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コインチェック事件、犯人の意図は? Mt.Gox事件はいまだ全容解明されず (1/3)

» 2018年02月09日 08時19分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 「何でこんなことをしたんだ」。取引所コインチェックをめぐる仮想通貨「NEM(ネム)」の流出問題が発覚した1月26日、複数のユーザーがネムの機能を使い、流出先に使われた口座にそんなメッセージを送った。ネムを盗み出した相手とコンタクトを図ったのだ。

画像 仮想通貨「NEM」が流失したコインチェック本社=1日、東京都渋谷区(桐山弘太撮影)

 沈黙を保っていたその対象者は1月30日に突如、一部のメッセージ送信者に対し、少額のネムの送金(当時のレートで約9千円相当)を開始した。ネムの移動履歴はインターネット上で誰でも確認できる。これを知ったほかのユーザーも「こっちにもネムを送ってくれ」などと要求。過去最大級の仮想通貨流出でありながら、まるで“お遊び”のような光景が広がった。

 ネム盗み出しの犯人には不可解な点が多い。犯行が発覚するまでの有利なタイミングに、現金化を図った形跡がないのはなぜか。少額送金を繰り返す理由は何か。いくつもの疑問が浮かぶ。ネムの一部を別の仮想通貨に交換したとの情報もあるが、それも数万円相当とされ、あまりに少額だ。

 犯人像や意図については専門家らの解釈も分かれる。「現金化よりもハッキング技術の誇示を望む愉快犯ではないか」「不正なネムを拡散させて市場を制御不能にし、どさくさ紛れに現金化を狙っている」「他口座への送金は追跡状況をチェックするためだろう」……。加えて「内部犯の可能性も排除できない」との声もあり、百家争鳴の様相だ。

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