概要
永井豪原作の漫画・アニメ・映画・ドラマキューティーハニーの主人公でヒロイン。
女子戦士キューティーハニーに変身し、犯罪組織パンサークローと戦っている。
その正体は、如月猛博士が亡くなった娘に似せて作り上げた生身を有する女子型アンドロイドで、心臓部に「空中元素固定装置」を内蔵している。
空中元素固定装置とは、空気中に存在する分子を自由に結合させることが可能であり、ありとあらゆるものを生み出すことが出来る魔法の装置である。言い換えれば無から有を産み出し、有から無に還すことができる正に悪魔な装置であるため、シスタージルやパンサーゾラから長らく執拗に付け狙われている。
これによってハニーは自由自在、変幻自在に変身する事が出来るのである。
余談だが、ハニーの登場シーンはお決まりのパターンとなっており、
敵が「何者だ貴様!」と叫ぶとハニーが「ある時は○○、またある時は○○、然してその実体は!ハニーフラッシュ!!」と叫んで変身し、「愛の戦士、キューティーハニーさ!」と決めるのがデフォとなっている。
永井曰く、変身するときに一瞬全裸になるのは、「その方が描いていて楽しいから」である。
原作だと、シスタージルとの最終決戦の前に、空中元素固定装置が故障して暫く変身出来ず、ジルが「アタシレズっ気あったのかしら?」と言うくらい。
それ以降、漫画が再開されるたびに、露出狂めいていく。
戦うヒロインの元祖的存在で、後述のようにさまざまな声優・女優によって演じられている。
基本設定はどの作品もほぼ同じであるが、作品ごとに細かな違いがある。
設定
『新キューティーハニー』
アニメ第1作から100年が経過した設定であり、ライト市長の秘書として働いている。
バトルコスチュームはアニメとは配色が逆で、原作と同様に青いトップスと赤いボトムスを着用。OVAだけあって、原作やアニメ第1作以上に乳首見せや全裸等のエロシーンが多い。
『キューティーハニーF』
この作品のハニーはロボットでは無く、空中元素固定装置の種子から生まれた人工生命体である。よって身体的には人間とほぼ大差なく、普通の人間と生殖することも可能で、最終回では早見青児との間に子供を為して結婚している。
決め台詞も他の作品とは大きく異なり、「愛の力を持つ乙女、キューティーハニー!貴方の人生、変わるわよッ!(ウィンク付き)」になっている。
しかし、基本的には原作やアニメ第1作に準拠した設定である。女児向けアニメになった事もあり、エロシーンは多少控えめになった。
後半ではミスティーハニーこと葉月聖羅の残した空中元素固定装置をハニーのそれと合体させ、「ハイパーハニー」という最強フォームを披露している。
実写劇場版第2作、『Re:キューティーハニー』
この作品群のハニーは女子高生では無く派遣OLになっており、年齢が上がっている。また、空中元素固定装置に「iシステム」という通称が追加されている。
実写映画版での如月ハニーの髪色はライトブラウンに近いが、『Re:』は過去作と同様。
『Re:』における決め台詞はお決まりの台詞の前に「天に星!地に花!人に愛を!」が付加されている。また、実写映画版や『F』とは異なり、『新』に負けず劣らずエロシーンが多い。
『キューティーハニー THE LIVE』
基本設定は過去作と大差ないのだが、それらとは相違点が多い作品となっている。
この作品のハニーは「重度の天然ボケで、人を疑うことを知らない天真爛漫で無垢な明るい性格」に様変わりしていて、過去作の「クールビューティー」とは全く印象が異なるものになっている。また、実写作品なだけあって、如月ハニーとしての姿も過去作と大きく異なり、黒髪のセミロングをツインテールにした髪型である。
演者がグラビアアイドルな事もあり、実写な割にはエロシーンは豊富。
この作品では『F』のミスティーハニーに相当するシスターミキとシスターユキを交えて、彼女達に待ち受ける残酷な運命に翻弄されることになる。
原作と同じくシルバーフルーレを武器とするが、ハニーブーメランは使用していなかった。
決め台詞は存在せず、最終回のラストで初めて原作と同様の決め台詞を放っている。
『CUTIE HONEY -TEARS-』
この作品のハニーも他の作品とは異なる設定が多い。
まず、普段の名前が「如月瞳」となっている。また、作品の世界観自体が大きく異なっており、格差の激しい荒廃したディストピア的な近未来を舞台としている。
バトルスーツも黒を基調としたシックなデザインとなった。過去作の重要な要素だったエロシーンは殆ど無い。
演じた人物(初演時系列順)
演者名 | 作品/シリーズ名 |
---|---|
増山江威子 | (オリジナル=TVA第1作) |
根谷美智子 | 『新キューティーハニー』(OVA第1作) |
永野愛 | 『キューティーハニーF』(TVA第2作) |
佐藤江梨子 | (実写劇場版第1作) |
堀江由衣 | 『Re:キューティーハニー』(OVA第2作) |
原幹恵 | 『キューティーハニーTHE LIVE』(実写TVドラマ版) |
西内まりや | 『CUTIE HONEY -TEARS-』(実写劇場版第2作)※ |
※実際はこの版のみ、普段の名として独自に「如月瞳」と命名されている(変身後は従来通り)が、作中のポジションが同じ事は明白なので本記事にて一括して扱う。
他作品出演
永井豪作品内ではあちこちでゲスト出演もしており、
バイオレンスジャックにも飛鳥了の生き別れの妹という設定で登場する(…が、作中での扱いはお察しください)。
ダイナミックヒーローズではハリケーンハニーに変身しダブルスペイザーを操縦した。
マジンガーエンジェルでは巨大ロボット・キューティーハニーの操縦者として登場。
多羅尾伴内との関連
往年のスター俳優・片岡知恵蔵の代表作である『多羅尾伴内』シリーズ。
スタート当初は大映(現・角川映画)の看板シリーズだったのだが、当時の大映社長・永田雅一と片岡が決裂、東映発足にあたってスタッフ共々移籍する形で継続する事となった。
主人公の探偵が様々な職業・風体の人物に扮し、犯罪の真相を暴き出していく…というストーリー構造は、後の東映変身ヒーロー作品群のプロトタイプ的な見方も出来るが、「主人公の七変化」「変身時の名乗り口上」等、その影響を最も色濃く受け継いでいるのが作品としての『キューティーハニー』、そしてキャラクターとしての如月ハニーと言えるだろう。
関連イラスト
初代
新キューティーハニー
キューティーハニーF
Re:キューティーハニー
実写劇場版
キューティーハニーTHE LIVE