トルドー加首相、女性発言の修正で非難 政治的正しさで
カナダのジャスティン・トルドー首相が対話集会で発言に立った女性を遮り、言葉を修正させたようとしたことで、女性を見下す態度を取ったなどと非難されている。
トルドー首相は今月1日、西部アルバータ州エドモントンで開かれた対話集会で、女性が「人類(mankind)」という言葉を使った際、言葉に含まれる「man」が男性のみを人類の対象にしているとの批判を念頭に、男女両方を含む「people」を使って「peoplekind」と言い直すよう求めた。
これを受け、「男性が女性を見下して諭すような態度をとった」、「自分が善良な人だと印象付けようとした」、「ない言葉をでっち上げようとしている」などと、トルドー首相を批判する声が出ている。
一方で首相の報道官は、トルドー氏が「平等への強い決意」を反映した政策を推進する「誇りあるフェミニスト」だと反論した。
野党・保守党のミシェル・レンペル議員は、発言を遮られた女性に謝罪するコメントをツイッターに投稿し、「連邦議会を代表して、発言を遮られた女性に彼(トルドー首相)の態度を謝罪します。追伸:彼が私を遮ろうとしようものなら、思い知らせてやるのに」と述べた。
ジャーナリストのロビン・アーバック氏はツイッターに首相と女性のやり取りを撮影した動画を投稿し、「あなたは正しいフェミニストじゃないと男に言われた、あの時の感じ」とコメントした。
集会で発言した若い女性は、トルドー首相が閣僚の男女比率を同じにしたことを賞賛し、カナダ経済で女性がもっと活躍すべきだと語った。
自分は朝鮮半島系女性の権利を擁護するキリスト教教会のメンバーだと自己紹介したこの女性は、トルドー首相のボランティア活動や宗教団体に対する考えについての質問を、「母親の愛は人類(mankind)の未来を変える愛です」との言葉で締めくくった。
壇上にいたトルドー首相は、女性の発言を遮るように手を振り、「mankindではなく、peoplekindと言ってもらえませんか。その方が人々をより幅広く受け入れる言葉なので」と述べた。
女性は、「まさにそうですね。ありがとうございます」と返し、聴衆も歓声を上げ、拍手した。
トルドー首相は、「全員がお互いから学ぶことができる」と語った。
首相と女性のやり取りを撮影した動画には、インターネット上で多くの人が反応。一部の人は、「peoplekind」という言葉は英語に存在しないと主張した。
しかし、トルドー首相を擁護する意見もある。一部の人は、女性のとりとめのない発言に聴衆がため息をついたのに対し、首相が女性の発言権を尊重するよう呼びかけたことを指摘した。
(英語記事 Canada PM Trudeau faces PC backlash over 'peoplekind' comment)