福井3日ぶり力強く列車再開 北陸線福井-敦賀間
一メートルを超える積雪の間を、力強く駆け抜けた-。大雪により運休していたJR北陸線の普通列車が八日朝、一部区間で三日ぶりに動き始めた。道路状況の改善が遅れる中、各駅には未明から利用者が集まり、日常の光景が戻りつつある。記者も通勤客の一人として列車に乗り込み、鯖江市から福井市に向かった。 朝の時点で運行を再開したのは福井-敦賀間。午前八時二十四分、遠くにオレンジ色のライトがうっすらと浮かぶ。敦賀発の列車が、鯖江駅に滑り込んできた。越前市の会社員舘雄二さん(42)は「二日間休んで会社の状況が分からない。ほっとしてます」と乗車した。 通常は二両編成だが、運行本数を減らしたため四両編成に。駅員によると、高校が休校になり、駅で待つ人は普段よりも少ない。いずれの車両も座席が半分埋まった程度で、スーツ姿の社会人が目立つ。 窓の外は積雪で一面真っ白だが、先頭車両からは前方に延びる二本のレールがはっきりと見え、心強い。北鯖江駅を過ぎると、右手前方の山に「SABAE」と書かれた看板が見えてきた。文字が赤いため、雪化粧した山に良く映える。 福井市内に入ると、一段と積雪が増えてきた。それでも列車はどんどん進む。国道8号をゆっくりと走る車を横目に、市街地へ。途中、線路敷地内の粉雪を巻き上げて車窓の視界がゼロになることもあった。
同八時四十分、列車は福井駅に到着。乗車時間はほぼ時刻表通りの十六分で、あっという間だった。ホームに降り立つと、男性運転士が折り返し運転に臨む同僚に「滑りやすいからブレーキ操作に気をつけて」と助言していた。 改札では、駅員の清水篤志さん(22)が「昨日は誰もいなかった。一部区間でも運行できてうれしい」と喜んだ。この日、鯖江市内から福井駅近くまでマイカー通勤した人は二時間半かかったという。生活の足となる鉄道。その存在の大きさを改めて実感した。 (山本洋児) 今、あなたにオススメ
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