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『BG~身辺警護人~ #2』のキーワード出現数BEST10
- 奥様 24
- 亜佐美 21
- ボディーガード 20
- 行永 20
- 裁判官 15
- 三上 15
- 村田 15
- SP 14
- 島崎 14
- 主人 13
『BG~身辺警護人~ #2』の番組内容&情報(ネタバレ注意!)
(警告音)
♬~
(行永亜佐美)もう おしまい…。
こんな靴 買った
バチが当たったのよ。
(島崎 章)裸足じゃ帰れませんよ。
(警告音)
木村拓哉×ボディーガード!銃も、武器も持たず“丸腰”であらゆる危険から依頼人を護り抜け!その仕事、“絶対警護”。依頼人に迫る脅威とは…!?
詳細情報
◇番組内容
ある日、裁判官・行永(田中哲司)の自宅で自転車放火事件が発生。判決を目前に控えた裁判への脅迫行為と判断され、警視庁SP・落合(江口洋介)らが警護につく。一方、妻・亜佐美(大塚寧々)の警護には、章(木村拓哉)たち民間ボディーガードがつくことに!
◇出演者
島崎章…木村拓哉
落合義明…江口洋介
高梨雅也…斎藤工
菅沼まゆ…菜々緒
沢口正太郎…間宮祥太朗
立原愛子…石田ゆり子
村田五郎…上川隆也
・
河野純也…満島真之介 ほか
◇脚本
井上由美子
◇監督
常廣丈太(テレビ朝日)
◇音楽
髙見優
◇スタッフ
【ゼネラルプロデューサー】内山聖子(テレビ朝日)、三輪祐見子(テレビ朝日)
【プロデューサー】川島誠史(テレビ朝日)、秋山貴人(テレビ朝日)、田上リサ(5年D組)
◇おしらせ
☆番組ホームページ
http://www.tv-asahi.co.jp/bg/
☆Twitter
https://twitter.com/bg_tvasahi
☆LINE
詳しくは番組ホームページまで!
(鳥のさえずり)
(ため息)
(太田詩織)「特集です」
「2011年に起きた
赤羽老人ホーム殺人事件の判決が
いよいよ今週木曜日に…」
靴ぐらい ちゃんと揃えろよ
玄関 狭いんだから。
(詩織)「元介護士
松川八重子被告は
2011年
当時82歳と89歳の入居者…」
(島崎 瞬)ああ…! 詩織ちゃんを
見ないと 目が覚めないの。
(詩織)
「殺人の罪に問われています」
年上すぎるんじゃないの?
(詩織)「自己中心的な
極めて残酷な犯行であり
矯正は極めて困難だとして
死刑を求刑して…」
家出でもすんのかよ?
片付けまくって…。
ちゃんと片付けしておかないと
Gが出るぞ お前。
何?
「G」って何?
ゴキブリだろ。
♬~
(詩織)「一審では
元介護士の松川八重子被告に
死刑判決が言い渡されましたが
二審高裁では 弁護側提出の
新証拠が採用されたため
死刑判決が破棄され
無罪が言い渡されるのではないか
との予測もあります」
無罪はね…。
「無罪になったら
批判は出るでしょうねえ」
「ええ。
ご遺族の気持ちを考えますと
被告が2人の命を奪ったのは
事実ですよね」
「まあ ただ この裁判長は
人権派で通ってます」
「これまでの裁判も
一貫して 疑わしきは罰せず…」
(村田五郎)ストップ。
(沢口正太郎)はい。
今回の依頼人です。
(菅沼まゆ)裁判官?
(村田の声)本日未明
この事件の裁判長
行永辰夫さん宅の玄関前が
放火されました。
(悲鳴)
(行永辰夫)どうした!?
(村田の声)現在 警察は
今週 下される判決への
脅迫行為とみて
捜査を進めているそうです。
再度の脅迫
襲撃も予想される事から
行永裁判長には 警視庁のSPが
つく事になりました。
ですが ご家族は
警護対象とはなりません。
で 行永さんご本人から
奥様への身辺警護を
依頼されました。
自転車 真っ黒だ…。
引き受けちゃったんですか?
死刑とか絡んでると
本気でやばくないですか?
いや だから
依頼してきたんじゃないの?
でも
SPと合同警護って事でしょう?
面倒くさそう。
(村田)今回のリスクはレベル3。
特別手当がつきます。
(まゆ)やります。
では BGは菅沼さんに…。
やります!
