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福井県で、大雪の国道で立ち往生が起こって、陸上自衛隊が救助に出動した。
《 北陸大雪 福井では1500台立ち往生、災害派遣要請で陸自出動 》
北陸地方は6日、記録的な大雪に見舞われた。福井県内の国道8号で車約1500台が立ち往生し、同日午後、県の災害派遣要請を受け陸上自衛隊が出動した。福井県警などによると、福井市ではエンジンがかかったまま雪に埋もれた車から50代の男性が心肺停止状態で見つかり、間もなく死亡を確認。一酸化炭素(CO)中毒とみられる。
陸自は隊員約500人が出動。除雪作業を行い、救援物資を配布した。さらに約250人を追加派遣した。
( → 産経WEST )
《 陸自、900人態勢で除雪作業を継続 立ち往生減少も、解消めど立たず》
7日午後も断続的に雪が降り続いた。陸上自衛隊などによると、石川、福井両県内の国道8号で身動きが取れない車は約800台に減少した。陸自は約900人態勢で除雪作業を継続、立ち往生の解消のめどは立っていない。
福井県あわら市と隣の坂井市の約10キロ区間で発生した立ち往生は、ピーク時の約1500台から400台以下に減少。しかし、その両側でも立ち往生が発生し、石川県加賀市から福井市にかけて約40キロの範囲で計約800台が動けなくなっている。
福井県によると、人工透析に向かう途中で巻き込まれた70代女性が7日午後、体調不良を訴え、救急搬送された。
( → 産経フォト )
では、どうすればいいか? 私としては、こう提案したい。
「陸上自衛隊は、救助するべきではない。立ち往生した車を、放置するべきだ」
こう聞くと、「とんでもない!」と怒り出す人がいるだろう。「お金と人命のどちらが大切なんだ! 費用を削減するために人命を無視するのか!」と。
しかし、それは早とちりというものだ。「金よりも人命を優先する」というのは、本サイトの方針だ。(武器ばかりに大金をかける安倍首相とは違う。)
そこで、人命優先の方針から、こう結論するのだ。
「人命を救うために、立ち往生を放置せよ。なぜなら、立ち往生を解消させようとすると、人命がおどんどん奪われるからだ」
こう聞くと、「え? どういうことだ?」と思って、「? ? ? ? ? ?」と感じる人が多いだろう。そこで、説明しよう。
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まず、自衛隊が出動して、立ち往生の対策をしたことは、まったく効果がなかった。むしろ、逆効果があった。そのことは、記事でも報道されている。
「福井市ではエンジンがかかったまま雪に埋もれた車から50代の男性が心肺停止状態で見つかり、間もなく死亡を確認。一酸化炭素(CO)中毒とみられる」
「人工透析に向かう途中で巻き込まれた70代女性が7日午後、体調不良を訴え、救急搬送された」
一人が死亡し、一人が健康被害に遭った。まさしく、被害が発生しているのだ。こういうことが起こったのは、自衛隊が立ち往生の解決を試みたからだ。
では、かわりにどうすればよかったか? こうだ。
「自衛隊は立ち往生の解消をしない。立ち往生の解消のためには、政府は何一つしない。一切、放置する」
こう宣言すればよかった。そうすれば、人命の被害は生じなかっただろう。
では、なぜか? こうなるからだ。
「立ち往生の解消をするのならば、立ち往生が解消したときのために、ドライバーは対処をする必要がある。つまり、自動車に乗っている必要がある。
一方、立ち往生の解消をしないのならば、立ち往生が解消したときのために、ドライバーは対処をする必要がない。つまり、自動車に乗っている必要がない」
すると、どうなるか? こうだ。
「ドライバーは、自動車に乗っている必要がないのだから、自動車を離れて、近くの建物に退避できる。今回は、公民館が用意されていたので、公民館に退避できる。他に、温かな食事を取れる食堂もあるので、そちらに退避してもいい。あるいは、好意のある民家に民泊してもいい。いずれにせよ、自動車を離れて、建物で休むことができる。特に、夜間は布団で眠ることができる。その後、大雪が収まったら、自衛隊が除雪活動をするので、それが済んだころに、自動車に戻ればいい」
こうすれば、死者は出ないし、健康被害も発生しない。それどころか、暖かな建物で眠ることで、健康を改善できるだろう。(寝不足も解消する。)場合によっては、ホテルで風呂を浴びて、いい気分になれるかもしれない。
→ ホテルエイト(ラブホ)
→ ホテルというわけで(ラブホ)
※ ラブホを一人で利用することもできるし、男同士でもOK。
→ 同性カップルの宿泊拒否ダメ 厚生労働省:朝日新聞 2018-02-02
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というわけで、「立ち往生している自動車には、何もしない。かわりに、ドライバーを退避させて、ドライバーの健康を守る」という方針が正しいわけだ。
