『この記事5、6万PVはカタいな…』
そんな力作がだだスベりした経験ないですか?
何時間もかけて書いた長文が全然読まれないとやる気がなくなりますよね!
読まれる記事を書くために、このブログでも『ネタ出し』や『記事構成』のノウハウを紹介してきました。
しかし、せっかく『コンテンツの質が高い』記事を書いても、読みづらければすぐに離脱されてしまいます。
そこで今回は、初心に戻って『読みやすい文章の作りかた』についてまとめていきます。
”読みづらい記事の例”には、以前いただいたミドノンさんの寄稿記事を引用させてもらいました!(了承済み)
ミドノン
東海地方出身、関西在住の社会人1年目(25歳)
製造業で働きながらブログ書いてます。
ブログ:http://www.midonote.com
Twitter:@LearnMidonon
自分の記事を読みなおした時、どこを修正すれば読みやすくなるのか?
ボコボコに添削しながら解説していきます!
目次 [hide]
わかりづらい文章の特徴
少しアカデミックですが、彼には『化学工学専攻の勉強内容とキャリアプラン』についてサブブログに寄稿してもらいました。
この記事のターゲットは研究者や大学生。
『研究者向けなら難しい文章でも良いじゃん』
そう思うかもしれませんが、優秀な研究者ほど”素人でもスラスラ読める”記事を書くものです。
まずは、どんなジャンルにも共通するダメなライティングから紹介していきましょう。
就職に困らない?化学工学専攻のリアルとは|大学生活から就職までの体験談
『、』いくつ使うの…? 1文が長い&いらない表現が多い
繰り返しになりますが、化学工学はプラントを作るための学問です。
そのため、授業で学んだ例題とほとんど同じようなことを業務でもやることになります。
少なくとも、今の私の業務はそんな感じです。
触媒化学や分析化学が専門だった友人は、配管の計算などをするための基礎事項を勉強するのに苦労していましたが、私は「あ、これ授業でやったところだ」とすんなり業務に入ることができました。
プロセスと理由が『正しい日本語』で書かれています。
ただ、読みものとしては正直クドいですね…
とくに最後のフレーズは1文が長いので、少しスリムにしましょう!
プラントエンジニアになると、授業で学んだような計算、実験がそのまま活用できることも多いです。
私の場合は、触媒化学や分析化学が専門だった友人と比べて、スムーズに業務に入れました。
削りすぎでは?と思うかもしれませんが、元の文を要約すると、
→他分野の友人は苦労した
→私は楽だった
伝えたいことはこれだけです。
『情報量をキープしたまま、できるだけ少ない文字数で表現する』ことがポイント。
本当に優れたコンテンツなら、数千字もある記事に、余計なフレーズを書くスペースなんてないはずです。
”エモい感じ”を表現したいなら、ユニークな言葉や”あえてムダな文章”も使いたいですけどね。
ちなみに、
”本当にコンテンツが優れているなら”
”本当に優れたコンテンツなら”
これだけで3文字削れました。
同じ内容をくりかえしている
化学工学の授業では何を学ぶの?
さて、「化学工学がどんな学問か」を理解していただいたところで「化学工学は何を学ぶのか」をお伝えします。
究極的に言っちゃえば「プラントを作るために必要なこと」を色々と学ぶのですが、それだけでは不親切なので、化学工学の授業について説明します。(①)
化学工学の授業も有機化学や無機化学など(②)、他分野と同じように座学と実験の両方があります。
②頭でっかちになるので、”他分野(有機化学や無機化学など)”に変更
『同じことを何回も言っていないか』
僕もやりがちなので、リライトでゴリゴリ削っていきます!
(初期の記事に多いので直さないと…)
読者に印象付けるための『意図あるリピート』ならOKです。
ただし、それが文字数を稼ぐためだけの文章なら即削除!
