.
来月友人とフランスに行くんです。(未来を表す語尾はトラブ語には存在しません)
不規則動詞一覧
ander (anst) |
bilmer (balmt) |
brenger (brankt) |
broser (brast) |
darer (dart) |
der (dast) |
direr (dirt) |
fahrer (fahst) |
faler (falt) |
fazer (fazt [fast]) |
haber (habt [hapt]) |
horer (hart) |
iker (ikt) |
ipter (ipc) |
ister (isc) |
jater (jact) |
kaper (kapt) |
kirer (kirt) |
komer (kamst) |
koxmer (kaxmt) |
krater (kract) |
later (lact) |
laver (lavt [laft]) |
legder (lakc) |
lehrer (lahrt) |
lexver (laxft) |
mayer (mayst) |
mirer (mirt) |
muger (makt) |
naker (nakt) |
ner (nast) |
norer (nart) |
numer (namt) |
olver (alft) |
pager (pakt) |
penser (panst) |
perder (parct) |
pider (pict) |
piner (pint) |
piser (pist) |
plaser (plast) |
poner (pant) |
poymer (paymt) |
qekmer (qakmt) |
qister (qast) |
quyer (qayt) |
raker (rakt) |
sager (sagt [sakt]) |
sahber (sahbt [saːpt]) |
sater (sact) |
sener (sant) |
seqmer (saqmt) |
ser (sast) |
seter (sect) |
songer (sankt) |
spender (spand [spant]) |
tater (tact) |
tener (tanst) |
tomer (tamt) |
trefer (traft) |
truver (travt [traft]) |
tunter (tant) |
uhser (uhst) |
valker (valkt) |
winder (wand [want]) |
xanter (xanst) |
12.態*
態とは、動詞の主語に対する関係を表すもので、古典語には能動態と受動態の2つがあります。
受動態は分離接辞 anで表し、動詞の前に置きます。
なお、否定語 no があるときは no と an を一語のように n'an と表します。
・能動態
Ti ji saranger. 彼は私を愛しています。
Namsong ti tappast. 男は彼女を殺した。
・受動態
Ji ti an saranger. 私は彼に愛されています。
Ti namsong an tappast. 彼女は男に殺された。
・使役
古典語の使役は副詞で表します。
総合:sosi、利益:ami、損害:imi、自由:lati、強制:varsi の5種類です。
使役を表す副詞は、動詞の前ではなく、必ず動詞・助動詞の直後に置きます。
Ji ti al likor pint varsi. 私は彼にお酒を(無理に)飲ませた。
Ji ni mortast imi. 私は君を死なせてしまった。
13.助動詞
助動詞とは、動詞に補助的な意味を追加させる機能を持っている語です。
古典語では法性(モダリティ)を表すのに使います。
モダリティとは文が示す内容に対する話し手の判断や心的態度を表します。
助動詞は動詞の後に置き、動詞が過去形であれば助動詞も過去形にします。
puvol(can)基本的な意味:~することができる(能力)
(平叙文)Ji gambar qekmer puvol. 私は絵を描くことができます。
(否定文)Ji Arabas no faler puvol. 私はアラビア語を話せません。
(疑問文)Yah, ni likor piner puvol? おい、お前酒飲めるか?
tongol(must)基本的な意味:~しなければならない(強調)
(平叙文)Ji okul iker tongol. 私は学校に行かなければなりません。
(否定文)Ti al az no lehrer tongol. 彼にあれを教えてはいけない。
(疑問文)Ji piner tongol? どうしても飲まなければいけませんか?
haftol(have to)基本的な意味:~しなければならない(必要)
(平叙文)Ni okul iker haftol. あなたは学校に行く必要があります。
(否定文)Ni no bilmer haftol. 君は知らなくともよい。(知る必要のないこと)
(疑問文)Ji nun ez sater haftol, yah? 私がこれ買う必要あるの?
meyol(may)基本的な意味:~してもよい(許可)
(平叙文)Als ti al lehrer meyol. 彼になら教えてもいいよ。
(否定文)Xaffum os ifrati no tapper meyol. 生き物をむやみに殺してはいけませんよ。
(疑問文)Ji azi ister meyol, mah? そこに座ってもいいですか?
xalol(shall)基本的な意味:~しましょう、~しようよ(勧誘)
(平叙文)Ji kom grahqer xalol ! 僕と一緒に遊ぼうよ!
