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福井4日ぶり特急再開、安堵と不満 JR北陸線
JR北陸線の特急「サンダーバード」「しらさぎ」の運行が四日ぶりに再開した九日、JR福井駅には連泊を余儀なくされた県外からの出張客や観光客らが詰め掛けた。ようやく帰途に就けることに安堵(あんど)の声が聞かれた一方、運転再開が遅れたことへの不満も上がった。 七日には東京へ戻る予定だった千葉県鎌ケ谷市の会社員中村亮太さん(28)は「ホテルの部屋でのパソコンとのにらめっこから解放されるので、ほっとする」と笑顔を見せた。 六日に帰る予定だった茨城県の五味憲一さん(69)は、ノーベル文学賞を授与されたカズオ・イシグロ氏の「わたしを離さないで」を読み切ったという。「コンビニに商品がなくなっていき、飲食店も閉まっていたため、食べ物がどうなるか心配だった」と振り返った。 七日に帰る予定だったのが、この日まで連泊することになった千葉市の塾講師吉田克俊さん(47)は「部屋でのんびりしたり、温泉に入ったりして日頃の疲れを癒やせた」と笑いつつ、特急の四日ぶりの運転再開に「昔住んでいた北海道では電車も動いていた。これをきっかけに除雪対策にもっと力を入れるべきでは」と指摘した。 同じく七日に帰る予定だった滋賀県草津市の会社員増田浩二さん(46)もホテルに缶詰め状態だった。「想定外の大雪とはいえ、予報で分かっていたのだからJRには対策をしてほしかった」と不満をあらわにした。 石川県小松市のアルバイト根本青空さん(19)、中学生のあさひさん(14)姉妹は五日夕、福井市中央一のテアトルサンクで舞台のライブビューイングを見るために来県。日帰りの予定が四泊することになり、親にお金を振り込んでもらった。「学校では今日から授業が始まった。ついていけるかな」と心配そうだった。 駅西口でタクシーを待つ列に並んでいた金沢市の会社員松下敏夫さん(57)は八日夜、福井市で入院中の母が亡くなったと連絡を受けた。「昨日中に駆け付けたかったが無理だった。運休の決定が早すぎるのではないか。(天気の状況を見て)臨時列車を出してほしかった」と悔やんだ。 (小川祥、坂本碧) 今、あなたにオススメ
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