これまで長い間、惑星を銀河系の外で見つけることはできていなかった。そもそも我々のいる銀河系は中央が膨らんだ円盤形をしており、直径が約10万光年、厚みが約1000光年あるため、その外を見るということ自体が極めて難しい。しかし新たな研究は、銀河系外にも惑星が存在する可能性を示している。
学術誌『The Astrophysical Journal Letters』の2月1日付で発表された論文によると、銀河系外に1兆個を超える惑星が存在する証拠が、初めて発見されたという。(参考記事:「惑星8個もつ恒星、AIが発見、太陽以外で初」)
銀河系の外に無数の惑星が
米オクラホマ大学のチームは、米航空宇宙局(NASA)のチャンドラX線観測衛星からの情報と、重力マイクロレンズ法と呼ばれる惑星探索技術を駆使して、銀河系の外にある遠く離れたクエーサー(非常に明るく高エネルギーな銀河の一種)を調査した。すると、恒星1個当たり約2000個の惑星が存在するという証拠を発見した。これらの惑星には、月くらいの(比較的)小さなものもあれば、木星ほど巨大なものもある。また、これら惑星の大半は、地球のように恒星のすぐそばを回っているわけではなく、宇宙空間を漂ったり、恒星の間を大きく周回したりしている。(参考記事:「きわめて珍しい四つ子のクエーサーを発見」)
「この(遠い)銀河に存在する惑星の数は、1兆個以上だと推測されます」。天文学と天文物理学の教授で、研究リーダーを務めたシンウ・ダイ氏はそう語る。
重力マイクロレンズは、天体の光を増幅させるレンズのようなものだと、論文の共著者であるエドゥアルド・グエラス氏は話す。このレンズを通して天体を観測していると、そばにある物体の影響を受け、地球に届く光が微妙に変化することがある。これを観察することにより、通常は見えないものの存在が明らかになる。(参考記事:「ケプラー新課題、ブラックホール探査も」)