(疑問文)Ji kom film mireri no iker xalol? 私と一緒に映画を見にいきませんか?
wilol(will)基本的な意味:~してください(依頼、お願い[命令文・婉曲表現])
(平叙文)Eze gambar qekmer wilol. この絵を描いてください。
(否定文)Az os no direr wilol, yah. それを言わないでくださいよ。
(疑問文)Torabas at faler wilol, mah? 古典語で話していただけますか?
* at は「具格(方法・手段)」としても使います。
xudol(should)基本的な意味:~するべきだ、~するのが当然だ
(平叙文)Ni ti ayamarer xudol. あなたは彼に謝るべきです。
(平叙文)Ji penser nayame person pomocer xudol.
私は困っている人を助けるのは当然だと思っています。
wodol(would/used to)基本的な意味:~したものだ
*否定と疑問で意味が大きく異なります。
(平叙文)Ji aze park ka bemi grahqast wodast. 私はあの公園でよく遊んだものだ。
(否定文)Ti okul no ikt wodast. 彼は学校にどうしても行こうとしなかった。
(疑問文)Ti al az darer wodol, yah? それを彼女に贈ったらどうだい?
kerol(want)基本的な意味:~したい
(平叙文)Ji Okinawa el iker kerol. 私は沖縄へ行きたい。
(否定文)Ji ti no faler kerol. 彼と話したくないな。
akol(would like)基本的な意味:~してほしい
(平叙文)Ni al ez xanter akol, yah. 君にこれ(この歌)を歌って欲しいなぁ。
ferol(must)基本的な意味:~のはず、~に違いない
(平叙文)Ti ezi laver ferol. 彼はここに来るはずだ。
(平叙文)Ti ji bilmer ferol. あの人は私を知っているに違いない。
fovol(might)基本的な意味:~するために、~するように
(平叙文)Ji ez kaper fovol ti al bire sekret falt.
私はこれを手に入れるために彼にある秘密を話しました。
(否定文)Quhfang saken at (ni van) palec no kirer fovol zaher.
包丁で指を切らないように気をつけてね。
burol(had better)基本的な意味:~したほうがよい
(平叙文)Ti os qesti sager burol. 彼に正直に伝えたほうがいいよ。
(否定文)Ni no bilmer burol. 君は知らないほうがいいよ。
yadol(be going to)基本的な意味:~するつもりだ
(平叙文)Ji tes al Torabas lehrer yadol. 私は彼らに古典語を教えるつもりです。
14.準動詞*
準動詞とは、動詞と他の品詞(名詞、形容詞、副詞)の機能を併せ持つ派生動詞です。
古典語の準動詞には以下の3種類があります。
1) 動名詞
名詞として使うことができます。動詞語尾に-sをつけて表します。
主に「~する(こと)」と訳します。
Person al no bilmers fragers nun no zavers.
わからないことを人に訊くことは、恥ずかしいことではない(恥ずかしくないことだ)
2) 動形容詞
形容詞として使うことができます。動詞語尾に-eをつけて表します。
主に「~する」「~している」と訳します。
補語になる場合は「~の状態で/に、~を~している状態で/に」となり、
日本語としては普通「~して」「~しながら」などと訳します。
Ti pes al Torabas lehrere person van sadek. 彼は古典語を人々に教える人の友人だ。
3) 動副詞
副詞として使うことができます。動詞語尾に-i をつけて表します。
文によって、以下の意味があります。
目的の意味を表す。「~するために」
Ti sadek pomoceri aray ayn kum dast.