ええ~ バックスは…。
島崎くん お願い出来ますか?
ああ はい。 バックス…。
だ… 大丈夫ですか?
うん?
(沢口)こういうマジ案件は
高梨さんの出番でしたからねえ。
ないない。 あいつは お金だけ
運んでるほうが向いてるよ。
大丈夫 大丈夫 大丈夫。
これでも 年だけは食ってるから。
それ マイナスでしかないんですけど。
うん?
やります。
(高梨雅也)なんで隠してんだよ
おっさん。
♬~
(まゆ)日ノ出警備保障です。
(警察官)
日ノ出警備保障の人が来ました。
どうぞ。
(まゆ)ありがとうございます。
菅沼です。
島崎です。
どうぞ。
あっ… どうも。
こちら ボディーガードの方だよ。
24時間態勢で お前を
護ってくれるようにお願いした。
いいのに…。
日ノ出警備保障の菅沼です。
今回の警護主任を務めます。
女同士 なんでも仰ってください。
島崎です。
バックアップ致します。
私は ボディーガードなんて
もったいないって言ったんです。
だって 狙われてるのは
主人なのに…。
(まゆ)ご主人がターゲットでも
奥様にも危険が及ぶ恐れは
十分にあります。
大げさね。
あの…
燃やされていたっていうのは
自転車だけですか?
はい。
(島崎の声)やはり
判決に対する警告でしょうか。
裁判所のほうへも
「死刑を破棄するな。 無罪にしたら
許さない」というご意見を
たくさん頂戴しています。
ただ 裁判官のご自宅っていうのは
知られてないはずですよね?
(行永)ええ…。
転居して3年になりますが
こんな事は初めてです。
ご熱心ですねえ
捜査権もないのに。
あなた方は 犯人を捕まえる武器は
お持ちではない。
何かあったら 余計な事はせず
警察に助けを求めてください。
(亜佐美)えっ… そうなんですか?
ボディーガードの方って 拳銃とか
お持ちじゃないんですか?
ご安心ください。 その分
厳しい訓練を受けております。
ちょっと待って…。
それって
つまり 一般人って事ですよね?
なのに 高いボディーガード代を
取るわけですか。
(まゆ)いや お値段は
割とリーズナブルかと。
それに 拳銃が
人を護るわけではないので。
はあ? じゃあ
何を使って護るんですか?
まさかと思うけど
勇気が護るとか
言わないでくださいよ。
♬~
どうぞ。
(行永)はい。
じゃあ 行ってくる。
いってらっしゃい。
気をつけて。
(行永)お前も気をつけて。
どうか
家内をよろしくお願いします。
片時も離れず どこへでも
付き添ってやってください。
はい。
片時も離れず
どちらへでもお供します。
♬~
油断するな。
(2人)了解。
♬~
(まゆ)よろしいですか?
カーテンは閉めさせて頂きます。
念のため 刃物は
見えないところにしまいます。
(亜佐美)SPとボディーガードって
月とすっぽんね。
どちらが月でしょうか?
大体 おかしいわよ… 主人にだけ
警察のSPがつくなんて。
あっちは強そうで
武器も持ってて。 なのに タダ。
(まゆ)アメリカでは
ファーストレディーに
シークレットサービスが
常時つきますが
日本では 総理夫人にSPが
常につくわけではありません。
自費で 我々のような民間に
警護を頼む方もおられます。
ふ~ん。
じゃあ あなた
食器洗いをお願い。
はい?
放火騒ぎで疲れちゃって とても
そんな気分じゃなかったの。
そっちは お玄関のお掃除を
お願いします。
掃除ですか…。
ボヤの跡を放っておいたら
危ないじゃない。
わかりました。
嘘でしょう!? えっ?
(ドアの閉まる音)
♬~
はあ…。
♬~
(行永の声)
転居して3年になりますが
こんな事は初めてです。
(燃える音)
♬~
はあ…。
表の掃除 終了しました。
じゃあ 次は
お風呂にトイレね。
私は ちょっと
お買い物に行ってくるから。
(まゆ)お買い物!?
脅迫を受けた事件の判決が
迫ってるんですが。
だからよ…。
テレビつけても
主人がどんな判決を下すのかって
やってるし。
気分転換しないと
息が詰まっちゃう。
承知しました。
しかし 外出されるなら
我々がお供します。
はい。
どうぞ。
(行永)今日は 午前中に
窃盗事件と痴漢事件の
法廷があります。
(本庄)傍聴席に1人
表と裏口に1人ずつ待機します。
(行永)ご苦労をおかけします。
午後には 自宅に戻って
例の裁判について準備をします。
落ち着いておられますね。
(行永)裁判に大小はありません。
どんな批判を受けようと
平常心で臨みます。
ご立派です。
(高木祥子)行永裁判長ですよね?
