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洋楽和訳ブログ

当サイトは転載可能ですが、その際は転載元をリンクしていただけるようお願いします。また、訳詞はあくまで個人的な見解によるものです。

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Virtual Insanity / Jamiroquai

俺たちの暮らしている世界について
喋らせてよ


それにしても驚いちゃうぜ、ちっちゃいはずの物がでっかくても
人間ってともかく食っちゃうんだから
いったい俺たち、どんな魔法の呪文を自らにかけようとしてるんだか
それでも、俺はこの世界にありったけの愛を捧げているんだけどさ
結局、明らかになるのは
目が見えない、息ができないってことだけ
俺たちきっと、もうやってけないのさ


なのに、俺たち生き方を変えようとはしない
だって、俺たちいつも貰いはしても捧げないじゃないか
そして、事態がさらに深刻になっている今
ほら、やばい世界さ、俺たちの暮らしている所は
にしても理解不能だよ、俺たち、半分いる罪まみれの連中に
ただひたすら捧げなけりゃならないだなんてな


こんな未来は狂気の沙汰も同然だぜ
今やいつだって、俺たちが抱く例の愛情に縛られてるらしいからな
俺たち、役にも立たない歪んだニューテクノロジーを愛しちゃうのさ
もう音もしない
だって、俺たちみんな地下で暮らしてるんだぜ


それにしても、俺たち何て混乱の中にいるんだろうか
どこから手をつけりゃいいんだよ
俗物どもが作った反吐の出そうなしがらみから解放してやれりゃ
そうすりゃ今や母親はみんな、我が子の肌の色を選べる
それって自然に背いてるよね


やれやれ、みんなついこの間までそう言ってたんだぜ
祈ることしか残されてないんだ
そろそろ新たな宗教を見つけたほうがいいのかも
まったく狂ってるぜ、異なる種を合成しちゃうなんてさ
俺たちの手にあるこんな未来には
明らかにすべきことがあるんだ


未来は狂気の沙汰も同然だぜ
今やいつだって、俺たちが抱く例の愛情に縛られてるらしいからな
俺たち、役にも立たない歪んだニューテクノロジーを愛しちゃうのさ
もう音もしない
だって、俺たちみんな地下で暮らしてるんだぜ


もう音もしない
俺たちみんな地下で暮らしてるんならね
だから、今やバーチャルインサニティ(事実上の狂気)なんだぜ
バーチャルリアリティ(仮想の現実)なんか忘れて
そんなにひどいもんじゃないぜ
人間が人間を産むんだから
そうさ


そうさ、やってけないよ


俺たちが暮らしているこのバーチャルインサニティは
変わらなくっちゃ
物事は決して同じじゃいられないのさ
もうやってけないよ
俺たちがバーチャルインサニティの中で暮らしているかぎりは
この世界は変わらなくっちゃ
だってもうこれ以上、これ以上やってけないよ
バーチャル、バーチャルインサニティだったのさ
俺たちが暮らしていた所は、俺たちが暮らしていた所は
今やバーチャルインサニティとはそういうことなのさ


未来は狂気の沙汰も同然だぜ
今やいつだって、俺たちが抱く例の愛情に縛られてるらしいからな
俺たち、役にも立たない歪んだニューテクノロジーを愛しちゃうのさ
もう音もしない
だって、俺たちみんな地下で暮らしてるんだぜ


今や未来は狂気の沙汰も同然だぜ
いつだって、俺たちの愛情に縛られてるらしいからな
俺たち、例の役にも立たない歪んだニューテクノロジーを愛しちゃうのさ
もう音もしない
だって、俺たちみんな地下で暮らしてるんだぜ


そうなのさ


今、俺たちが暮らしている世の中
行き着く先は堕落した世界さ
そのうち消えてなくなっちゃうよ
だって、そうだろ?
溶けゆく人間ほどひどいものはないんだ
それでも、愚かな人間ほどひどいものはないんだ


バーチャルインサニティが俺たちの暮らしている世界なのさ
それでいいのさ…





この曲が発表された当時、ソニーのMD(懐かしい!!)のコマーシャルや
例のあの不可思議で衝撃的なミュージックビデオが頻繁に流されてました。

なので、リアルタイムで耳にしており、何となく気になってはいたのですが
当時の自分はエリック・クラプトンやベイビーフェイスに夢中で
ついぞジャミロクワイのCDを購入するには至りませんでした。

それから十数年経った今、
例のカップヌードルのCMに釣られてCDを買ってしまったという…
何て罪深いCMなんだ!!