彼は友人を助けるために何でもしていた。
原因・理由を表す。「~して」「~する(した)とは」
Ji ni nun ezi kum lavers bilmeri sorpresast.
私は君がここに来ていると知って驚いたよ。
様態を表す。「~して」「~しながら」
Josef nakeri dirt, "Aynnap salam wehder, yah?"
ジョセフは泣きながら言った、「いつか平和になるかな?」と。
結果へ導く。「~して(すると)」
Ti kitap bir get piseri mosti get sant.
彼女は本を一冊書き終えるとすぐに眠ってしまった。
15.話法*
話法とは、他人が話したことばの伝え方であり、以下3つの話法があります。
1) 直接話法
人が話したことばをそのまま伝える話法です。
Ti dirt, "Ji nun iker." = Ti "Ji nun iker." dat dirt. 彼は「僕が行くよ」と言った。
2) 間接話法
人が話したことばを自分のことばにして伝える話法です。
Ti dirt ti mism iker. = Ti ti mism iker dat dirt. 彼は自分(彼自身)が行くと言った。
3) 描出話法
直接話法と間接話法の中間にあたる話法です。
Ti sonrisere dirt. Ji nun iker ! 彼は微笑みながら言いました。私が行きますよ!
16.形容詞
形容詞とは、「大きい」、「新しい」のように名詞を修飾する語です。形容詞には、
名詞を修飾する「限定用法」と補語になる「叙述用法」の2つの用法があります。
前者は、名詞の前に置き、後者は後に置きます。形容詞の語尾は-eです。
また、(代)名詞が複数・双数であれば形容詞もそれに合わせます(形容詞の一致)。
1) 限定用法
Aze grande hayvan aray? あの大きい動物は何ですか?
Aze sam grandes dentores あの3本の大きな木
2) 叙述用法
Ezeses hayvanes veri pienes. これらの動物はとても小さい。
Eze xirket veri mosene. この会社は非常に古い。
17.数詞*
数詞とは、(数字の)数を表す語で、使い方は他の言語とそれほど変わりません。
1) 1~10,000の数
1 bir 2 dos 3 sam 4 yon 5 bex 6 hat 7 qet 8 pal 9 nof 10 ten
100 pek 1000 mil 1.0000 bir wan
*古典語では4桁ごとに". "で区切ります。以下は、単語での区切り方です。
21 dosten-bir 120 pek dosten 1985 mil nofpek palten-bex
7.9854 qetwan nofmil palpek bexten-yon
2) 0と10,000以上の数
0 nul 1億 bir wok 1兆 bir qow 1京(1兆の1万倍) bir key
*「0(ゼロ)」は0と表記し、「まったく何もない」という意味では、nul-nul(nuli)となります。
9.4608.0000.0000 (9兆4608億) nofqow yonmil hatpek-palwok
1 et 0. 1と0。
Ezi, nul-nul. ここにはまったく何もない。
3) 日常範囲外のあまりにも大きな数(古典語文法とは関係ありません)
1垓(1京の1万倍) bir gay 1秭 bir xih 1穣 bir joh 1溝 bir kow 1澗 bir kan
1正(1澗の1万倍) bir seh 1載 bir say 1極 bir gok
*以下は実際の日本語とは異なる命数で表記しています。
1万極 bir wangok 1億極 bir wohgok 1兆極 bir qowgok 1京極 bir keygok
1垓極 bir gaygok 1秭極 bir xihgok 1穣極 bir johgok 1溝極 bir kowgok
1澗極 bir kangok 1正極 bir sehgok 1載極 bir saygok 1極極 bir gohgok
1永 (10100) bir gohgol 2永 (10200) dos gohgol 10永 (101000) ten gohgol
*gohgol は10100を単位とします。
4) 数詞を使った主な表現・1(時間表現)
標準(24時間制)
0 : 00/24 : 00 dosten-yone cayt
1 : 00 bire cayt
1 : 10 bir et ten (正式にはbir et tene cayt)
