(Sculpture)
 
ここではSculpture(彫刻)について説明をして行きたいと思います。と言っても、自分のようなド素人が他人様にお教えできるような技術なんて何にも無いに等しいんですが(ホントにお恥ずかしい限りです)....。

特殊メイクのアプライエンスマスクを作る工程において、この彫刻の工程は、命を懸けて行った(^^;)?ライフキャスティングの工程などとは違い、やってて一番面白い工程かも知れません。自分の場合作業に没頭すると、何時間でも連続で行ってしまう事が良くあります。またそれだけ重要な工程であり、ここでの彫刻の出来具合がそのまま作品の出来栄えとなってしまいますので、ご自分が納得いくまで粘土細工に没頭してみてください。

それでは、この工程で使用する物を用意しましょう。

用意するもの 備考
①自分のライフマスク 前工程で作ったご自分の顔型です。ライフマスクを取ってからすぐに使うより、石膏の強度を増す為にも、1~2週間程放置して乾燥させてから使った方が良いと思います。自分は急ぎの場合でも、食器乾燥機などで乾燥させてから使っています。
②粘土(油粘土)
プロの方は、ほとんど全員“ローマクレイ”を使っています。ひょっとしたら国内で手に入るのかもしれませんが、自分がいつも行くハンズや世界堂とかの画材店では見かけた事はありません。海外のサイトとかの通販で購入しようかとも考えましたが、諦めました。なぜかと言うと、粘土そのものの値段はそれほど高くないものの、粘土や石膏(ウルトラCAL30等)は重量が重いので、海外通販で購入すると送料が高額になってしまうからです。
そんなこんだで、自分はいつも世界堂やハンズで手に入る“レオンクレイ”を使用しています。値段も500円位で手頃かと思います。
(※写真下が彫刻用に使うレオンクレイ。写真上が次の工程で土手用として使う200円位の安い粘土。)
③粘土ヘラ(各種)
粘土でキャラクターの顔を作りだすときに、粘土の彫刻で使うヘラです。大まかな部分は手でできますが、指先だけでは対応出来ない細かい部分は、粘土細工用のヘラを使います。
いろんな形の物がハンズ等で売っていますので、お好きな形の物を購入してみてください。
自分は写真の下2つのヘラをハンズで購入しました。ちなみに自分が一番使っているのは、写真の一番上に写っているYONEXのマークが刻印された、バドミントンのガット張りの道具だったりします(^^;)。
④筆
「なんで筆?」と思われる方がいるかと思います。
これは多分自分の独特の加工方法なので、必要無いと思われた方は、⑤のオリーブオイルと一緒に用意しなくても大丈夫です。
これは細くてなめらかな箇所を処理する際に自分が考えついたやり方なんですが、今ではほとんど③で紹介したガット張りの道具と筆とオリーブオイルだけで彫刻していると言っても過言ではないくらい、自分では良く使っています。
ちなみに購入の際は、イタチの毛など筆に腰のある多少高い(4~500円)物を購入される方が良いかと思います。 これもハンズや画材店にいけばどこにでも売っています。
⑤オリーブオイル なんのことは無い、スーパーとかで売っている普通のオリーブオイルです。多分これを使うのは自分だけの独特の手法なので、学校や教科書なんかでは「用意しなさい」とは言われないと思います(^^;)。
ちなみに④で紹介した筆と同じく、必要ないと思えば、準備されなくても結構です。
⑥参考写真(デッサン)
特殊メイクの教科書通りですと、彫刻をする前にまずどんな作品(キャラクター)を作るかをイメージするために、デッサンを描きます。 特殊メイクの学校でも多分そう教えられると思います。やはり大切な部分なので、デッサンを描いた方が良いと思う人は描いて用意しておいてください。
自分はかなりの面倒くさがりなので、デッサンを描く事はしませんが、そのかわりに参考となる写真を用意します。ネットとかで収集したプロの作品の写真をスクラップブック化していて、作品イメージに近い写真をプリントアウトして、準備しておきます。
⑦テクスチャースタンプ

(※自作する場合は、ラテックス、みかん、アボガド、にがうり等)
これは主に彫刻の最終段階で使う道具です。いろんな模様が刻まれたラテックス製のスタンプで、作品の皮膚感を出すために、彫刻した粘土の上に軽く押し付けて使います。
海外のサイトなどで購入することが可能ですが、自分で作製する事も可能です。ちなみに写真に写っているのは自作のスタンプです。上2つが“みかん”から、下2つは沖縄野菜の“にがうり”から作りました。他にも“アボガド”なんかが表面の感じがゴワゴワしてて、モンスター系マスクの作製なんかには使えると思います。
⑧麺棒(平らな瓶) 粘土を延ばして薄くする時に使います。手で延ばしても良いですが、粘土を薄く均一に延ばすには、あった方が良いでしょう。
 
