日本では、ほとんどのPCでOSがプリインストールされています。レンタルPCは在庫として扱われ、お客さまからリクエストがあれば、すぐに必要な台数のPCを提供します。そして、不要になれば返却され、初期化してまた在庫として扱うのです。
読者の皆さまはお気付きでしょうか。Windows 10では、この在庫が“陳腐化”してしまうということを……。
在庫したPCがすぐにレンタルされるとは限りません。在庫の期間が半年も過ぎれば、最新のバージョンではなくなり、18カ月経てば確実にサポートが終わります。そうなれば“旧世代”のマシンとなってしまうのです。また、返却されたPCをクリーンアップするには、購入時のリカバリーメディア(※)を使うのですが、このリカバリーメディアのバージョンも、半年で最新ではなくなり、18カ月でサポートが終わってしまうため、実質的に使えないものになるわけです。
※購入時にプリインストールされているOSのイメージが保存されたメディア。多くはPCに付属しているか、別売で提供される
Windows 7までは、OSが多少古くなっても、Windows Updateでパッチを当て続ければ、最新かつセキュリティ的にも安全な状態になりました。「サービスパック」という便利なシステムもありました。それを当てれば、あっという間に最新のWindowsです。しかし、Windows 10はそうもいきません。Feature Updateは、OSの中身を丸ごと入れ替えるような「アップグレード」なのです。
ドライバやセキュリティソフトウェア(ウイルス対策、多要素認証など)など、OSのコア(カーネル)で動くソフトウェアの互換性はシビアです。特に企業向けPCでは、新しいWindows 10のバージョンにアップグレードする前に動作可否を確認するために、必要に応じて、先に最新の状態にバージョンアップして、テストをする必要があります。
これまで、PCリプレースの主な動機は、バッテリーがもたないとか、キーボードが反応しないとかいった「ハードウェアの経年劣化」でした。しかし、今後はハードウェアアーキテクチャそのものが陳腐化する可能性もあります。OSの進化から取り残される形で、2~3年で、まるで役に立たなくなるハードウェアが出てくるかもしれない――というわけです。
5~7年ごとに予算化する、大規模なPC入れ替えプロジェクトなんて現実的ではなくなるでしょうし、PCのリプレースサイクルは大きく短縮するはずです。
そんなふうに、激的に変えざるを得なくなったWindows PCの運用について、数十万台規模のPCを運用している横河レンタ・リースでは、この状況を乗り切るための特別プロジェクトが発足しました。この連載では、当社のプロジェクトを紹介しながら、これからの時代におけるWindows PCの運用管理について考えていければと思っています。お楽しみに!
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