2 : 15 dos et ten-bex/dos et ervah
8 : 30 pal et samten/pal et ihban
14 : 37 ten-yon et samten-qet
17 : 45 ten-qet et yonten-bex/ten-qet et samervah (15分が3つで45分)
23 : 52 dosten-sam et bexten-dos
その他(12時間制)
午前 1: 00 bir a.m. (bire cayt)
午後 1: 00 bir p.m. (ten-same cayt)
*a.m.は"ahm"、p.m.は"pahm"と読みます。
15分はervah、30分はihbanと置き換えることができます。
5) 数詞を使った主な表現・2(その他)
序数、分数、倍数、群数の表現
序数:-e (bire ある、第一の) |
分数:-am (samam dos 3分の2) |
倍数:-ed (tened 10倍) |
群数:-ut (dosut 一対の) |
年月日の表現
2006/11/1(水) ten-bir ay bir nap dosmil-hat(nian), dey yon 11/1/2006(Dy.4)
18.副詞*
副詞とは、動詞・形容詞・副詞・文などを修飾する語です。副詞の語尾は-i です。
副詞には、本来副詞と派生副詞の2種類があります。
前者は場所・時間・様態・程度などを表し、後者は他の品詞から派生した副詞をいいます。
ここでは、使用頻度の高い副詞をいくつか例に挙げます。
Ti sudeni azi ser? 彼はもう(すでに)あそこにいるのですか?
Ni sempri kahse, kah? 君はいつも怒っているな(そうだろ?)。
Ez monosi? Baxki ner, yah? これだけ?他にはないの?
Varmi ti dirt, "Ji nun tappast." 確かに彼は「俺が殺した」と言いました。
Eze Ji glatti, aze kitap noget alft puvast. この私でさえ、あの本を読み終えることは出来なかった。
Als ti ihci kat faler, hayli noget faler.
彼に喋らせたら(彼はいったん話しだしたら)なかなか(話し)終わらないぞ。
副詞ではありませんが、必要に応じて名詞や後置詞などの語が副詞と同等の機能を持つことが
あります。時を表す名詞(昨日、来年など)がそうです。
これらの場合、その品詞の「副詞的用法」として、副詞語尾はつけません。
また、本来副詞の場合であっても音調を整える理由で語尾がない語もあります。
(aynnap, ayndihfang「どこか」 など)
19.比較*
比較とは、2つ以上のものの程度・数量・性質などを比べるといった表現です。
古典語には、優劣比較、同等比較、最上比較の3種類があり、接続詞で表します。
・優劣比較(kuyn)
(肯定文)Yuki jammale kuyn ti yo. ユキは彼女よりも美しい。
(否定文)Ti yo no jammale no kuyn Yuki.
彼女はユキよりは美しくない。(ユキの方が美しい)
・同等比較(seym)
(肯定文)Ti alte seym John. 彼はジョンと同じくらい背が高い。
(否定文)Ti no alte no seym John. 彼はジョンと違って背は高くない。(ジョンの方が背が高い)
・最上比較(mays)
Yuki jammale yosong mays eze vahros in. ユキはこの町で一番美しい女性だ。
・対比について
seymi (と同じく)とtaruni (と違って)を使った表現を例に挙げます。
この2つの語は副詞の後置詞的用法として使っています。
Ti ji seymi male. 彼は私と同じく悪かった。
Ti ji taruni male. 彼は私と違って悪かった。
Ti ji seymi no male. 彼は私と同じく悪くなかった。
Ti ji taruni no male. 彼は私と違って悪くなかった。
20.後置詞*
後置詞とは、名詞の働きをする語の後ろに置いて、その名詞と他の語をつなぐ働きをする語です。
使用頻度の高い後置詞をいくつか例に挙げます。
Japanal iz Amerikal el 日本からアメリカまで
10 : 00 a.m. iz 10 : 00 p.m. hasta 午前10時から午後10時まで
Temtorabas noyn 古典トラブ語について
Aze dentor neben aynperson ser. あの木のそばに誰かいる。
Ti aydan ni episi deri ! 彼に加え君までするとは!