コンテンツが薄い記事ほど見られるテクニック(?)です。
文字数が少なくてGoogleの評価が気になるなら、文字数ではなくコンテンツ、情報を増やす方法を考えましょう。
むしろ短いままの方が読者が離れず、良い結果になるかもしれません。
無意味に難しいフレーズを使っている
高学歴というより『頭を良く見せたい人』『プライドが高い人』ほどやりがちです。
わざわざ難しい表現を使って、むしろ読みづらくなっている記事。
心当たりがある人も多いのでは!?(ブーメランが額に当たって死亡)
「化学」と聞いて思い浮かべるのは「現象がなぜ起こるのか」「どのようにして起こるのか」という「ものごとの理(ことわり)すなわち、原理・原則を明らかにするもの」だと思います。
ここでは化学工学という学問の概念を…
おっと、”化学工学のコンセプト”を書いてくれました。
これだと難しそうなことが書いてある割に、フワッとしていて伝わりません。
そこで、難しい表現を削りつつ、実例をプラスしてみました。
一般的に「化学」というと「現象がなぜ、どのよう起こるのか」という「原理・原則を明らかにするもの」がイメージされがちです。
例えば、医薬品メーカーでは薬学、有機化学などのプロが『新しい医薬品はどうやって合成されるのか』を研究しています。
イメージしやすくなりましたね。
記事を書く目的が『なんか頭の良さそうな人』とアピールしたいだけならOKです。
広辞苑でも読みながら好きに書きましょう。僕は読みませんが。
ただ、アクセスを増やしたり、多くのターゲットにリーチさせたいなら、
『この表現に1番カンタンな言葉はなんだろう』
とイメージしながら書いていきましょう。
文章を読みやすく変えるには?
こういった”ムダ”を削るだけでかなりスッキリするはずです。
大切なのは、読み返したときの”違和感”をどう捉えるか。
読みづらくない?
クドくない?
同じことを言っていない?
なんか表現ダサくない?
話が散らばっていない?
結局何が言いたいの?
これらを解消するだけで自然と文章はまとまります。
ここからはオマケとして、少しの工夫で見栄えが良くなるテクニックを紹介します。
『ということ』何回使ってる?単語の入れだけでスッキリ
前章でこう書きました。
ちなみに、
”本当にコンテンツが優れているなら”
”本当に優れたコンテンツなら”これだけで3文字削れました。
ゲーム感覚で『文字数削減チャレンジ』をやってみましょう!
彼の寄稿文では…
プラントの設計をするために使う計算
→プラント設計に使う計算すんなり業務に入ることができました
→すんなり業務に入れました就職ということだけを考えると
→就職だけを考えるとどのような設計が1番利益が大きくなるのか
→1番利益が大きくなる設計とは
などなど…
例えば、思考をそのまま文章にしていると、
”することが可能です。”
のような文章を作りがち。これは『できます』でOKですよね。
『すること』『ということ』など、”こと”を使った名詞句は、ムダな表現がほとんど。
少し文法を変えるだけでも文章はスッキリします。
ひらがなとカタカナと漢字
ムダを削っていると、どうしても漢字の割合が増えがちです。
そこで、あえてカタカナやひらがなに変えるのも立派なテクニック。
出来る ⇔ できる
の時期に… ⇔ のシーズンに
などなど…
統一感を崩さない程度に、読みやすいバランスで調整しましょう。
出来る、できる、出来る、できる…では統一感が宇宙に行ってしまいますからね。
箇条書き、図表、ボックスデザインのポイント
どんなジャンルでも『読者は記事を全部読まない』と意識しましょう。
僕も流し読みばかりです。
まさか、自分のブログに限って『一言一句読んでくれる読者』ばかりだと思ってないですよね?
