Photographer: Kiyoshi Ota
安全資産通貨の対決は円に軍配か、スイスより日本の景気に期待感
Anooja Debnath、John Ainger-
インベステック、スイス・フラン売り・円買いを有望視
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スイス・フランは年末に104円に下落へ-ING銀行
安全資産通貨の中ではスイス・フランよりも円が今年は好調になると投資家は見込んでいる。
欧州の政治リスクが後退している上、スイス国立銀行(中央銀行)はスイス・フランが「高い評価」というレトリックから離れようとしないことから、オプション市場では円が有望視されており、アナリストはフラン安を予想している。
日本銀行がスイス中銀よりも先に、政策正常化に向けて取りあえず措置を講じるのではないかとの思惑もある。
インベステック・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ラッセル・シルバーストン氏は、世界経済が加速する中でスイスから資金が流出すると予想。「ここでわれわれが好む方法はスイス・フランを対円でショートとすることだ」と述べた。
ING銀行は、スイス・フランが対円で現在の1フラン=116円程度から10%下落して年末には104円を付けると予想する。ブルームバーグが調査したフラン・円相場のアナリスト予想コンセンサスでは18年末までに115円79銭への下落が見込まれていた。
ING銀行の通貨ストラテジスト、ビラジ・パテル氏は、円が押し上げられているのは「日本経済の状況が転換し始めつつある」ことが背景にあると指摘。「スイス・フランにはこうしたダイナミクスがない。スイス中銀は行動の検討についてさえも一番最後になるだろう。金融政策の正常化を考える国々のグループを見渡すと、スイス中銀は列の終わりにいる」との見方を示した。
原題:In Battle of Two Havens, Investors Bet on Yen Over Swiss Franc(抜粋)
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