北朝鮮、軍事パレードを実施 平昌五輪開会式の前日
韓国メディアは8日、北朝鮮が小規模の軍事パレードを実施したもようだと伝えた。韓国・平昌では9日に、冬季五輪の開会式が開かれる予定となっている。
北朝鮮は毎年4月に朝鮮人民軍創建を記念するパレードを行う。今回、五輪直前に予定を前倒したことを米国が批判していたが、北朝鮮は反論していた。
同国の国営テレビは8日、愛国的な映画を上映し、パレードの様子を生中継する準備をしているかに見えたが、その後、パレードはすでに終了しているとの報道が出た。
韓国の聯合通信は政府筋の話として、「北朝鮮は午前10時半(韓国時間)に、パレードを開始していたもようだ」と報じた。
北朝鮮は8日、国営朝鮮中央通信(KCNA)を通じ、平昌五輪期間中に米政府幹部らと会談する意思はないと表明した。
韓国政府高官らは先月、平壌の空港近くに約1万3000人の兵士と約200台の装備が集められていると明らかにし、軍事パレードのリハーサルのようだと述べていた。
専門家たちは、北朝鮮がパレードに長距離ミサイルを登場させるだろうと指摘していた。
オリンピックの「力学」
2月8日は北朝鮮にとって、1948年の朝鮮人民軍創建からちょうど70周年に当たる。北朝鮮はこれまで記念行事を4月25日に行ってきた。
一方、韓国・平昌では今月9日から25日まで冬季五輪が開かれる。
北朝鮮の指導者、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の妹、金与正(キム・ヨジョン)党副部長が出席する予定で、開会式には、同じ旗を掲げて南北のチームが一緒に行進することになっている。
9日の開会式に出席する予定のマイク・ペンス米副大統領は、「北朝鮮が(五輪という)場の背景にある強力な象徴性を利用し、体制の本当の姿を覆い隠すのに使わないように」したいと語った。
平昌冬季五輪組織委員会の李熙範(イ・ヒボム)会長は、北朝鮮の軍事パレードは五輪の「力学」に影響を及ぼすことはないと述べた。李氏はさらに、北朝鮮を含む国連加盟193カ国すべてが、五輪・パラリンピック中の休戦決議を支持していると指摘した。
休戦決議が効力を持つ五輪開幕の7日前からパラリンピック最終日の7日後まで、国連加盟国は敵対行為を控えるよう求められている。