(Molding) |
ここからは、彫刻が終わった粘土型を基に、フォームラバーを流し込み為の雌型の型を作る行程を紹介します。 まずはじめに、この行程で使用する材料の紹介です。
【 土手作り 】 材料が揃いましたら、まずはじめに雌型の型を取る準備をしましょう。まず彫刻した型に土手を作っていきます。土手とは、ライフマスク上の彫刻粘土で覆われていない箇所を、別の粘土で埋めていく作業の事です(自分は用語を良く知らないので、土手というのは嘘(^^;)かもしれませんが、とにかくそういう作業をします)。目的は、ライフマスク側の石膏面の露出部分が多いと、雌型の石膏型とライフマスクがくっついてしまう事を防ぐ為と、フォームラバーを流し込んだ時に、ライフマスクと雌型の合わせ目の箇所を作る為です。 そして、ここで彫刻粘土と土手用粘土の境の部分を作る際に使うのが、クレイガンです。3角形の先端にしたクレイガンで絞り出した粘土で、境目に沿って粘土を盛り付けていきます。もちろんクレイガンが無い場合は、手で粘土を伸ばして作っていけば問題ありません。彫刻粘土との境をクレイガンで絞り出した粘土で一周しましたら、その粘土を基に、ライフマスクの石膏部分の露出している箇所を全部粘土で埋めていきます。この時、露出度の高い“目”の部分も同様に埋めてください。そして最後に、雌型との合わせ部分用として、穴を数箇所適当に開けておきます。下は、その作業の参考写真です。
【 雌型の型枠作り 】 次に雌型を作る際の型枠を作ります。雌型を作る時の石膏が流れ出さないように作るのが主な目的ですので、石膏の扱いが得意で、直接彫刻粘土に石膏を盛って行って雌型を作れる人であればこの行程は必要ありません。自分が入手した海外の特殊メイクの教科書ビデオでも、この型枠作りの行程は含まれていませんでした。ですので、自分も最初の頃はこの型枠作りを行っていませんでしたが、正直失敗してた事が多く、またかなり難易度が高いと思います。ですから、初めて特殊メイクに挑戦してみようという方などは、この型枠を作った方が安全かと思います(自分も最近は必ず型枠を作って作業をしています)。 それでは、型枠の作り方を紹介して行きましょう。まず型枠を作る材料ですが、自分はいつもダンボールとガムテープ(紙ではなく布テープの方です)を使っています。ダンボールは何でもいいのですが、石膏の重みにも耐えられ、薄く曲げやすい事を考慮すると、缶ビールのケースが一番かと思います( 今回の見本例では○シールの通販の箱を使ってますけど) 。 まずはじめに、ダンボールに粘土原型を置く位置を決めます。位置決めは適当で構いませんが、位置が決まりましたら、ダンボールの上にガムテープを貼ってください。 (ガムテープを貼る目的は防水です。流し込む石膏には多分の水分が含まれているので、ダンボールの強度を保つ為の念の為の作業ですので、最悪やらないでもいいかも知れません。)次に、ダンボールで壁を粘土原型に沿って組み立てて行きます。 壁となるダンボールと粘土原型の間の隙間は、石膏が流れ込む事を考慮し、2~3センチ位空けて作っていきます。粘土原型を一周囲むように壁ができましたら、石膏が流れ込んだ際に、石膏の重みで壁が崩壊しないよう、壁全体をガムテープでぐるぐる巻きにして補強します。壁の補強が終わりましたら、上から粘土原型とダンボールの壁を覗き込み、石膏が流れ出そうな隙間を粘土やダンボール等で塞いで行ってください。 隙間を塞ぎ終えれば、型枠作りは完成です。 【 雌型の作製 】 雌型の型枠が出来ましたら、早速雌型を作って行きましょう。石膏が飛び散る事を考慮し、まず新聞紙をあたり一面に敷いてください。新聞紙を敷き終わったら、粘土原型にシリコンスプレーを噴霧します。これは粘土原型と石膏との剥離を促す為に吹きかけるのですが、実際効果があるのか無いのかは不明です。自分は気休め程度と思っていますので、手元にシリコンスプレーとかが無ければ、あえて購入する必要も無いかと思います。 次にボウルに水を入れ、そこに石膏を入れます。石膏は2回(もしくは3回)に分けて溶いて使いますが、一回目はかなり緩く石膏を溶きます。これは、粘土造形の細かいモールドまで石膏が流れ込むようにする為です。石膏を緩く溶いたら、早速粘土原型の上に ふりかけて行きます。石膏が硬化してきますので、ここからの作業は手早くやるようにしてください。石膏をふりかけて行く過程は、下の写真、解説を参考にしてください。 雌型の石膏が硬化したら、ダンボールの型枠を外して行きます。型枠を適当に剥がして行くと、完成した雌型が姿を現します。ですがそのままですと表面がバリバリで、角がささくれ立っているので、大きめのカッターで綺麗に面取りをしていきます。面取りをすると、石膏型の強度も多少増すと思いますので、きちんとやる事をお奨めします。 雌型の面取りが終わると、ライフマスクとの間に入った粘土を取り除いていきます。 取り除き方は特にありません、ライフマスクと雌型との間にある粘土を手当たり次第剥がしていってください。 ある程度粘土を剥がしたら、雌型からライフマスクを剥がしてください。雌型の石膏が硬化した直後より、ある程度時間(1日位)をおいてから剥がした方が剥れやすくなるようです。石膏硬化直後にうまく剥れなかったら、無理せず時間をおいてからチャレンジしてみてください。雌型からライフマスクが剥れたら、ライフマスク側に付いている残りの粘土を丁寧に全て剥がしていってください。手の甲で転がすように剥がしていくと、結構簡単に剥れるようです。全ての粘土を剥がしたら、ライフマスクと雌型をあわせてみて、きちんと重なりあうか確認してみてください。 この重なりあった隙間にフォームラバーを流し込んでマスクが完成するわけですが、この段階まで来ると、早くマスクを手に取りたい気持ちが強くなって、わくわくしてきますね。
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