失礼ですが…。
あの女を無罪にしないで!
新しい証拠なんて嘘よ!
離して…!
人殺しをかばう奴も
人殺しなのよ!
ああっ…!
何よ! 涼しい顔して。
あんたに何がわかるの!?
あんたに裁く権利なんかない!!
♬~
(店長)奥様 素敵です!
本当にお似合い!
(拍手)
(亜佐美)また~。 本当?
お世辞なんですよー。
それにしても あんな靴
どこに履いていくんだろう?
(まゆ)持ってるだけで
満足なんですよ 女は。
じゃあ 頂くわ。
ずっと欲しかったの。
(店長)いつも
ありがとうございます。
「いつも」?
(携帯電話の振動音)
「はい」
裁判所で
行永さんが襲われたそうです。
怪我は?
(沢口)「SPがガードしたので
無傷です」
「犯人は女性で
警察が今 身元を調べています」
了解。 放火犯と一致したら
すぐに知らせてください。
現場は まだお買い物中です。
(沢口)旦那が きっつい仕事して
稼いだ金で お買い物?
奥さん いい身分っすね。
若いねえ。
(沢口)あれ… 課長んとこも
そうなんすか?
えっ?
そんな事は どうでもいいだろう!
GPSチェック!
はい~。
早く 高梨さんの代わり
補充してくださいよ。
このままじゃ人手不足ですよ。
(車の解錠音)
♬~
乗って ロックして。
♬~
誰もいないわよ。
気のせいなんじゃないの?
未然に危機を防ぐのが
我々の仕事です。
(はしゃぐ声)
ほら おいで。
すみません…。
(解錠音)
すいません。
勘違いでした。
な~んか ボディーガードごっこ
してるみたいね。
まあ いいわ。
次は 成城東へ行って。
えっ… まだ
どこか行くんですか?
遅れ気味だから 急いで。
はい わかりました。
出して。
はい…。
♬~
先ほどの女性は
殺された被害者の娘さんです。
そうでしたか。
(本庄)仕事の都合で
台湾に在住のため
これまで
裁判は傍聴していませんが
無罪判決が下りるんじゃないか
という報道を知って
いてもたってもいられず
今朝到着の飛行機で
帰国したそうです。
すなわち ご自宅に放火した
人物ではありません。
別に犯人がいる事になります。
裁判官は
恨みを買うのも仕事です。
一般の方の感覚を取り入れようと
裁判員裁判は始まりましたが
法曹の考えに違和感を抱く人は
いまだにいます。
では 時間ですので。
本部に連絡する。
傍聴席でも気を抜くな。
はい。
落合です。
ご用件でしょうか?
(立原愛子)私の警護を
お願い出来ませんか?
本来 SPの警護対象じゃない
裁判官が
私より優先される理由でも?
「警察庁長官からの
緊急事案です」
「私は 先生の専任ではありません」
「何かありましたら 専任SPの
清田にお話しください」
申し訳ないですけど
あの方は…。
「彼は 拳銃の腕も確かで
銃剣道に長じています」
「先生の安全を護るには
最適のSPです」
それは
わかっていますけれども
この間の事を恨んでおられるのか
ずっと硬い表情で…。
(清田春孝)どけ! どけー!!
それは 思い過ごしです。
SPが警護対象者を
恨むような事などありません。
「たとえ 先生の身勝手な行動が
原因でも…」
責任は全てSPにあります。
また建前ですか?
「人間だから
感情がありますよね」
今日は私 落合さんに
本音でSOSを出しているのに。
「先生
言動には気をつけてください」
失礼しま…。
「電話は
誰が聞いてるかわからないと
思うくらいで
ちょうどよろしいかと」
あらっ FBIが盗聴してたら
どうしましょ?
「何を話したら
喜ぶんでしょうね」
「これ以上
私語にお付き合いは出来ません」
「国家の任務として
先生の安全を護っています」
ああ… そう。
じゃあ 自腹切って
民間のボディーガードでも
頼んじゃおうかしら。
あっ そうだ!
この間 ボッコボコに
殴られた人なんか どうかしら?
