北朝鮮対応確認へ、安倍首相とペンス米副大統領が会談-平昌五輪前に

  • 慰安婦問題など現在の日韓関係を「よく説明したい」-安倍首相
  • 五輪前にわざわざ訪日は「政治的メッセージ」-慶大・中山教授

安倍首相とペンス米副大統領

Photographer: Kim Kyung-Hoon/Reuters

安倍晋三首相は7日午後、来日中のペンス米副大統領と会談し、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への対応などについて協議する。平昌五輪開会式を控え、日米が協力して圧力路線を維持する方針を確認する考えだ。

  外務省の発表によると、ペンス副大統領は7日午前に防衛省を訪問。午後には安倍首相との会談と共同記者発表を行う。同日の首相主催の晩さん会後には麻生太郎副総理との懇談もあり、経済関係を含めた幅広い意見交換を行う。8日午後には、韓国に向けて出発する。

  安倍首相は2日の衆院予算委員会で、ペンス副大統領との会談では「北朝鮮に対し圧力を最大限まで高めていく必要性を改めて確認したい」と述べ、日米の対北朝鮮政策を「完全に擦り合わせておく」と強調した。9日の平昌五輪開会式前に予定している日韓首脳会談に先立ち、慰安婦問題に関する合意を含めた現在の日韓関係について米側に「よく説明をしておきたい」とも語った。

  一方、ホワイトハウスは1月10日付の文書で、ペンス副大統領は今回の訪問で日韓両国の首脳に対し「北朝鮮の脅威への抑止と防衛という米国の同盟国に対する揺るぎないコミットメントを再確認することになる」と明言。同地域に駐留する米軍への「信頼と感謝を示すことになる」としている。

  米国政治の専門家、慶応大学の中山俊宏教授は、ペンス副大統領と安倍首相は共に訪韓するため現地での会談も可能であり、米側が「わざわざ訪日するというのは政治的なメッセージだ」と指摘する。欧州諸国とは緊張関係が続く中、「今一番深刻な北朝鮮情勢について日本ときちんと協調している」と国内外に向けて発信する狙いがあるとした。

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