Maktab bon 机の上(に接して)
Maktab nad 机の上(で離れて)
Maktab in kitap ser. 机の中に本がある。
Grande dentor pod 大きな木の下
Ni piso aynperson ser ! 君の後ろに誰かいる!
21.接続詞*
接続詞とは、語・句・節をつなぐ働きをする語です。
機能別に等位接続詞、従位接続詞の2種類があります。
1) 等位接続詞
語・句・節を対等の関係でつなぐ接続詞です。
Tes et ji maysi team ! 彼らと私は最高のチームです!
Nam van test grande mas Yorgos piene. ナムは体が大きいが、ヨルゴスは小さい。
Eze kaban ni van aw ti van? このかばんはあなたのですか(それとも)、彼女のですか?
*音調は"ni van? aw, ti van?"といった感じで言います。
2) 従位接続詞
文中に名詞や副詞の働きをする節(従属節)とその主節をつなぐ接続詞です。
名詞節を導く接続詞(dat は、話法構文にも使えます。日本語の「~と」に当たります)
Ti aynding afreyde dat varmi. 彼が何かに恐れていたことは確かです。
Ti ji saranger apakah ti mism frager kerol.
彼女は私を愛しているかどうか(彼女自身に)訊きたい。
副詞節を導く接続詞(副詞由来、後置詞由来などの接続詞もあります)
10 nap dopo ji sadek kom Hawaii in iker. 10日後私は友達とハワイへ行く。
5 nap antes ti monosi Japan in lavt. 5日前、彼は一人で日本に来ました。
10e cayt hasta kamas el iker/layer. 10時までに寝なさい(ベッドに行きなさい)。
Ti katun ji episi jammali wehder kerol. 彼女のように私も(また)美しくなりたい。
Iknap, ji kitap kum alft qeni, ni aray kum dast?
昨日私が本を読んでいたとき、あなたは何をしていましたか?
Aze nap sejak, ti gambar no qekmwehdast.
あの日以来、彼女は絵を描かなくなった(描かない状態になった)。
Ji okul kum iker saht, ti ji van pisere kitap hayli get alft.
私が学校に行っている間に、彼は私の(が)書いた本をすっかり読んでしまった。
Ni bilmett dahi, koska... 'koska' direre nuli !
君は知りすぎてしまった。だから…「だから」といってまったく何もない!
Ji it bilmett als, ni monosi no lehrer.
私がそれをたとえ知っていたとしても、あなたなんかに教えない。
Ji ni konomer dow, ni ji no konomer.
私はあなたを好きだけれども、あなたは私を好きではない(気に入ってない)。
22.疑問詞*
疑問詞とは、「だれ」、「なに」、「どこ」にあたる語です。
古典語には、以下の7種類があります。英語と異なり、疑問詞は文のどこにでも出てきます。
Ti qi, mah? あの人はだれですか?
Ni van kitap quz, mah? あなたの本はどれですか?
Felnap quzi sast, yah? おとといはどこにいたの?
Ti Tokyo el iker dat qeni, mah? 彼女が東京へ行くのはいつですか?
Qadi ti tappast ! Qadi ! なぜ彼を殺した!なぜだ!
Az posi kitap? それはどういう本ですか?
Yah ! ezi aray kum der ! おい!ここで何している!