なかなか面白い男でしたよねえ。
これで
大会 続行出来ますよね。
先生は要人です。
民間のスキルでは護れません。
失礼します。
(携帯電話を閉じる音)
(ため息)
(美容師)はい。 そしたら 顔周りに
ちょっと軽さを出して…。
(まゆ)わざわざ
今 美容院に行かれなくても。
(亜佐美)前から
カットの予約をしてたの。
ごゆっくり。
(亜佐美)ありがとう。
(まゆ)なんなんですか?
「ごゆっくり」って。
えっ?
あちこち うろつかれたら
こっちの身が持ちません。
寒い中 ずっと立ちっぱで
待ってなきゃいけないんですから。
でも 行永さんからは
奥さんからは
片時も離れずに
どこへ行くにも ちゃんと付き添え
って言われてるからね。
だからって
こんなわがまま
まともに聞く必要ないって
言ってるんです。
でも それが命令だからね。
そりゃそうですけど…。
じゃあ
命令 聞きゃあいいんですか?
もっと頭使いましょうよ。
私たち あの奥さんを
護らなきゃいけないんですよ。
何かあったら
BGの私の責任になるんですから。
じゃあ BGさんに
一つ質問していいですか?
奥さんって 本当に
髪切りたかったんですかね?
隙を見ては
一人になりたがってる。
もしかしたら
買い物も美容室も言い訳で
何か他の目的が
あるんじゃないかな?
他の目的…。
(エレベーターの到着音)
なんでしょうか。
いや…。
今日は
厄介な警護を引き受けたんだが
そのあと
一杯いかないかなと思って。
今 話してください。
え…?
いい年した男同士が
話もないのに 酒飲みませんよね。
(ため息)
やっぱり このまま諦めるのは
惜しいと思ってね。
人事には私から話す。
戻ってはくれないだろうか。
もう スポットで
現金輸送の仕事をしています。
せめて
理由を聞かせてくれないかな。
だって 希望を出して
身辺警護課に
来てくれたんだろう?
ありがとうございました。
♬~
他の目的って…
一体 なんなんですか?
ストレス解消で
無駄遣いしたかったとか?
ないね。
単に我々を困らせたいとか?
ない。
じゃあ 一体 なんなんですか?
うーん… わからない。
だったら言わないでください。
普通の主婦ですよ。
裏があるような
タイプじゃないですって。
嘘…! いません!
あっ いらっしゃった。
奥様。
えっ?
お車は あちらです。
(まゆ)困ります。
警護中に黙って行かれたら。
お茶でも飲んでるかと思ったのよ。
お茶は頂きません。
トイレが近くなりますので。
ふうん…。
大変ね ボディーガードも。
まあ… 裁判官の大変さには
かなわないけど。
ご主人は
立派なお仕事ですものね。
どうかなあ…。
裁判官なんて窮屈な仕事よ。
窮屈…?
法廷のない日は
家で一日 調べものでしょ。
二枚目ならいいけど
あんな面白くない顔のおじさんが
家に ずーっといたら窮屈よ。
フッ… なんてね。
(まゆ)どちらへ?
(亜佐美)ちょっと…。
1時間だけ 一人にしてくれる?
人に会いたいの。
ちなみに どなたとですか?
あなたたちに言う義務
ないんじゃない?
ボディーガードって言ったって
今日 会ったばっかりでしょう?
信用しろって言われたって無理よ。
どうしても言えない
ご関係の方なんですか?
怪しい人じゃないわ。
横鉄不動産の営業マンよ。
「マン」って事は男性ですよね?
(せき払い)
(亜佐美)何? その言い方。
(まゆ)あちらの方ですか?
随分お若いですねえ。
ちょっと 変な想像しないで。
もう少し都心のマンションに
引っ越したくて
その相談をしてるだけ。
三上さんには 新婚の奥さんと
赤ちゃんがいるの。
(まゆ)はい これが目的でした。
いわゆる年下の
いわゆるイケメン…。
わかりやすっ。
ただの営業マン見る顔じゃない。
あれは女として現役の目よ。
やだやだ。
ねえ… どこいったんだろう?
はい? いや いるじゃないですか。
不倫妻なら あそこに。
そうじゃなくて
何か足りなくない?
あ! 靴の紙袋… 持ってない。
だよね。 美容院に行く時には
車から持って出たのに。
(まゆ)忘れたんじゃないですか?
