Kyoko Shimbun 2018.02.08 News

ゴキブリ、ピンクに染める化合物開発 殺さない駆除剤へ道 これは嘘ニュースです

ゴキブリピンク化の仕組み
 都立バイオ研究所は7日、ゴキブリの遺伝子に作用し、子世代の体表をピンク色に変える化学物質を開発したと発表した。見た目の印象を変えることで、ゴキブリと共存できる社会を目指したいとしている。

 研究チームは15年、ゴキブリのDNAを解析して体表の色を決定する遺伝子を特定している。その後さらに研究を進め、この遺伝子に作用して体の色を変える化合物「ファンタズマイシン」を開発した。ファンタズマイシンを餌に混ぜれば、子世代の色を自由に決めることができる。

 同研究所が行ったアンケート調査では、ゴキブリが嫌われる原因は「色」が「形」に次いで2位だった。また、青色や白色など体色を変えたゴキブリの写真を見せたところ、どの色でも「気持ち悪い」が9割を超えたが、かろうじてピンク色のみ「愛着がわく」が「気持ち悪い」を上回ったことから、ピンク色に決めた。

 ファンタズマイシンで変化した体表色の形質は、元の黒色に対して顕性(優性)のため、世代を重ねるにつれ、黒いゴキブリは減っていき、最終的に駆逐される見込み。民間企業と手を組み、早ければ来年にも「殺さない駆除剤」として商品化を目指す。

 開発の動機について、研究を主導した小黒千寿夫主任研究員は「無駄な殺生をやめ、ゴキブリと仲良く共存できる社会を作りたかった。カブトムシのように子どもが捕まえたくなる虫になれば」と説明する。好感度の高いピンクとゴキブリ本来のツヤをきっかけに「観賞用ゴキブリ」への道も期待できるという。

 一方でゴキブリのピンク化に懸念を示す専門家もいる。ゴキブリの生態に詳しい京都大学昆虫心理学部の坂本義太夫教授は「『黒いゴキブリは気持ち悪い』という偏見や思い込みを改め、あるがままを受け入れることこそが本当の共存ではないか」と指摘する。

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