で早速、訳してみたいという衝動に駆られたのですが
文法が少し複雑な上、詞の内容もとても抽象的、観念的すぎてかなり手こずりました。
なので、和訳の内容には全く自信が持てません。あしからず。

ちなみに、ミュージックビデオ版では歌詞が省略されている箇所が一部ありますが
こちらで訳されたものはアルバムオリジナル版の歌詞となっています。
ただし、途中一部でアクセントが不明瞭で聞き取りにくかった箇所があり、
そこについては間違えてる可能性があります。

なお、“virtual” という単語を「仮想」と訳すことについては、
色々と問題があるようです。
詳しくは、Wikipediaの「バーチャルリアリティ」の項を参照して下さい。

私自身は以下のように “virtual insanity” いう曲を理解しました。

ニューテクノロジーが発達した結果、人間はそれを使って
異種合成という今までの価値観とは相容れないこと
(小さい物を大きくして食べられること[遺伝子組換え作物?]や
母親が子供の肌の色を選べること[人工授精や精子バンク?]等)
を可能にしてしまう。

そのような未来は、表面上はそう見えないけれど、
実質的には狂気の沙汰も同然 (virtual insanity) なのだと。

なので、上記 Wikipedia の解説にもありますが、
“virtual insanity” を「仮想狂気」と訳してしまうと
あたかも実質の伴わない、頭の中で空想しただけの「狂気」と誤解され、
適当ではないように思いました。

1996年発表『Travelling Without Moving~ジャミロクワイと旅に出よう~』収録曲。




“man can eat at all”
否定文では「全然~ない」という意味で “at all” はよく使われますが、
肯定文の “at all” は今回初めて勉強しました。
「ともかく」っていう意味みたいですね。



“I'm giving all my love to this world only to be told ~” の部分。
“only to be told ~” の所を「結果のto不定詞」として訳しました。

“I'm giving all my love to this world but I am only told (by them) that ~”
(俺はありったけの愛をこの世界に捧げているけど、~だと明かされるだけである)
それが一番ふさわしいように思えましたので。
例文
“I worked hard, only to fail again.”(一所懸命働いたが、また失敗しただけだった)
でも「結果のto不定詞」について自分は今まで過去形でしか見たことないんですよね。
元の文は現在進行形だし…、なのであまり自信がありません。



“we can always take but never give” の部分
いわゆる “give and take” (譲り合い)しないということを言いたいのでしょうか。



“Half of us (who is) immersed in sin is all (that) we have to give these” の部分
骨格となる文は 
“Half of us is all” なので、とりあえず直訳してみると
「罪に染められた俺たちの半分が俺たちが与えなければならない(対象の)全てである」
→「罪に染められた俺たちの半分(という対象)ただそれだけに俺たちは与えなければならない」

「罪に染められた俺たちの半分」ってどういう意味なんだろう?
単純に「人類の半数がニューテクノロジーに盲目して生きている」ってことなのかな…

最後の “these” は曲の中では前文にくっついているように聞こえますが、
実際は、次文の主語となる “futures” に掛かっていて、
前節までに述べられてきたことを指して「これらの未来」となっているのだと思います。

「ちっちゃいはずの物がでかくってもとにかく食っちまう」、
「目が見えない、息ができない、俺たちもうやってけない」、
「半分いる罪まみれの連中だけに捧げなけりゃならない」ような「これらの未来」
具体的には、
「遺伝子組み替え食品を平気で食べてしまう行き場を失った罪深き人類の未来」



“Futures (which is) made of virtual insanity
Now always seem to be governed by this love (that) we have
For useless, twisting, our new technology”
の部分の構造

骨格となる文は
“Futures seem to be governed by this love”
「未来はこの愛情によって支配されてるみたい」

“made of virtual Insanity” は主語となる “Futures” を後ろから説明している
「事実上の狂気から成る未来」

“by this love” 以降は “and” を付け加えて2つに分けて考えると分りやすいですね。
“by this love (that) we have and for our new technology”
「俺たちが持つこの愛情つまりは俺たちのニューテクノロジーに対する愛情」

以上を繋ぎ合わせて一文を直訳すると
「事実上の狂気から成る未来は
俺たちが持つこの愛情つまりは俺たちのニューテクノロジーへの愛情によって
支配されてるみたい」



“If I could slip the sickly ties that earthly man has made
and now every mother can choose the colour of her child”
の部分