美容院の受付に預けてて。
忘れた? 忘れるかな…。
♬~
(まゆ)あれれ… 別れ話?
♬~
(まゆ)そろそろ ご自宅に
戻られてはいかがですか?
(亜佐美)まだ買い物があるから。
奥様 どうかされましたか?
え?
ご気分でも悪いのでは?
別に。
我々は奥様のボディーガードです。
何かお困りの事があったら
なんでも仰ってください。
どうもしてないったら。
立ち入った事をお伺いしますが
先ほどの不動産会社の男性と
何かトラブルでも?
そう思うなら 黙っててよ!
(まゆ)ちょっと…。
ご主人から 奥様を護るように
言われてますので。
しつこいわね。
狙われたのは主人なのよ。
私じゃない。
私は関係ないんだから。
いや でも ご自宅を放火された時
燃やされたのは
自転車だったんですよね?
あれは奥様のですよね?
うるさい! 帰って。
あなたの顔は見たくない。
クビよ!
行永さんに
お会いしたいんですが。
(本庄)書斎で執務中です。
ご報告があります。
なんでしょう? お伝えします。
いや 我々にとっても
クライアントです。
直接 お話しさせてください。
お断りします。 安全上の理由です。
(行永)どうしました?
お時間よろしいでしょうか?
すいません 沢口と申します。
島崎の代わりに警護に入ります。
どうも。
さっきの人より
よっぽど信頼出来そう。
SPみたいね。
マジっすか?
ありがとうございます。
(まゆ)からかわれてどうするの。
顔だけ男が。
申し訳ありませんでした。
奥様に
クビを宣告されてしまいました。
クビ…。 なぜです?
ご気分を害させてしまいまして。
どこで何があったのか
詳しく話してください。
いや…。
どうしました?
クライアントに つぶさに報告する
義務があるはずです。
はい。
(ドアの閉まる音)
♬~(音楽)
♬~(音楽)
(壁をたたく音)
(ため息)
♬~(音楽)
(行永)つまり
その不動産会社の方と会ったあと
妻の様子が
おかしくなったという事ですね?
はい。
そうですか。
一体 どうしたのでしょうね。
あの…
一つ伺ってもよろしいですか?
なんなりと。
狙われているのは
行永さんではなくて
奥様という事はないでしょうか?
妻が? まさか…。
いや 燃やされていたのは
奥様の自転車です。
それが気になってまして…。
家の前にあったからでしょう。
妻は平凡な主婦です。
交際範囲も狭い。
個人的に恨まれるような
付き合いは ないはずです。
それとも 疑念を抱く証拠でも
あったのですか?
いえ 証拠なんてものは…。
お役に立てず すいませんでした。
交代のボディーガードが
しっかりと警護させて頂きます。
いくつぐらいの男ですか?
向こうにも
家族がいるのでしょうか。
妻が時折 私の知らない男性と
会っているのは気づいていました。
構いません。
ありのままを教えてください。
あの… 違ってたらすいません。
もしかして 奥様の不倫…
いや その行動を知りたくて
我々ボディーガードを
雇ったんですか?
目的について話す必要は
ないはずです。
費用は支払っています。
でも 奥様をだます事になります。
すいません 余計な事でした。
裁判官は 人様の生き死にを
左右する立場にあります。
私だけでなく 家族にも
倫理にのっとった
正しい生活が求められます。
なぜなら 私生活が乱れている
裁判官が下した判決には
信頼性がないからです。
おわかりですか? 裁判官の私が
探偵会社等に 妻の素行調査などを
依頼する事は出来ないのです。
(亜佐美の声)
裁判官なんて窮屈な仕事よ。
窮屈ですね。
夫として 嫉妬からではなく
裁判官として…
仕事として 奥様の事を?
妻の不倫に心乱されるようでは
人を裁く事など出来ません。
奥様が会っておられたのは…
横鉄不動産の三上という方です。
年齢は三十代前半でしょうか。
ゴミ置き場に これが…。
(島崎の声)
あの… 新しいお宅なのに
なんでだろうと思いました。
「三上勇作」…。
何か?
いや… この名前に
見覚えがある気がして…。
もしかして 老人ホーム殺人事件の
関係者じゃ…。
私が自分で確かめます。
万一 家内が会ってる男が
明日の裁判関係者となれば
早急な対応が必要です。
事と次第によっては
判決日の延期も
考えなければなりません。
事務方への対応の時間を
考えると…
7時… 7時がデッドラインです。
午後7時までに
家内を連れ帰ってください。
承知しました。
ただし
この事は
警察には知らせないように。
それも裁判のためですか?