そんなライトユーザーを引きつけるのが、箇条書き、ボックスデザイン、図表、写真など…
ポイントは『それを見れば内容がわかる』こと。
優れたブロガー、ライターは、それぞれ得意な方法で表現しています。
僕はわりと図表を使いがちですが、ボックスデザインなどは苦手です…
箇条書きに関しては、このツイートがわかりやすいですね。
紹介されている『超・箇条書き』は僕も愛読しています。
さて、寄稿してもらったミドノンさんの記事にも箇条書きがありました。
まず座学の方についてですが、プラントの設計をするために使う計算の勉強が多いです。
例えば次のようなものがあります。
- 原料タンクから反応器まで液体を輸送するポンプに必要な力はどれくらいか
- 熱交換器を使って液体を加熱する際、どのくらいの性能が必要となるか
- 混合物を蒸留によって分離するために必要な段数と還流比はどれくらいか
というような計算を行うのです。
ほかの分野の演習問題に比べて実践的だと感じませんか?
直しがいがある文章ですね(^p^)
ボリュームがありすぎて、箇条書きの意味がありません。
講義のメインはプラント設計に必要な知識。
例えば、反応式の立て方や計算などはかなり多くなります。
- 液体の輸送に関する計算
- 加熱に必要なスペックの計算
- 混合物を分離する条件の計算
などなど…
これらは上から流体力学、熱力学、分離工学で学ぶ分野でもあります。
化学工学は、色々な学問をプラントをつくるためにまとめ上げる学問。
そのぶん、実践的な知識が身につきますね。
これだとどうでしょう。
- 箇条書きの構造化
- 長文を分割
- 文章のスリム化
- 情報の補足
を実践してみました(もう少し良くなりそうですが…)
過剰な情報をカットして、不足情報を後付けしています。
とにかく一度読み返すこと。
そこで違和感をしっかり直せるかどうかが成長するポイントです。
【ポイント】自分のターゲットに合った文章を作ろう
『難しい文章=ダメ』ではない
さて、僕はこの雑記ブログとは別に、少し専門性を上げたサブブログの2つを運営しています。
それぞれターゲットが違うので、文章の作り方や流れ、ワード選択も変えないといけません。
サブブログでは専門知識もたくさん扱います。
気をつけないと『論文かな?』みたいな記事になることも。
いっそのこと論文調にしてしまうのも1つのアプローチ。
もしターゲットが研究者なら、ひらがなばかり使っていると低レベルなメディアだと思われるでしょう。
『記事のターゲットにレベル感を合わせる』
これを実現できるかどうか、腕の見せどころです。
稼げる順:わかっている上級者>初心者>わかっていない上級者
『初心者ほどわかりやすくて良い(稼げる)記事が書ける』と言う人もいます。
→”上級者”の記事は難しすぎてビギナーが離れやすい
→近い目線のビギナーや中級者が書く記事の方がリーチしやすい
という話です。
下図のイメージでしょうか。
これは半分正解、半分まちがいです。
確かに『自分と同じレベルの記事しか書けない』ブロガー同士で比べれば、初心者の方がアクセスを稼げるでしょう。
底辺層ほど数が多いのはどのジャンルも同じです。
しかし、本当に『わかっている上級者』は、専門知識を持ちながら、初心者目線のコンテンツも作れます。これが最強!
しかし、知識がない初心者は上級者向けの記事を書けません。
住み分けできているようで、インプットをサボればいつ駆逐されてもおかしくありませんね。
ただ、上級者向けの記事しか書けない上級者が多いのも事実。
ここにアンテナを張っていければ、コア層からビギナーまで地引き網のようにリーチできるメディアが完成します。
おわりに
ハイレベルな環境にいるエリートほど、ビギナー向けの記事をショボく感じてしまうもの。
ただ、そういう人が書くコンテンツが魅力的か?と言われると違いますよね。
良いメディアでは、上級者までカバーできるコンテンツと、ビギナーでも読みやすい文章が両立されています。
ブログライティングに限らず、論文や報告書、メールなどどんなメディアでも同じです。
自己満なのか、見せるメディアを目指すのか。
自分にあったライティングスキルを磨いていきましょう。それでは。