本質的には、「自動車を救うのではなく、人間を救う」ということだ。なのに、自動車が立ち往生したとき、人々は自動車を救おうとしてばかりで、人間を救おうとしない。ここでは、本末転倒のことが起こっているのだ。だからこそ私は、「人間を救う」という方針のもとで、「立ち往生した自動車を放置せよ」と唱えているわけだ。
ただし、読解力の人はここを誤読する。「立ち往生した自動車を放置せよ」というのを、「立ち往生した自動車に乗っている人を放置せよ」だと早とちりする。そして早とちりしたあげく、ありもしない対象(妄想)を批判するわけだ。「立ち往生している人を放置するとはけしからん!」というふうに。……そんなこと、誰も言っていないんだけどね。
[ 付記 ]
現実には、避難した人は、かなりいる。その人たちは、ひどい目に遭わずに済んだ。
《 車立ち往生の福井・国道8号、困憊のドライバー食料求めコンビニに数km歩く 》
坂井市では7日、発生から1日以上経過し、疲労が蓄積したドライバーが近くの公民館に避難する姿も見られた。「一刻も早く解消してほしい」。沿線の商店では食料品が尽き始め、終わりの見えない渋滞に不安の声も聞かれた。
周辺の積雪は、住宅の2階付近にまで達した。坂井市は公民館など3カ所を開放し、毛布や食料を提供。車から降りてきた人たちが、つかの間の休息を取った。
国道沿いのコンビニ店には、車から数キロ歩いて食料を買い求めに来る人も。しかし、既におにぎりやパンは売り切れ、あるのはカップ麺やお菓子だけ。店長の奥田暁生さん(69)は「商品の補充ができず、なくなるのも時間の問題。早く渋滞を解消してほしい」とため息をついた。
( → 【記録的大雪】 - 産経WEST )
自動車にいると、コンビニまで買い出しに行く。何度も往復する。(その理由の一つは、トイレを借りるため。)当然だが、コンビニの品物は、すぐに品切れになる。
ここでは、コンビニの商品を補充するべきか? いや、道路がふさがっているので、補充は無理だ。
となると、人間が退避するしかない。
「坂井市は公民館など3カ所を開放し、毛布や食料を提供。車から降りてきた人たちが、つかの間の休息を取った」
ということだから、ここで助かればいいのだ。
なお、地図を見ると、公民館のほかに、そばには中学校も高校もある。当然、体育館もあるし、暖房付きの教室もある。さらに、市役所もある。おまけに、温泉もある。
要するに、休むための場所は、いくらでもあるのだ。そこで、雪が収まるまで休むのが、最善だろう。無理して車中泊をするのは、ほとんど自殺行為だ。
なのに、そういう愚行を推進するのが、政府だ。(ドライバーを死なせるために、わざわざ自衛隊を出す。仮にドライバーが車中泊をしなければ、除雪が済んだときに、他人に大迷惑がかかる。)
自衛隊員だって、雪の中で苦労する必要はない。雪が収まってから働けば十分だ。無理に働かせるのは馬鹿げている。雪の中で無理な労働をすれば、自衛隊員だってひょっとしたら、心臓麻痺になる人が出るかもしれないしね。
( ※ 心臓疾患は、肉体の健康とは、あまり関係ない。筋肉隆々の屈強の自衛隊員だって、心臓疾患になることはある。寒さのなかで無理はしない方がいいのだ。)
現状では、自衛隊員は、国民の命を守るためではなく、国民の命を奪うために、一命を差し出すことになる。何たる愚かさ。
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下記に動画がある。その2番目を見ると、雪がどんどん積もっている。
こんな状況で、暖房を取るためにエンジンをかけていたら、一酸化炭素中毒になる危険は高い。かといって、ひんぱんにマフラーで雪掃除をするのも、大変だ。そもそも、夜間に寝ているときには、マフラーの雪掃除もできない。
ならば、こういう危険なところからは、さっさと退避するのが利口というものだ。
【 関連動画 】
という運転者のコメントが紹介されていましたが不思議です。
自衛隊が運転者全員を救出し、事態が好転するまでの一時避難場所を設営/用意すればいいのでは、という目で見ていました。しない、できない理由が何かあるのでしょうか。
自衛隊が救出しなくたって、単に道を歩けばいいだけです。車は数珠つなぎなんだから、一人の人が掻き分けるべき雪は、2~3メートルくらいだけ。そこから先は、すでに雪は掻き分けられている。(他の人がいるので。)
1キロ先には公民館があるんだから、自衛隊は設営も何もしなくていい。
自衛隊の出番はない。せいぜい、「皆さん、歩きましょう」と告げるだけ。しかしそれも伝言ゲームで済む。
自衛隊がやるべきことがあるとしたら、すべての人が出払ったあとで、動けないで残っている人がいないか、確認することだけでしょう。そのくらいは、自衛隊でなく警官が一人いれば済む。
> しない、できない理由が何かあるのでしょうか。
こうすればいい、ということを知らないから。
Openブログを読まないからかな。困ったときには Openブログを読みましょう。(いや、今回は手遅れだったか。……)
こちらのかたは、立ち往生とは無関係です。