もちろんです。
警察が動けば
騒ぎになりかねません。
わかりました。
(村田)それは まずい…。
もし この三上という男が
本当に
老人ホーム殺人事件の関係者なら
大変な事です。
すぐに 警察に
知らせなければいけない案件です。
いや そうなんですけど
大変な事なんで
行永さんは
報告しないでほしいと言ってます。
しかし
隠し通せるものではありません。
はあ… でも クライアントは
警察じゃなくて 行永裁判長です。
密告は
裏切る事に
なりませんか?
まず 私のほうで調べてみる。
お願いします。
♬~
これとこれ お願い。
さすがのさすがに そろそろ
ご自宅に帰られては
いかがですか?
確かに
ご飯の準備 ありますもんね。
そうね。
そうですとも!
痛い!
(まゆ)えっ…? 奥様…?
(亜佐美)触らないで!
助けて!
(警備員)どうしました?
(沢口)いや なんか
急に痛いって…。
あなた方は?
あっ 俺ら 関係ないっす。
あっ いや 関係はあるけど…。
(警備員)どういう事?
いいえ 待ってください。
私たち こういう者です。
怪しい者じゃないです。
(沢口)大丈夫です。
え!?
奥さん!
やばい… やばい!
捜して! 亜佐美さん!
わっ!
どうした?
(ノック)
執務中です。
仕事中なのは わかった上で
お尋ねします。
奥さんに何かありましたか?
いえ。
では 先ほどのボディーガードは
なんのために来ました?
身辺警護の報告です。
ご心配いりません。
もう一度 お聞きします。
奥様に何かありましたか?
我々SPは
命をかけて判事を護っています。
金のために働いてる民間と
どちらが信頼出来るか…
よくお考えください。
明日 大事な判決を控えています。
下でお待ちください。
(コーヒー豆を挽く音)
携帯も繋がりません。
すいません…。 私が甘かった。
(ため息)
何かあったら…
私が責任取ります。
先輩じゃありません
俺の責任です。
責任なんか取れないよ。
うちらボディーガードは
一度でも失敗したら…。
(ネジが落ちる音)
(島崎の声)
業界から締め出されるらしい。
海外じゃ
ブラックリストもあるみたいだ。
そんな…。
でも まだ失敗じゃない。
ですよね!
7時までに 無事
連れて帰ればいいんですもんね!
BG… 指示ください。
手分けして捜しましょう。
必ず見つけて 連れ帰ります。
(まゆ)誤差なし。
(沢口)誤差なし。
誤差なし。
♬~
(携帯電話の振動音)
はい 島崎です。
三上勇作についての
詳細がわかりました。
「お願いします」
まず 三上に新婚の妻と
赤ん坊がいるというのは嘘です。
「えっ… ん? なぜ そんな嘘を?」
(村田)「島崎くん
よく聞いてください」
♬~
(ノック)
行永さん
ボディーガードの島崎です。
クビだって言ったでしょ。
いや ご主人から
護れと言われましたので。
(亜佐美)それしか言えないの?
それが私の仕事です。
(亜佐美)どうして ここが?
お買いになられたはずの
靴の紙袋が途中で消えてました。
それに 今日のお店で 何度も
お買い物されてるようなのに
ご自宅には 高価な靴が
一足もありませんでした。
はっ… 見つかった! ああ…!
セーフ!! ああ~!
3カ月前から
夫に内緒で借りてるの。
月額1万8000円。
たった2畳のスペースだけど…。
こっそり買った物を預けたり
一人で ぼんやりしたり…。
ここが唯一
窮屈じゃない空間なんですね。
ご主人
裁判官は
家族も正しくなきゃいけないって
仰ってました。
そう。
罪を犯したら終わりだぞ
近所の悪口は言うな
いつも穏やかに接しろ
テレビや音楽のボリュームには
気をつけろ
出前は取るな 贅沢もいけない
目立つ服は着るな…!
私だったら 一日も持ちません。
でも 夫は人に批判されても
愚痴一つ言わない。
怒りも泣きもしない。
私は
夫みたいに立派な人間じゃない。
逃げ場が欲しくて…。
それで ここを…?
三上さんが紹介してくれたの。
彼の会社が経営してるの。
おかげで
裁判官の妻じゃない時間を持てた。
行きましょう。
帰りましょう。
ご主人が心配してます。
♬~
帰れない。
(施錠音)
♬~
(ドアの開く音)
(足音)
高梨くん どうした?