23.間投詞*
間投詞とは、感情の起伏によって無意識にでてくることばです。
概ね、英語や日本語との意味に差がない語
ah ああ、あ!、あー… oh お!、おお! eh え?、えー…
hmm ん~… ha/hah は!、はん!、はぁ? uh う!、うう、うー…
yaw (英語でwell、日本語で「おや」) yay (強い痛みや熱さを感じたときに発する)
san (行為者に対して好感を示す。日本語で「~してくれた」のような意味。文末に置く)
sin (行為者に対して嫌悪感を示す。日本語で「よくも~してくれた」のような意味。文末に置く)
使い方が日本語や中国語に近い語
mah (疑問文の文末に使って「~ですか?」と丁寧かつ明確に伝えることが出来る)
kah (相手の同意を誘う「でしょ?」など。目上の人に対しては lah のほうが良い)
nah (日本語で「じゃあ/では」のような表現)
yah (呼びかけでは「おい」。それ以外では語気を和らげるなど一番用途が広い)
lah (文末に置くことで語気を和らげ、yah よりも婉曲的な意思を伝えることが出来る)
leh (文末に置き、依頼・提案をはじめとする命令を婉曲的に伝える)
24.接辞*
接辞とは、ある語の前や後にくっついて、その語の意味を限定したり変化させたりする
機能語の一つです。接頭辞、接尾辞、分離接辞の3種類があります。
1) 接頭辞
単語(語幹)の最初につける接辞です。
nem- (元の語から反義語を作ります) [nem- konomer] nemkonomer 嫌う
re- (「再度」「再び」を表します) [re- fazer] refazer 作り直す、改造する
tem- (「とても古いもの」を表します) [tem- torabas] Temtorabas 古典トラブ語
2) 接尾辞
単語の終わりにつける接辞です。品詞語尾などの「語尾」とは区別します。
-al (「国」を表し、国名を作ります) [japan -al] Japanal 日本(国)
-and (「程度の大きいもの」を表します) [kray -and] krayand 大国、大国家
-as (「語」を表し、言語名を作ります) [torab -as] Torabas トラブ語
-av (「子」「子孫」を表します) [xirket -av] xirketav 子会社
-en (「程度の小さいもの」を表します) [hayvan -en] hayvanen 小動物
-im (「民族」「国民」「人」を表します) [amerik -im] Amerikim アメリカ人
-iv (正しくは接中辞。「強制的な使役」を表します) [ist -iv- -er] istiver 座らせる
-od (「所」「館」「家」など、場所を表します) [film -od] filmod 映画館
3) 分離接辞
本来は接頭辞、接尾辞だったものが、表記上の問題で分離した接辞です。
*「相」を表す分離接辞は別途に記載しています。
an (動詞の前に置いて「受動態」を作ります) [an + saranger] an saranger 愛される
no (単語の前に置いて「否定」を表します) [no + laver] no laver 来ない
動形容詞や動副詞が「(否定)受動態」の形をとる場合は以下のようになります。
pomocere person 「助ける人」を例にしますと、
an pomocere person 「助けられる人」
n'an pomocere person 「助けられない人」
「助けない人」は、no pomocere person となります。
25.文*
文には、平叙文、疑問文、命令文、感嘆文があります。
ここでは、以上の文について簡単に説明します。
1) 平叙文
事実をありのままに表す文。文末は". "で終わります。
最も一般的な文で、特に注記することはありません。
2) 疑問文
疑問を表す文。ほとんどの文で"?"がきます。
疑問詞を含む(特殊疑問):疑問詞はどこにでも出てきます。
疑問詞を含まない(一般疑問):平叙文の終わりに"?"や"mah/yah?"などを置きます。
間接疑問:名詞節の一つです。本質的には「一般疑問」と同じです。
付加疑問:平叙文に"..., kah?"の形で表します。肯定文・否定文での区別はしません。
修辞疑問:形式上の疑問文で、日本語では「反語的に」訳したり、平叙文にもなります。
3) 命令文
命令・禁止などを表す文。通常、主語は省略します。
助動詞を使った「依頼」や「勧誘」といった表現も命令文のひとつです。
4) 感嘆文
強い感情を表す文。ほとんどの文で文末に"! "がきます。
形式上では、"Aray (なんという) + (形容詞) + 名詞 ! "と
"Posi (なんて~だろう) + (形容詞/副詞 + 動詞) + 名詞 ! "となりますが、
それほど「形式」という言葉に固執する必要もありません。
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