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ビジネス

アメリカのスタートアップ企業は上場を望まなくなっている 11

ストーリー by hylom
いっぽう日本は上場ゴールを目指した 部門より
taraiok曰く、

以前の米国では、新規公開株(IPO)はスタートアップ企業の目標の一つだった。しかし、最近はスタートアップがIPOを避ける傾向にあるという。全米経済調査局によると、1997年には7500社を超える米国企業が米国に上場していたのに対し、約20年後の2016年にはその数が半分以下の3618社にまで減少しているという(QUARTZSlashdot)。

スタートアップ企業がIPOを嫌うようになった大きな理由の1つに、IPOが企業に必ずしも利益をもたらすものではなくなったという点がある。株式公開のメリットは、資金調達が容易なことだ。しかし、現代の米国は工場など設備投資の必要の少ない「サービスおよび知識ベース」の経済に移行している。2002年には、平均的な企業の研究開発支出が設備投資を初めとする資本支出を上回っており、知識ベースの無形資産の重要度が高まっていることが分かる。

問題はIPOにおける企業内容開示が、無形資産重視の企業には不向きな点だ。米国の証券法では、企業は自分たちの活動を詳細に開示する必要がある。しかし、スタートアップ企業にとっては、情報開示は競合他社に利益をもたらす可能性が含まれる。工場は盗むことはできないがアイデアは簡単に盗まれてしまうためだ。

米国上場企業の会計基準にも問題があるという。GAAPと呼ばれる会計制度は、新規設備資産に対する支出を収益性に影響を与えないものとして扱う。一方で無形資産(研究スタッフ、従業員教育、ブランド構築など)を、企業の収益性を損なうコストとみなす。この結果、公的投資家が企業の価値を評価しにくくなっている。

こうした結果、スタートアップ企業はIPOを避けて資金調達はベンチャーキャピタルに依存するようになってきている。しかし、その結果、一般的なアメリカ人が有望な企業に投資する機会が狭まっているとされる。ベンチャーキャピタルを運用する裕福層のみが有望なスタートアップ企業に投資することが可能になり、米国の富裕格差を悪化させる結果に繋がっているとしている。

関連リンク

  • by Anonymous Coward on 2018年02月09日 16時52分 (#3358888)

    >しかし、その結果、一般的なアメリカ人が有望な企業に投資する機会が狭まっているとされる。

    T/O

    ここに返信
    • by Anonymous Coward

      日本のメディアがファンドや銀行から広告料もらうために上から目線で「日本人はタンス預金せずにアメリカ並みに株投資しろ」って言うためだけに必要なんじゃない?

    • by Anonymous Coward

      アメリカ人に限らず投資せにゃ儲からんのは間違いなかろう。
      儲からんのがダメだと思わないならまぁいいんじゃない?

    • by Anonymous Coward

      投資しないとダメじゃないけど、
      無駄に銀行に金を寝かせとくだけのアホみたいなことはしない傾向が高いから、金持ちしか投資機会がないのは不公平ってことだろ。

      ちなみに、家計の資産構造
      日本は、現金・貯金が51%、投資が16%、残りは保険など。
      米国は、現金・貯金が14%、投資が52%くらい。

      https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjhiq.pdf [boj.or.jp]

      逆に言うなら、日本人は銀行に金をおいとかないとダメなの?まぁ、必要最低限は必要だけど、多すぎなのが現実。

      • by Anonymous Coward

        銀行も結局は何かに投資するんだから、ざっくり考えると貸し出し金利から預貯金の金利を引いた分が損している金額になるんだよね。
        もちろん投資が下手だとか考えるのが面倒とかそういったことの対処に金を支払っているということでもあるけど。

        • by Anonymous Coward

          運用に頭を悩ませることを避けることができ、預けておけばとりあえず額面上は減ることがない。
          良くも悪くも物価が安定している現状に於いては、金銭専用の貸金庫がタダで使えるようなもの。
          これに大きなメリットを感じているリスク回避派が大勢を占めているということ。
          国民性として悪いことじゃあないんじゃないかな。

          個人的には、資産形成と趣味とギャンブルとリスクヘッジを兼ねて
          毎月、つもり貯金程度の額を金融商品に変えてはいるけれども、
          国内で普通に生活できている人が「持たざるリスク」を意識せざるを得ないような状況ではないと思う。
          投資自体に興味がなければ、わざわざ無駄に悩んだり一喜一憂する必要もない。
          その分のリソースを他に活用したり、することなければ昼寝でもしてた方が人生にとっては余程有意義だろうし、
          「投資しないことによるリターン」と言えるのではないか。

          • by Anonymous Coward

            国が「これからインフレにすっぞ」って言ってるのに?
            リスク回避ってのも錯覚だと思う
            日本人のFX好きは異常
            日本語だからよくないのかもしれないねw
            「ストックトレード」とか呼べばええんちゃうか

    • by Anonymous Coward

      アメリカも歴史的な低金利だから

  • by Anonymous Coward on 2018年02月09日 17時47分 (#3358930)

    ネットを介して迅速に正確に社の意向として反映される時代だからね
    今までそれが無かったから一種のステータスとして上場という物が有り続けたけどね

    ここに返信
    • by Anonymous Coward

      えっ、資金調達のためでしょ

  • by Anonymous Coward on 2018年02月09日 19時40分 (#3359006)

    資金が必要なくなったということ以上に
    利潤率が低下しているんじゃないかな?
    多額の資金を集めるということは
    それだけの配当を支払わなければならない
    配当払うためだけに事業やってるみたいなことになりかねない
    そんなの面白くないだろうから
    初めから資金をあまり集めないか
    理解してくれる人からだけ集めるクラウドファウンディングなどに移行してるんじゃないか?
    いい感じに資本主義が崩壊に向かってるということではないかな?
    計画経済や中央集権なんてまっぴらゴメンだから
    リバタリアン式に資本主義を破壊するならいいことだ

    ここに返信
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弘法筆を選ばず、アレゲはキーボードを選ぶ -- アレゲ研究家

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