やはり 身辺警護課を辞めた理由を
言うべきだと思ったんですが…。
何かトラブルですか?
うん…。
警察に
知らせるべき状況になってね。
それは ボディーガードとして
クライアントの秘密を
暴露する事になる。
どうするか決めかねてた。
(高梨)島崎さんが
知らせるなって言ったんですね。
よくわかるね。
(高梨)あの人が言いそうな事です。
まあ ボディーガードとしては
間違っていないんだが…。
自分は 間違ってると思います。
クライアントの命令なら
逆立ちして歩くんですか?
裸になって踊るんですか?
それは…。
同じです。
課長は あんな人に
振り回されるべきじゃありません。
♬~
(秒針の音)
(チャイム)
ご縁がありますね。
行永亜佐美さんについて
重要な情報があります。
(村田)申し訳ありません。
奥様を見失うという失態を
犯してしまい…。
居場所は特定出来ましたので
必ずお連れ致します。
(行永)いえ…。
妻は 一体
なぜ そんなところへ…。
今 所轄に手配をかけました。
(村田)放火をしたのは
三上勇作という男です。
かねてより
奥様と接触をしていました。
1年前 判事が判決を下した事件の
被害者家族です。
1年前…。
府中で起きたストーカー事件
覚えておいでですか?
(行永)ええ 覚えてます。
(行永)
では 判決文を読み上げます。
(行永の声)かつての交際相手が
引っ越し先を調べて
訪ねてきたというもので
判例に鑑みて
執行猶予判決を与えました。
確か 被害者は大谷加奈子さん…。
(村田の声)その大谷加奈子さんは
当時 婚約中でした。
判決後に結婚をしましたが
またストーカーに
襲われるのではと心を病み
半年前に
自殺で亡くなっています。
お腹には
お子さんがいたそうです。
その女性の…。
(村田)はい。
結婚した相手が三上勇作です。
明日 判決が下される事件への
脅迫ではなかった。
(村田)逆です。
過去の判決への逆恨みです。
(亜佐美)放火したのは…
三上さんなの。
(三上勇作)旦那が死ねば
亜佐美さんは僕のものです。
自転車に火をつけたのは
僕なんです。
(亜佐美の声)私ね
ずっと 古い自転車に乗って
買い物に行ってたの。
結婚した頃は
夫が よく車で
買い物に連れてってくれたけど
裁判官は
事故に遭っちゃいけないって
車も手放した。
窮屈な生活の象徴が
ママチャリだって
三上さんに愚痴ってたの。
だから 自転車が燃やされた時
彼じゃないかって思った。
でも 変な仲じゃない。
親切にしてくれて
話を聞いてくれて
嬉しかったけど
お茶を飲んだだけ。
だったら
帰れるじゃないですか。
これ 履いて
堂々と帰りましょう。
主人に なんて言えばいいの?
急いでください。
ここは危険です。
危険って?
三上さんは 嘘をついてます。
彼には
奥さんも赤ちゃんもいません。
亡くなってます。
どういう事?
彼は…
旦那さんが
判決を言い渡した事件の
被害者家族です。
きっと 全てを知った上で
近づいてきたんでしょう。
♬~
(秒針の音)
♬~
(亜佐美)あっ ちょっと…。
もう…。
あらっ…。
失礼します。
何? 何?
ちょっと… 何すんの!?
♬~
表に
うちの車が迎えに来ますから。
(エレベーターの到着音)
どうぞ。
♬~
(衝撃音)
キャーッ!
(男)「故障じゃありませんよ」
…はい?
「そのエレベーターの行き先は
こちらで決めます」
(三上)このビルには
他には誰も入れません。
(三上)「悪いけど 亜佐美さん
死んでもらいますね」
どうかしてる…
奥様には何も関係ないでしょう!
(三上)「関係ありますよ」
僕の妻は死んだんだから。
開けてください。
「あなたが犯罪者になるんですよ」
どうしても確かめたいんです。
自分の妻が死んでも
裁判官は冷静に判決が下せるのか。
♬~
(操作音)
(警告音)
♬~
あれ? おかしいな 閉まってる。
他あるか 見てきて。
はい。
♬~
もう おしまい…。
こんな靴 買った
バチが当たったのよ。
裸足じゃ帰れませんよ。
(警告音)
(エレベーターの到着音)
(悲鳴)
♬~
(呼び出し音)
はあ… もう どうなってんの?
