ビットコインも真っ青!一夜にして下落率96.1%を記録した金融商品!
株価が大幅下落した時、数多くの人達が「あの時、資金やリスクの管理をちゃんとしておけば…」と後悔します。
でも、ダメージは負いはしたけど、市場から退場せずに済んだ場合はまだ幸いな方だと言えるでしょう。
中には、回復不能の一発退場で市場を去る人も居るのですから。
今回は、「株価が10%下落した!」や、「仮想通貨が1日で20%暴落した!」などが、まだマシに見えてしまうほどの、1夜にして96.1%下落した驚愕の金融商品をご紹介致します。
そして、そこからリスク管理の大切さを考えていきましょう。
(2049)NEXT NOTES S&P500 VIX インバースETN(通称・VIXベアETN)
まずはその衝撃的なチャートをご覧頂きましょう。
これは1年間の日々の値動きを追ったチャートでございます。
「ん?株価どこ行った?」
私は最初このチャートを見た時、当日の株価がどこにあるのかわかりませんでした。
皆さんは見つけられたでしょうか?
見つけられなかった人のために、わかりやすく黒丸で囲ってみますね。
右下の黒丸で囲った赤い点が、下落した株価の位置です。
前日の終値2万9400円から、わずか1日で1146円まで値を下げました。
もはや暴落とかそういう次元ではありません。
このチャートを見た時、この商品を持っていない私でさえ「え~!?」とビックリしたので、保有者は青天の霹靂だったことでしょう。
もし私がこの下落をくらったら、その場に崩れ落ち、ご飯も喉を通らなくなって、
生活どころではなくなると思います。
(2049)NEXT NOTES S&P500 VIX インバースETN(通称・VIXベアETN) とはどんな商品だったのか?
VIXベアETNとは何なのかを知る前に、まずVIXを説明しておきましょう。
この金融商品は説明がすごくめんどう複雑なのでわかりやすく簡単に説明します。
VIXとは
VIXとは、アメリカの主要株価指数の1つである「S&P500」を対象としたオプション取引を元に算出される指数です。
このVIX指数が何を表すのかというと、投資家の不安な心理状態を数値で表すのです。
VIXは別名「恐怖指数」と呼ばれていて、その数値が高まるほど、投資家の不安が高まっていると言えます。
歴代のVIX指数
VIX指数は通常時、10~20の間を推移するのですが、
どんな時にこの恐怖指数の数値が高くなるのでしょうか。
過去の出来事とその時のVIX指数を見てみましょう。
1997年10月 アジア通貨危機 48.64ポイント
2001年9月 アメリカ同時多発テロ 49.35ポイント
2008年10月 世界金融危機(リーマンショック) 89.53ポイント
2011年10月 ギリシャ危機 46.88ポイント
2015年8月 チャイナショック 53.29ポイント
リーマンショックをきっかけとした世界金融危機の時が、他の数値と比べて群を抜いて高いですね。VIX指数の史上最高記録となります。
そして、先日あった大幅下落(2018年2月6日)が
2018年2月 なんか良くわからないショック 50.30ポイント
となりました。 歴代の記録に比肩しうるほど恐怖指数が上がっていたのですね。
VIXベアETNは、VIX先物指数の前日の変動比のマイナス1倍の値動きをする商品
では、今回96%下落したVIXベアETNはどういう商品かと言うと
簡単にいえば、このVIX指数の逆の値動きをする金融商品なのです。
先日のアメリカ株の大幅下落によって、VIX指数が大きく上がりましたので
VIXベアETNは逆に大きく下がってしまったんですね。
ちなみに週ごとの週足チャートでみるとこんな感じです。
このVIXベアETNの価格の動き方を知って、中にはこう考えた方も居るのではないでしょうか?
「いずれVIX指数は低くなるので、それを見越して、この96%下落した所を買えば大きく儲ける事ができるのでは?」と。
それがダメなんです。
この金融商品は「1日で前日の終値の5分の1まで価格が下がった時点で早期償還」というルールが予め定めてあるのです。償還というのは投資家にその価格で資金が返されてしまうことです。
つまりこの商品はもう終わりということです。
償還のルールを知って買っていた人も知らずに買っていた人も…
この償還ルールを分かって買っていた人も、実際その目に合うまでは
「まさか自分がそんな目に合うとは…」と思いもしなかったことでしょう。
そして、中にはその償還ルールを知らずに購入していた人も居ると思います。
その人も「まさか自分がそんな目に合うとは…」と思ったはずです。
その事態が実際に起きて初めてそのリスクの大きさを実感するのです。
自分が背負っているリスクを確認しよう!
この商品はマーケットで誰でも普通に買えるものなので、他人事ではすまない部分があります。
非常にリスクが高い金融商品は、マーケットに普通にゴロゴロあるので気を付けてください。
実際、以前に私もこの商品を目にしたことがあったのですが、
その時は「なんか商品説明がめんどくさいし、よく分かんないからやめとこう」という理由で購入を辞めておいて正解でした。アホで良かった(笑)
でも、よくわからないものには手を出さないっていうのは、株に限らず投資では大切なことですよね。
そして、この例を教訓にして、いま株式投資で自分が背負っているリスクを見直してみてはいかがでしょう。
もし何かあった時にどういう事になるのか、自分の取っているリスクは許容できるものなのかを今一度確認してみましょう。
人は上昇中にある相場ではそのことを忘れがちになります。何か起きてから事の重大さがわかるのです。
儲けることに目が行くのは仕方のない事ですが、その裏にあるリスクにもしっかり目を向けて資産運用を心がけるようにしましょう。
※投資はすべて自己責任で行いく下さい。