9日午前9時ごろ、沖縄県うるま市伊計島の西海岸の「大泊ビーチ」近くで、米軍普天間飛行場所属の輸送機MV22オスプレイの部品が見つかった。在沖米軍は9日、本紙の取材にオスプレイが海上で部品を落下させたことを認めた。けが人など被害の情報はない。米軍は部品脱落の原因などを明らかにしていない。米軍は8日には部品落下の事実を認識していたが、日本側には通報していなかった。通報体制の在り方に批判が出ている。
米海兵隊は、搭乗員は海上で部品を落下したと報告しているとしている。原因は調査中だという。9日午前、ビーチを清掃していた従業員の男性(60)が水際から約7メートルの浅瀬に浮かぶ漂着物を見つけ、引き上げた。部品は重さ13キロで、縦70センチ、横100センチ、幅65センチの灰色の半円形。オスプレイの右側エンジン、空気取り入れ口の部品という。沖縄防衛局が9日午後、現場から部品を撤去した。
別の従業員によると、8日午後、米軍ヘリがビーチ近くの海上を低空で飛行し、何かを探している様子だったという。
防衛局は8日午前の調査で、普天間に戻ってくる部品のないオスプレイを撮影。9日午後、米軍に写真を示したところ認めた。
小野寺五典防衛相は9日、記者団に「通報があってしかるべきだ」と述べ、日本側に直ちに情報提供がなかった経緯の説明を、米軍に求める考えを示した。
中嶋局長は、在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官に遺憾の意を伝え、原因究明などを申し入れた。伊計島で伊計自治会の玉城正則自治会長に謝罪した。
県は9日午後、在沖米海兵隊に抗議し、オスプレイの飛行停止を要求。翁長雄志知事は記者団に「強い憤りを禁じ得ない」と述べ、在沖米軍の全航空機の緊急総点検、整備、安全管理体制の見直しなどを改めて求めた。県内各地で普天間所属機の部品落下や不時着などが相次ぎ、普天間飛行場の即時運用停止を要求する声が強まりそうだ。