携帯も出ない。
(舌打ち)
(三上)邪魔するな。
しますよ
ボディーガードですから。
(三上)どけよ…。
加奈子は死んだんだ。
もう戻ってこないんだよ。
逃げてください。
(亜佐美の悲鳴)
うう…。
(三上)ぐあっ… ぐあっ!
(警告音)
うっ!
ううっ!
イッテ…。
ぐあっ…!
うああっ!
ああっ!
ああ…。
う… あ…。
加奈子…。
(警告音)
うっ…!
(エレベーターの到着音)
♬~
(三上)加奈子!
(警察官)おとなしくしなさい!
その人も…
その人も被害者なんだよ。
(荒い息遣い)
♬~
では 失礼します。
ありがとうございました。
♬~
ご心配おかけしました。
いえ ご苦労さまでした。
ご無事でよかったです。
(まゆ)奥様
ご主人 心配しておられましたよ。
♬~
奥様…。
どんな顔していいのか
わからない…。
そのままで。
無責任な事 言わないでよ。
私 だまされて
馬鹿な事してたのよ。
ええ。
でも 奥様も
ご主人の馬鹿なところ
見たかったんじゃないですか?
♬~
大したもんですね。
武器を持った相手を
素手で取り押さえたと聞きました。
さすが 丸腰でも自信があると
仰っただけの事はありますね。
いえいえ あの… 必死で…。
尊敬申し上げますよ。
買い物から密会まで付き合い
殺されかけた揚げ句
夫婦関係の相談にまで乗るとは…。
ああ 皮肉か…。
すいません ボディーガードは
サービス業なんで
クライアントの要求に従うのも
仕事の一つです。
あなたは クライアントに
死ねと言われたら 死ぬんですか?
極端だな…。
窮屈じゃないですか?
命令に盲目的に従う…
その先には危険しかない。
考えを改めて頂きたい。
あの… 人の話も聞きましょうよ。
僕は 丸腰でも自信があるなんて
そんな偉そうな事
言ってません…。
あの…。
武器なんか
ないほうが強くなれるって
そう言っただけです!
(ドアの開く音)
ん?
(沢口)えっ?
島崎さん。
はい。
私は 自分を偽りました。
心乱れる事がないなんて
嘘です。
本当は
ただの男として 家内の事…。
いや それから先は 奥様と…。
失礼します。
(車のドアの開閉音)
(エンジンをかける音)
♬~
ごめんなさい。
いや…。
私のような者が
人を裁いていいのかな…。
(亜佐美)あなたは間違ってない。
私が知ってる。
(亜佐美)見て。
買ったの。
よくわからないが…。
か… かっこいいな。
下手ねえ 褒め方。
♬~
(すすり泣き)
♬~
(すすり泣き)
(沢口)お疲れさまです。
(村田)お疲れさま。
(まゆ)お疲れさまでした。
(村田)お疲れさま。
もうちょっと
臨機応変にやらないと
毎回 怪我と一緒に
ご帰還って事になるよ。
怪我だけならいいが…。
お疲れさまです。
(村田)
高梨くんが戻る事になりました。
(沢口)えっ 嘘…!
(村田)自分が身辺警護課を
背負う事にしたと言ってました。
何様?
♬~
く…。
なんだよ…。
♬~
(舌打ち)
あの すいません なんですか?
えっ…?
先日は どうも。
おかげで助かりました。
いえ…。
今日は あなたに
お願いがあって来ました。
プライベートな警護を
お願い出来ませんか?
SPに知られずに
会わなければならない
相手がいるんです。
警護の依頼は
会社を通してください。
♬~
♬~
♬~
気持ち悪い事 やめろよ。
風邪引くぞ。
別にいいよ。
なあ…。
朝 いろいろ片付けてたのは…。
またボディーガードを
始めたからなんだ。
ほら
いつ死ぬか わからないから。
部屋だけは
きれいにしておかなきゃいけない。
これ 基本。
(瞬)知ってたよ とっくに。
バレてないと思ってたの?
♬~
おやすみ。
(瞬)ああ。
(村田)今回の警護対象は
1億円です。
黙っていなくなって
しまわれたんですか。
(坂東光英)1億円 持ってきて
くれたら戻るよ~ ってね。
誘拐されたんじゃないですか?
(高梨)彼女の命と
タレントとしての価値
どっちが大切なんですか!?