“and”=そうすれば(ある条件下で成立する結果を表す)
例文 : You can tell me and I'll help you out(言ってくだされば、手伝いますよ)

さて、全文を見てみると、ここは仮定法と直接法がごちゃ混ぜになってますね。
本来の仮定法だけの形であれば、以下の形になるはずなのですが。

“If I could slip the sickly ties that earthly man has made
and now every mother [could] choose the colour of her child”
(実際にはできないけれど仮に)俺がしがらみを解くことができたなら
今や母親たちは子の肌の色を選べることができるのに…
(でも実際にはしがらみを解くことができなくて、母親が子の肌の色を選ぶことができない状態)

敢えて、仮定法と直接法を混ぜたと思われる理由としては
「(実際、俺にはできないけれど仮に)俺がしがらみを解くことができたなら
(でも現実には、母親たちは自らしがらみを解いたので)今や、子の肌の色を選べる状態にいる」
…みたいなニュアンスを出したかったのではないでしょうか。



“Well that's what they said yesterday” の “they”
その前に出てきた “every mother” を指してるという意見もあるようです。
個人的には、この “they” は特定の誰かではなく世間一般の人を指してると思うのですが、
自信はありません。

英語ネイティブでないのでよく分りませんが、
単数形である “every mother” を複数形 “they” で受けることってあるのでしょうか?

確かに、「すべての母親」という意味においては「複数形」だとは思うんですけどね。
どうなんでしょう…

例文:They say we shall have a hard winter.(今年の冬は厳しいということだ)
   They speak Spanish in Mexico.(メキシコではスペイン語を話す)



“it's so insane to synthesize another strain” の部分
“strain” には「系統、血統、血筋、家系」と「緊張、重荷、重圧」という意味の他、
「(動植物の)変種、品種、(遺伝的な)性質」という意味もあるのでこの部分も迷いました。

自分としては、
「種を合成することによって、小さい物を大きくして食べられたり、母親たちが我が子の肌の色を選べる」
そしてそのことが狂ってることなのだと理解しました。
いわゆる「遺伝子組換え作物」、「精子バンク」、「人工授精」等に対する批判なのではないかと。

で、よく見てみると形容詞 “insane” の名詞形が “insanity” なんですよね。
なので、この部分がジェイ・ケイが一番言いたかったことなんではないかと推測されます。




“there's nothing so bad …” に続く歌詞
この部分、聞き取りにくいし、ネット上の歌詞サイトを調べてもはっきりしませんが、
この映像の2分17秒あたりでは “as a man having(have?) a man” と言ってるように聞こえます。

“have” には「(子供を)産む」という意味もあり、内容的にも
「母親が子供の肌の色を選んでるとしても、人間が人間を産んでるんだからそんなに酷いことじゃない」
と皮肉まじりのあきらめのニュアンスで言ってるように思います。



“It's all going wrong and (going) out of the window”
“go wrong” =「道を誤る」、「正道を踏み外す」、「堕落する」
“go out of the window” =「消えてなくなる」
(直訳)それ(life=世の中)は堕落し、消えてなくなるだろう(現在進行形の未来表現)


“There is nothing worse than a melting man” に続く歌詞について
この部分もネット上の歌詞サイトによっては
“There is nothing worse than a melting mind” だったり
“There is nothing worse than a man made man” だったりします。

ただ、公式のミュージックビデオで歌うジェイ・ケイの口元を見るかぎり、
“a man made man” とは発音してないような気がします。

個人的には以下のように発音してるように見えます。
“There is nothing worse than a melting man”
“There is nothing worse than a foolish man”

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コメント


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僕はこの曲が大好きで~す。

Jay Kay | URL | 2012-09-30(Sun)16:22 [編集]


コメントありがとうございます。
僕もこの曲が大好きで〜す o(^-^)o

五平餅虎 | URL | 2012-09-30(Sun)18:14 [編集]


ここの訳が個人的に1番しっくりきますね
他のとこのはなんか直訳みたいなものばかりで・・・
見つけられてよかったです

| URL | 2014-03-09(Sun)20:07 [編集]


Re: タイトルなし

この曲はひとつひとつの単語や文法の解釈がとても難しく苦労しましたので、
そのようなお褒めの言葉を頂けて嬉しいです。
ありがとうございました。

五平餅虎 | URL | 2014-03-11(Tue)10:18 [編集]


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