2018年2月6日(火)
常磐線で出産助けた女性表彰 取手在住最上さん「元気に育って」
- 出産を手助けして表彰状を贈られた最上都寿美さん(右)と藤井信吾取手市長=取手市役所
取手市は6日、JR常磐線の列車内で1月、乗客だった20代妊婦の出産を手助けした取手市宮和田、パート従業員、最上都寿美(つづみ)さん(40)を表彰した。最上さんは「赤ちゃんにはたくましく、元気に育ってほしい」と願った。
最上さんによると、1月19日、都内から帰宅するため、四男(4)と一緒に品川発土浦行き特別快速電車に乗っていたところ、千葉県柏市の柏駅に到着する前、隣の妊婦が苦しみだした。「大丈夫ですか」と声を掛けると、「陣痛が来ました」と答えた。
最初はどうしようと思ったが、まもなく妊婦が「破水した」と訴えた。4男1女を産んだ経験が自らを後押しし、「やるしかない」と覚悟を決めた。
柏駅に停車すると、ドアをまたぎ、ホームの駅員に「発車させちゃ駄目」と叫んだ。近くにいた女性2、3人に、たまたま持っていたバスタオルで妊婦が見えないよう隠してもらった。見ると乳児の頭が出てきていた。最上さんが女児を取り上げると、「おぎゃー」と元気な産声が車内に上がったという。
授与式で藤井信吾市長は「的確な判断と勇気ある行動。素晴らしい市民に元気づけられた」とたたえた。最上さんは「私一人ではなく、周囲にいた人が助けてくれた。無事に生まれてくれて良かった」と笑顔で話した。(石川孝明)