材料が揃いましたら、早速彫刻をしていきましょう。まずどうやって粘土をライフマスクの上に盛っていくのしょう?いろいろな方法があるのでしょうが、基本的にはイメージした最終的な形より多めに粘土を盛って、盛った粘土を削りだして行く感じの方が良いようです。自分は我流であるのと、どうしてもマスクを薄く作りたい気持ちが強いので、薄く粘土を延ばしてから徐々に厚さを増して行かせるようなやり方で作って行きますが、まあ、こちらの方法でも問題は無いかと思います。ご自分のお好きな方法で作って行ってみてください。
下の写真は、粘土を盛って彫刻していく様子の写真です。
①まず、大まかに粘土を盛っていきます。この段階では、はっきり言って適当に盛ってます。
②キャラクターの特徴となる点を強調して盛っていきます。この場合は、眉間と頬骨のあたりを強調しています。
③全体のバランスを見ながら、粘土の盛る範囲をマスク全体に広げていきます。
④マスクの境界線を大体決定していきます。特徴であるイボをつけていっています。
①の段階は、すべて手で作業しています。②の段階でも、ほとんどが手で作業をしています。表面を滑らかにしたい場合は、粘土の表面に用意したオリーブ油を手で塗っていくと、粘土の表面が軟らかくなって、写真のように表面を滑らかに仕上げる事ができます。鼻の部分と、唇の部分、鼻の下の部分では、手での作業は厳しい為、粘土ヘラや筆(オリーブ油を筆に染み込ませて作業をする)を使って彫刻しています。 ③このくらいの段階から、左右対称になるように注意して作業を進めます。真正面からではなく、前後左右、上下、いろんな角度から視線を変えて見てみると、左右の不均衡具合が良くわかります。④マスクの境界線を大体決定して行きます。自分の場合は、ボールドキャップを被ってマスクを装着する事が多いので、頭の上の方から耳の後ろまで、結構広い範囲までマスクで覆うようにしていますが、ご自分の髪の毛や耳を使う場合は、粘土を盛る範囲は、上は額まで、横も
⑤首の大きなシワと、全体的に小さなシワをおおまかにつけていきます。
耳の前までで良いでしょう。⑤この位の段階から、小さいシワをおおまかにつけて行き、キャラクターの最終形をイメージしていきます。自分の場合は、デッサンも何も無いので、イメージする最終形自体無いのですが(笑)...。

キャラクターイメージに近い段階まできたら、ここからは仕上げを行って行きましょう。
⑥小さいシワの作り方は、サランラップを粘土の上にあてて、その上から粘土ヘラ等で粘土をなぞって作るのが基本です。大きなヘラや小さなヘラで強弱をつけてなぞってみてください。
⑦仕上げ段階で、左右対称をチェックする際は、デジカメで写真を撮り、パソコンで見てみると良いでしょう。
⑧頭の部分に、ニガウリで作ったテクスチャースタンプを押し付けて、皮膚の感じを出しています。目元の小ジワがイマイチですね。
⑥仕上げで一番多く使うシワの作り方は、サランラップを使う方法です。ただ、自分がやってみて感じた事は、ただ粘土ヘラでラップの上からなぞってみても、リアルなシワは出来なかったです。(プロが彫刻するようなリアルなシワは、いまだに彫刻する事ができません。)やり方を知ってる人がいたら、誰か教えてください(^^;)。⑦仕上げ段階で、きっちり左右を対称にしたい場合は、デジカメで作品を真正面から撮影し、パソコンに取り込んで見てみると良いでしょう。微妙な不釣合いとかも、結構簡単に分かったりします。この例では、特に鼻の形が左右で違う事が良く分かると思います。⑧仕上げで代表的なもうひとつの手法は、粘土の表面に皮膚の感じを出すために、テクスチャースタンプを押し付ける方法があります。これは簡単で、粘土の表面に適当にテクスチャースタンプを押し付けていけばOKです。今回の例のようにモンスター顔のキャラクターの場合は、でこぼこの大きめなテクスチャースタンプを使うと良いでしょう。
⑨鼻の横の部分の写真です。大きなシワの周りに、小さなシワをこまめに作っていくと、自然な感じになるかもしれません。
また、女性顔キャラ等、人間の顔に近いキャラを作る時などは、自分のほっぺたや手のひらなどを直接粘土に押し付けて皮膚感を出したりも(自分は)します。 ⑨自分は納得するようなシワは巧く作れないのですが、経験上、大きなシワを作った後に、小さなシワを根気良くつけていくと、ちょっとは自然な感じになるかもしれません。良かったらこの写真を参考にしてください。

という感じで、彫刻を行っていって見てください。彫刻は凝りだすとキリがありませんが、本当にこの彫刻での出来が、完成するマスクの出来に直結しますので、時間の許すかぎり、自分の納得行くところまで頑張ってやってみてください。 ちなみに自分がそこそこ納得行くレベルというのは、彫刻された粘土作品自体が、「生きている人の顔に見える事です」。




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